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愛しい想い人への恋歌 雄略天皇七 神話は今も生きている ことの葉綴り七七九

新緑を愛でてリフレッシュ


おはようございます。気温差のある日々が続いていますが、道端の花も、お宮の樹々の新緑も色鮮やかなこと!!

すでに若葉の季節なのだと、気づかせてくれますね。

皆さんの周りの新緑はいかがですか?

新芽や新しい葉に、清々しいいのちを感じられます。愛でるだけでも気持ちも元気になりリフレッシュできます。ありがたいですね。

ぜひ、お試しあれ!

さて四月十八日(月)の暦は、六曜は「友引」で、朝と夕が吉。何事も勝ち負けのない日。十二直は「おさん」物事を納め入れる日。お買い物にいい日。二十八宿は、「」で、なにかの修理や工事をするのによい日。そして、ご神事やお参りによい「神吉日」です。

新しい週の始まり、今週も、皆さん健やかでありますように!!


さて、第二十一代、雄略ゆうりゃく天皇さまの物語に入ります。


<ご即位されるまでの波乱の物語はこちら>

謀反に策略、家臣の裏切り、深い忠誠心、復讐が復讐を生んだ悲劇の連鎖……そこで生き残り、大長谷谷王おおはつせのみこが、ご即位されるまでの物語はこちらです。


聖帝とよばれた仁徳天皇さまの物語

皇后若日下部王わかくさかべのみこさまの父でもあります。



太陽の陽を背にして大和から河内へ


雄略天皇さまは、皇后となられる若日下部王わかくさかべのみこさまに会うために、大和の長谷の宮から、河内の志幾へと行幸をされて、「結納のしるし」として、珍しい真っ白な愛らしい犬を贈りました。

若日下部王わかくさかべのみこさまは、天皇さまが御自らお出ましになり、愛らしい犬を贈ってくださったことに感謝をした上で、

「大君が、太陽の昇る東の大和から、陽を背にして西の河内の国へときたことは、とても不吉なことで、恐れ多く慎むべきでございます。私の方から、大和の宮中へと参内しお仕えいたします」と、申されたのです。


それを受けて、雄略天皇は、そのまま大和の長谷の宮へと戻っていかれました。

きっと、そのまま、「きゃぁなんて可愛いの~嬉しい~」と、大喜びされて、契りを結べるはず! なんて、期待されていたのかもしれませんね(笑)


さて、河内からの帰り道、日下山の坂の上で、雄略天皇さまは、皇后となられる若日下部王わかくさかべのみこさまに想いを馳せられて、次の御歌を詠まれたのです。


愛しい想ひ人、妻となり結ばれる日を願ふ歌



日下部くさかべの 
此方こちの山と
疊薦たたみこも 
平群へぐりの山の
此方此方こちごちの 
山のかひ
立ちざかゆる
葉廣熊白檮はびろくまかし
もとには 
組竹生ぐみだけお
末方すゑへには 
繁竹生しみだけお
組竹くみだけ
みは寐ず
繁竹しみだけ
確かには率寐ゐね
後もくみ寐む
その思ひづま 
あはれ

『古事記』より


私のいる長谷の宮のある大和の日下部の側のこちらの山(生駒山)と、若日下部わかくさかべの暮らす河内の国のあちら側の平群へぐりの山。

こちら(大和)とあちら(河内)の間の峡谷に、豊かに生い茂っている葉っぱの広いりっぱな樫の木よ。

この樫の木の根元には、ひそかに竹が生えていて

樫の木の末の方には、繁った葉が生えている

このひそかに生える竹のように

秘かにも寝ることなく

生い繁った竹のように、

しっかりと共寝することもなかった

けれども……

これから未来は、きっとしっかりと抱き合いながら

共寝をしようぞ

ああ、私の想い人、愛しい我が妻よ……


メッチャ恋の歌でした!!(^^)


雄略天皇さまは、ご自身のいらっしゃる大和と、やがて妻となる愛しい若日下部王わかくさかべのみこさまのいる河内の境で、この御歌を詠まれると、すぐさま使者に、この出来立てほやほやの恋の歌を持たせて、若日下部王わかくさかべのみこさまにお届けになったそうです。


と……雄略天皇さまの御世の物語。

こうした女性とのお話が続くのです(^^)

―次回へ。

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