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父の出した恋の答えは? 応神天皇十三 神話は今も生きている ことの葉綴り六三二

二十四節気「小雪」と一粒万倍日

おはようございます。十一月二十二日の暦は、二十四節気の「小雪しょうせつ」。北風が強くなるころで、季節の変わり目。黄色く色づいた葉が風に舞い落ち葉となっていく……そろそろ冬支度はじめなきゃ、ですね。
六曜は、「先負せんぶ」で午後が吉。万事控えめにしてよし。急用や勝負事はさけてよし。
十二直は、すべて閉じ込める日の「とづ」。閉じて止めるにはいいので、お金を納めたり、壁の穴をふさぐ、お墓を建てるのには吉。二十八宿は「しん」で、神仏の祭祀、引っ越し、旅行に吉。
そして、今日も吉日の「一粒万倍日」ですよ~。
二十四節気の節で、気も変わり目になりそうな週明けですね。
寒くなりますが、皆さん、お元気でお過ごしくださいね。

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神話19 成務天皇・仲哀天皇と神功皇后

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応神おうじん天皇さま これまでのあらすじ>

第十五代応神おうじん天皇さまは、寵愛する妃矢河枝比売やかはえひめさまの皇子宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこさまに、「皇位を受け継ぐ」と命じられました。
父である天皇の心に寄りそう皇子の大雀命おほさざきのみことさまですが、天皇の妃となる髪長比売かみながひめさまの端正な美しさに恋をしてしまいます。
あきらめきれない大雀命おほさざきのみことさまは、重臣の建内宿禰たけしうちのすくねに、「どうか、私の妃にと、天皇にお願いしてほしい」と、嘆願するのでした……。

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応神おうじん天皇の反応はいかに!?

建内宿禰《たけしうちのすくね》は、応神おうじん天皇さまも、大雀命おほさざきのみことさまのことも熟知しています。

はてさて、どうなることやら……天皇さまが、お怒りにならねばよいのだが……これは、ありのままに正直にお伝えするのがよかろう……。

意を決して建内宿禰《たけしうちのすくね》は、応神おうじん天皇さまに、皇子の大雀命おほさざきのみことさまが、髪長比売かみながひめさまに一目惚れをし、どうしてもあきらめがつかず強い想いが消えぬことをこと、父の妃となることもわかっているが、どうかわが妃として迎えたい! その許しを請いたいと願っていると、伝えました……。

その話を聞いていた、父の応神おうじん天皇さま……。

さて、どう反応されたと思いますか?

メチャクチャお怒りになられた……?

建内宿禰《たけしうちのすくね》の話に耳を傾けながら、日頃から優しく生真面目で一本気な息子の、意外な熱き情熱や恋心に驚かれていました。
皇位を、母違いの年下の弟に譲りたいという思いも、理解してくれた息子です。それを、一人の乙女への恋心がここまで、息子を動かすのか……。
あの大雀命おほさざきのみことがそこまで願うのなら……

応神おうじん天皇さまは、父としてこの皇子を可愛く思われたのでしょう。

建内宿禰《たけしうちのすくね》よ。皇子大雀命おほさざきのみことの願い、よく、わかった。
髪長比売かみながひめは、大雀命おほさざきのみことに譲り、娶らせることとしよう!

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新嘗祭にいなめさいの酒宴での祝福

さて、息子に、妃候補の髪長比売かみながひめさまを、どう譲られたのでしょうか?
その状況はこうでした」と、神話に書かれているのです(^^)

その年の、天皇の宮中での最も重要な祭祀新嘗祭にいなめさい
翌日のことでした。
今でも、毎年十一月二十三日に、天皇陛下が、その年の新穀を、天照大御神さまはじめ八百万の神々にお供えされて、ご一緒に召しあがるご神事です。

応神おうじん天皇さまは、最も大切な祭祀新嘗祭にいなめさいを、執り行なわれた翌日に開かれた酒宴の席で、祝いのお酒を受ける柏の葉を、髪長比売かみながひめさまの手に取らせます。
そして、この柏の葉に注がれた酒を、皇子の大雀命おほさざきのみことさまに、お与えになられたのです。

こうして応神おうじん天皇さまは、皆が集まる祝いの酒の席で、皆の前で、大雀命おほさざきのみことさまが髪長比売かみながひめさまを妃として娶ることを、披露されたのでした。

きっと、父として、サプライズではないですが、息子を喜ばせたかったのかもしれませんね(^^)。ちょっとお茶目ですよね~。応神おうじん天皇さまは、さらに、皇子と妃にむけて、祝福の御歌を詠まれたのです。
長くなるので、それは次回に!

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―次回へ
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