皇后を迎えに 仁徳天皇二十神話は今も生きている ことの葉綴り六九七
一粒万倍日+大安+満+神吉日
おはようございます。
皆さん、この「ことの葉綴り」に、お越しいただき、本当にありがとうございます! 寒い日が続いていますが、お元気ですか?
一月二十六日(水)吉がいっぱいの暦です。
六曜は、「大安」吉日!すべてに終日よし。婚礼によし。
十二直も、すべてが満たされる「満」ですが、控えめにしてよし。祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、移転、旅行、引っ越し、種まきに吉。
二十八宿の「壁」は、開店開業、旅行(ってこの時期は難しいですよね~)、婚礼、建築、衣類の仕立てに吉。
そして、ご神事によい「神吉日」、神社のお参り、祖先をお祀りする、お墓参りもよし。
そして、一粒の種を蒔けば万倍の稲穂が実るとされる吉祥日の「一粒万倍日」です。
真冬ですが、何かを始めるのもいいですね~。お参りもいいですね~。皆さん、何か嬉しい、楽しい、何かを初めては?(^^)
さて、神話の物語に入ります。
聖帝と呼ばれた第十六代、仁徳天皇さまの御世の物語、二十回になりました。
天皇の度重なる恋に嫉妬深い皇后の怒りは収まらず、宮中から“家出”をされていますが……さてさてご夫婦は仲直りできるでしょうか?
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。
最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。
珍しき虫を見にいこう!
天皇は、何度も御歌を皇后のために詠まれ、“戻ってきてほしい”サインを出されました。
けれど、皇后石之日売命さまも、御歌の中には天皇を想う心の本音が現れていたのですが、まだかたくなになられて宮中に戻る気配はありませn。
家臣の|丸邇臣の口子《わにのくちこ》と、その妹の女官口比賣、皇后が身を寄せる屋敷の奴理能美の三人は、知恵を出し合い、ある計画を立て実行しました。
それは……山代の奴理能美は、とても希少価値のある不思議な虫を飼っていて、皇后は、その虫を見るために、奴理能美の屋敷に逗留しているのであって、ほかには意味はありません……ということ。
天皇さまも皇后さまの、どちらのプライドを傷つけることなく、かたくなに意地の張り合いをすることのないように、
どちらが悪いわではありません……また天皇さまが、皇后さまをお迎えにいけるようにと、心遣いがされていました。
そうか、それほどまでに珍しい虫であれば、私も見てないといけないだろう。よし! 私も虫を見に行こう。
早い方がよかろう。
天皇さまのお返事に、三人は、どれほど喜んだでしょう。
よし! やった~! 今だとガッツポーズしていますね、きっと。
天皇、皇后を迎えに山代へ
早速、天皇は、難波の高津宮から山代に向けて出発されました
三人は皇后さまに、「天皇が山代まで皇后をお迎えにいらっしゃる」と、伝えます。
かたくなになった皇后さまも、あげた拳の落としどころとして、「あ~よかった~」と、安堵されたでしょうし、夫が私を迎えにくる。それなら許してやろう……なんて心がゆるまれたようです。
この“不思議な虫”とは、幼虫、繭、蛾と三種類に姿を替える希少な不思議な虫で、「蚕」のことです。
奴理能美は蚕を飼っていたのですね。
天皇が、いよいよ奴理能美の家にお入りになられました。
そのとき、奴理能美は、飼っている三様に変化する不思議な虫(蚕)を、皇后さまに奉りました。
「皇后さまから、大君さまに、この虫(蚕)を……どうぞお見せくださいませ」
そして、そう取り計らったのです。
お迎えにきましたよ~の御歌
天皇さまは、皇后さまが身を寄せている奴理能美の屋敷の戸口にお立ちになると、次のような御歌を詠まれました。
つぎねふ 山代女の
木鍬持ち
打ちし大根の
さわさわに
汝が言へせこそ
打ち渡す 弥桑枝如す
來入り参來れ
山代の女が、木の鍬を使い掘り起こした白い大根が
とても白くさわやかなように
あなたが、とても騒がしく言うものだから
生い茂った木の様に、大勢の供を連れて
私は、あなたのもとにやってきたのです
ちゃんちゃん(笑)
なんとか、ご夫婦として仲直りに成功したようですよ~(^^)
このお話の中で、天皇さまと皇后さまが詠まれた六首の歌は、
“志都歌の歌返しなり”
静かに歌う歌を歌い返す歌、とされているそうです。
長くなりました!ではまた次回!
いつも、ありがとうございます。
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