見出し画像

古代の笹ゆりのご神事は今も 神話は今も生きている ことの葉綴り。二四四


“つながり”の発見を楽しむ

おはようございます。昨夜は雲の合間から十三夜のお月さまがみえました。明日が満月。そしてハロウィンですね。
さて、今日も「ことの葉綴り。」に向かいます。

『欠史八代』とは、第二代の綏靖天皇(すいぜいてんのう)から、今日ご紹介する第九代の開化天皇(かいかてんのう)までの天皇は、『古事記』『日本書紀』にも、系譜のみ記されている、“知られていない”天皇の時代です。
系譜のお名前だけで、漢字ばかりが続いていますが、おつきあいくださって、ありがとうございます。(ぺこり)本当にありがとうございます。

神話の物語も、中つ巻に入り、やはり神代の時代の“おおらかさ”とは違う気がします。
参考にしている図書なども、系譜のお名前だけ書かれていたり、「欠史八代」の時代は、天皇の名前だけが紹介されていたりが多いのです。
けれど、せっかく、神話の物語を、日々綴っているので、省略するのは、もったいないな~。でも、物語は地味だから、読み物としての面白さや派手さはないしな~と、正直、思ったりしました(苦笑)。

画像4

そこで、日々、綴る中で、フト感じたこと、へえ~なんて、自分の感受性を大切にすることにしています。
フト感じたことを調べていると、そこに“つながり”を見つけたりします。
「子孫が有名人」だったり、「天皇の清水って、古代から淡路島から運んでいたの?」……と、けっこう、楽しい発見があります。
ココとここがこう繋がっているのか~なんて、おもしろい発見もあります。気が付くと1~2時間が、あっという間に過ぎています。
古にイメージと想像の羽が飛んでいると、同時に、今の時も、飛んでいるような感覚です(笑)。
なので、中つ巻では、この人は、先祖のコレにつながります、というときは、その回へのリンクをはるようにしています。
よかったら、思い出すために、また、古への想像の羽を広げるために、リンクにも飛んで読んでみてもらえると嬉しいです。

画像3

第九代、開化天皇の都、率川宮(いざかわみや)


第八代の孝元天皇(こうげんてんのう)から、皇位を継承したのは、皇后の三番目の御子、若倭根子日子大毘命(わかねやまとねこひこおおびのみこと)。第九代、開化天皇です。

やはり、継承する御子には、根子日子が名前についていますね。

若倭根子日子大毘命(わかねやまとねこひこおおびのみこと)は、奈良市の春日の伊邪河宮(いざかはのみや)に都を遷し、天下を治められました
伊邪河宮は、率川宮とも書きます。

奈良市には、率川神社(いざわかじんじゃ)があり、こちらが宮の伝承地ではないかと、されています。
ご祭神は、初代の神武天皇の皇后となられた、媛踏鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)。
この物語では、比賣多多良伊須氣余理比賣(ひめたたらいすけよりひめ)と紹介しました。



そして、率川神社さんは、大神神社(おおみわじんじゃ)の摂社です。
大神神社(おおみわじんじゃ)の、ご祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)。その娘神こそ、媛踏鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)=比賣多多良伊須氣余理比賣(ひめたたらいすけよりひめ)です。


そうです、初代、神武天皇が見初め、皇后に選ばれた媛踏鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)がご祭神の神社です。
第九代の開化天皇にとっても、ご先祖にご縁のあるところですよね。

画像2


美しい笹ゆりを神様へお供え

この神社では、「三枝祭(さいくさのまつり・ゆりまつり)」が有名です。
その由来は、媛踏鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)が、暮らされていた三輪山の麓、狭井川のほとりには、笹ゆりの花が美しく咲き誇っていたことから、後世になって、ご祭神の神さまにお慶びいただこうと、酒樽に、笹ゆりの花を飾りお祀りしたことからなのですよ。

覚えていますか? 神武天皇と媛踏鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)=比賣多多良伊須氣余理比賣(ひめたたらいすけよりひめ)が、初めて結ばれたのは、狭井川の、比賣の宮でしたよね。
そして、神武天皇は、その愛の歌を詠われたことを!

こんな風に、神話の物語のなかの「産霊(むすひ)」、結びつきをみつけると、ちょっと嬉しくなるのです(^^)
そして、神社では、古からこの令和の今も、神さまへのご神事が続けられています

神話は今も、生きている!

古代の息吹、それを、体感できる瞬間です。

この「つながり」「産霊(むすひ)」「結び」つきを感じられるとき、きっと、それは、神話の物語のことだけに及ばず、私たち誰しもが、一人ぼっちだと、孤独に思うことがあっても、必ず、「つながり」「結び」はあるのだよと、伝えてくれる気がするのです。

人は、つながりの中で、生かされている、のですもんね。

そして、物語では、開化天皇は、四人の妻と五柱の御子をもうけます。
それはまた明日。

画像1

―次回へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?