天の岩戸神話も!「倭姫命世紀」ことの葉綴り九〇五回
天赦日+処暑 お参り日和
おはようございます。八月二十三日(火)。二十四節気の「処暑」で、暦の上では、“暑さが和らぎ、秋になる”とされます。でもまだまだ猛暑は続いていますね。夏バテに気をつけたい頃ですね。
また、大吉祥日の「天赦日」。天が全てを赦し、万(よろず)のことに吉の最高の吉日。一年に5~6回だけ。
さらに六曜は「友引」で、朝と夕が吉。何ごとも勝ち負けがないとされる日。十二直も、万物を建て生じる「建」。神仏の祭祀、お参り、婚礼、引越し、旅行、開店開業、衣服の着始めに吉。二十八宿の「翼」は、植木の植え替え、種まき、耕作始め、旅行に吉。ご神事やご供養によしの「神吉日」。
これは、もう季節も運気も転換日のお参り日和ですね。私も「ことの葉綴り」を書き終えたら、お仕事前に氏神さまへお参りしてきま~す(^^)
天照大御神様の「天の石屋(岩)戸」の神話
倭姫命さまは、天照大御神さまにお仕えされて、各地をご巡幸され、伊勢の神宮をご創建されました。
その<一代記>を綴った「倭姫命世記」の、はじまりと終わりにある、倭姫命さまが、天照大御神さまからのご神慮による訓えを、お伝えしました。
その訓えの元には、神代の物語があると……。
倭姫命さまは、伊勢の神宮の今にも続く、祭祀、お祭り、身を清める斎戒、祓の法、神さまへのご神饌(御料)、神田、そして大物忌、ご神事を奉仕するものたちをお定めになりっていかれます。
今に伝わるご神事も、神代の天照大御神さまの「天の石戸屋」隠れのときに、八百万の神さまたちが、執り行ったお祭り(ご神事)が、元型としてあります。
伊勢の神宮で、もっとも大切なご神事でもある「式年遷宮」。
二十年に一度、ご正殿、宇治橋、大鳥居はじめすべてのもの、ご神宝も、新しくつくりなおします。
古いご正殿などは、全国のお宮のお社殿として受け継がれます。無駄にすることはなく、ここにも、すでに“リサイクル”が行われているのです。
古からの伝統と技術を守り受け継ぎ伝承しながら、ご社殿は、常に瑞々しく、永久に循環させる「古くて新しい」を保つ、「常若」の精神が今も生きています。
伊勢の神宮が、「世界でいちばん古くて新しい聖地」といわれる所以です。
二十年に一度の「式年遷宮」の「鶏鳴三声」
この「式年遷宮」が初めて行われたのは、天武天皇の願いにより、持統天皇四年(690年)のことでした。
そこから、現代の平成二十五年(2013年)の、「第六十二回神宮式年遷宮」まで続いています。
とはいえ、神宮の祭祀は、いきなり新たなことを始めるわけではありません。倭姫命さまのお定めになった祭祀の法は受け継がれていると思います。
天武天皇が「式年遷宮」を願われる前から、二十年に一度ではなくても、「遷宮」や、造営は行われていただろうと考えられています。
そして、この、「式年遷宮」のご神事の儀式のはじまりのときに、神話の天照大御神さまの「天の石屋(岩)戸」の物語が”再現”されているのです。
「天の石屋戸」の詳しい物語はこちらをご覧ください。(それぞれの記事の後半です)
元を元とし、本を本とする
この神話の物語が、「式年遷宮」の儀礼のクライマックス「遷御の儀」
ご神事のはじまりに、夜の暗闇で、神職さん方が「カケコー、カケコー、カケコー」と、神話のまま、夜明けを告げる「鶏声三声」が響くのです。
ね? 神話がそのまま生きているのです!
すごくないですか?
また、今も神社で執り行われるご神事は、この「天の石屋戸」が、基になっているのです。
古くて新しい……「常若」の元も、倭姫命さまが、元になっているように思うのです。
そして、こうした元の元“普遍”と“出会う”経験は、時空を超えて、その元の元へとつながり、私たちの心に栄養を与えてくれる気がします。
古くて新しい……それを私たちも体現して生きているのではないでしょうか(^^)
いつもありがとうございます。
お参り日和、今日も皆さま佳日でありますように!
―次回へ
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