見出し画像

倭建命様を偲ぶ歌が……其の五二 神話は今も生きている ことの葉綴り五八〇

お朔日参りと朔日餅

おはようございます。今日から神無月かんなづきですね。
出雲大社さんに、全国の八百万の神さまがお集まりになるので、出雲では“神在月かみありづき!神話にまつわる呼び方が今も続いているっていいですよね。十月一日(金)午後から関東は、局地的大雨になりそう。外出の際は気をつけましょう!

暦は、六曜は「|友引」で朝と夕方が吉。何事も勝ち負けのない日。十二直は、物事を納め入れる日の「おさん」。お買い物、五穀の取り入れに吉。二十八宿は「ぎゅう」で、二十八宿のうち「」に次ぐ吉祥日!お金の相談、旅行、引っ越しに吉。
そして、「神吉日かみよしにち」で、お朔日のお参り日和ですね。
伊勢の神宮でも「朔日ついたち参り」で、無事に過ごせた一月に感謝をして、新しい月の無事を願いお祈りをする。そして、伊勢の名物「赤福餅」で有名な「赤福」さんでは、毎月、「朔日餅」(お正月以外)が有名です。
十月は、栗餅~美味しそうですね~。
雨が降る前に、「お朔日参り」をして、季節の和菓子を頂く金曜日っていかがですか?(^^)

画像4

倭建命様の物語を「マガジン」に

現在綴っている、倭建命やまとたけるのみことさまのマガジンをつくりました。良かったらご覧ください。

<ことの葉綴り>全体のご案内
神話の物語編は、魅力的な神さま別に「マガジン」分けしています。
現在、18の物語に分かれております。
お好きな神さまの名前や、ご興味あるものをご覧くださいね。

画像4

倭建命様を偲ぶ歌

倭は 国の まほろば
たたなづく 青垣
山隠れる 倭し美し

はしけやし 吾家わぎへの方よ
雲居起くもゐた

ああ~なんと懐かしく愛しい 
故郷の大和の国の我が家のほうから、
あの雲は湧き起こって来ている……。

故郷の大和へと戻られる途中、能煩野のぼの(三重県)で、息を引き取られた倭建命やまとたけるのみことさま……。
悲報を受けてすぐさま、大和の国に残した后と御子たちが駆け付けて、御陵の前で、慟哭されて歌を詠まれました。

なづき田の 稲幹いながらに 稲幹いながら
匍匐もとほろふ 野老蔓ところづら

水につかった稲の田の茎に 這いまわりついている
山芋の蔓のように、亡き方のお墓にまつわりついて、
泣いて這いまわる……。

泣きながら歌を詠み終えられたとき、倭建命やまとたけるのみことさまの御霊は、白鳥と姿を変えて、空へと舞い上がったのです。そして飛んでいきます。
后と御子たちは、足にケガをしながらも痛みも忘れて、懸命に白鳥を追いかけていきます。
白鳥は、大空を翔けていき、海辺へと飛んでいきました。

画像5


淺小竹原あさじのはら 腰なづむ
空は行かず 足よ行くな

浅い竹の原は、足や腰にまとわりついて、前に進めません。
空高く飛んでいく、あなたのように飛べずに、とぼとぼと歩くことしかできない。なんともどかしいことでしょう。


海處うみが行けば 腰なづむ
大河原の 植ゑ草
海處うみがはいさよふ

海を進めば、腰まで海に浸かってしまう。
どうにも前に進めない
広い川面に浮かぶ水草のように
海を進めば、私たちは、ただ漂うばかり
ああ、どうにも前に進めぬものよ。

画像3

歴代天皇を悼む四首

海辺まで白鳥を追いかけて、走ってきましたが、海上を飛んでいってしまえば、もう追いかけることは叶いません……。
けれど、白鳥は、なぜか砂浜ではなく、磯伝いに飛んでいくのです。
ときに磯の上に降りてきて岩場で休んだりもします。
またその姿に倭建命やまとたけるのみことさまへの想いが込上げます。

はま千鳥ちとり
濵よは行かず
磯 つた

后と御子たちは、白鳥の姿に涙し、こちらでも歌を詠まれています。

海をゆく千鳥よ。
歩きやすい浜をば、選んでいかずに、
歩きにくい磯を伝ってとんでいくことよ……。

倭建命やまとたけるのみことさまの死を偲び、そして霊魂が姿を変えた白鳥を追いかけて、残された“家族”后と御子たちが、この詠まれた四首の歌は、のちの世まで、歴代の天皇が身罷られたときのご葬儀、大葬たいそうのときに、悼み冥福を祈る歌として歌われるようになったといいます。

画像3

―次回へ
#一度は行きたいあの場所
#私の作品紹介



この記事が参加している募集

#私の作品紹介

95,965件

#一度は行きたいあの場所

50,667件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?