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ご先祖は初代天皇の皇子 仁徳天皇五 神話は今も生きている ことの葉綴り六八一

泉水温しみずあたたかをふくむ

おはようございます。成人の日ですね。新成人の方、お祝い申し上げます。一月十日頃は、七十二候では「泉水温しみずあたたかをふくむ」と、厳しい寒さは続いていても、土の中では凍っていた地下の水、泉が、動き始めるころ、だといわれます。
そんな大地の中の泉に想いを馳せながら、白湯や生姜湯、葛湯なんていかがでしょう? ちょっと心も体も温まりそうですね。
暦では、六曜は「先勝せんしょう」で午前が吉。先んじることで幸を勝ち取れる日。何か予定があれば、急いで先んじていい日。
十二直は、開き通じる「」。祭祀、お参りで運を開くにもいいですね。開店、開業にもよしの日です。
二十八宿の「ちょう」も祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、就職に吉。種を蒔くのは大吉です。
そして、ご神事やお参りによい「神吉日」です。

さて、神話の物語に入ります。
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。




最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。

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茨田連衫子まんだむらじころものこさんの祖先

第十六代、仁徳にんとく天皇さまの御世初の堤防「茨田堤まんだのつつみ」が大阪湾流れる淀川につくられました。
工事は難航を極め、武蔵人強頸こわくびさんは人柱となり水流を堰き止め、河内人茨田連衫子まんだむらじころものこさんは、知恵を働かせて、ひょうたんを川に流し、それが沈むか浮くかに、命を委ねました。
その結果、ひょうたんは水面に浮かんできて命拾いをしました。
無事に「茨田堤まむたのつつみ」は完成し、約千六百年前に、社会のインフラや、この川で資源を運び経済的基盤が整っていったそうです。

大阪府門真市にご鎮座する「堤根つつみね神社」さんは、「茨田堤まんだのつつみ」を築いた知恵者、茨田連衫子まんだむらじころものこさんの一族の先祖の神様がご祭神です。
では、この茨田連衫子まんだむらじさん一族のご先祖とはどんな神さまなのでしょうか? それを今回は、ご紹介します。

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初代、神武天皇の皇子彦八井耳命ひこやいみみのみことさま

初めての堤防の完成後、茨田連衫子まんだむらじころものこさん一族が、その御祖先の神、彦八井耳命ひこやいみみのみことさまをお祀りしたのが、堤根神社さんのお宮の創始となりました。

この|彦八井耳命《ひこやいみみのみこと》さま、実はすでに神話の物語に登場されていたのです!! しかも、ずっとずっと前!
なんと、初代天皇の神武じんむ天皇さまの皇子なのです。
母は、|媛蹈鞴五十鈴媛命さま。
第二代の天皇となられた綏靖すいぜい天皇さまのお兄様です。

古事記には、長兄、日子八井命かむやいみみのみこと、次兄神八井耳命かむやいみみのみことと記述があります。

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神武天皇の皇子三兄弟の絆

父である初代天皇が身罷られた後、異母兄の当芸志美美命たぎしみみのみことが、皇位を狙い、日子(彦)八井耳命ひこやいみみのみこと兄弟三柱の命を狙っていました。
母から知らされた三兄弟は、力を合わせて、|当芸志美美命《たぎしみみのみこと》を打とうとします。
けれど、兄は、いざというときに、手足震えがきてしまったのです。
それを見た末の弟、神沼河耳命かむぬまかはみみのみことさまが、当芸志美美命たぎしみみのみことを討ち果たしたのです。

そのとき、兄たちは、弟にこう告げました。

弟よ。私は、震えてしまい仇の当芸志美美命たぎしみみのみことを撃つことができなかった。
お前は見事だった。勇気を持ち仇を倒してくれた。
それゆえ、私がお前の上にたち天皇とはなれない。
そなたが、父上の跡を継承し天皇となり天の下を治めるのがよい。私は、そなたを助けて、神さまへの神事を司る忌人(神をお祀りする人)になりお仕えしよう。
お前こそ、皇位継承するのにふさわしい!!

この一連のくだりをご覧になりたいかたは下記へどうぞ!


こんな経緯があり、末弟、神沼河耳命かむぬまかはみみのみことさまが、第二代綏靖すいぜい天皇さまにご即位されました。
兄の二柱は、この天皇の御世のサポートをされたのです。
三柱の兄弟の仲の良さがうかがえますね。

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日子八井命ひこやいのみことは、茨田連まんだのむらじの祖

そして、
日子八井命ひこやいのみことは、茨田連まんだのむらじ手嶋連てじまむらじの祖となったとあります。

この日子八井命ひこやいのみことは、他の文献では、彦八井耳命ひこやいみみのみことさまとあり、「堤根神社」さまのご祭神です!

後の、十六代仁徳天皇の御世、困難を極めた国の一大事業に尽力したのは、なんと、初代神武じんむ天皇さまの皇子で、第二代綏靖すいぜい天皇さまの手助けをされた、兄の日子八井命ひこやいのみこと・彦八井耳命さまの、子孫だったのです。
茨田連衫子まんだむらじさんが、「浮かびひょうたん」で天命に委ね命拾いをされたも、ご先祖の神々のお力だったのかもしれませんよね。巡り巡ってのご神縁、おもしろいですよね~。

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では、次回へ!
―次回へ
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