SPT_表紙_フフ山梨

「組織の課題」を”特定”だけでなく、関係者と合意し、解決糸口まで見つけるスピーディな方法論(身体・ダンスを使うユニークな手法)

「現場の要望に応えてあげたいけど、上から言われる事との間で板挟みや…」

「組織の何が課題なのか、よく分からない…見えてこない…」

「経営陣と部長陣の目線が合ってないせいで、なぜか人事が損を見る…やで…」 

このようなお困り事は人事・HR担当の方でお持ちの方もいるかと思います。(筆者のワタシも自社のライン人事を経験したり、多くの会社の経営陣や人事の方とお仕事させていただいた経験があるため、少なからず理解させていただいてきました)

「組織の課題は、よく見えんのじゃあ~」

こんな千鳥ノブさん風の声を上げたくなるように思います。

そんな皆さんに今日は「スピーディに、組織というシステムで起こっていることを、見えるようにして、ステークホルダー(利害関係者)と一緒に、課題を合意し、解決の糸口まで仮説立てる方法論」をご紹介します。

(※U理論提唱者オットー・シャーマー博士(リンクは原著をわかりやすく解説してくださっている本)と、チベット仏教瞑想指導者でありコンテンポラリーダンスもされているアラワナ・ハヤシさんが体系化した、れっきとした組織課題解決に向けた手法であり、様々な国の自治体関係者・コンサルタント等が学んでいるものだそうです。ワタシは実際に海外で学んだのではなく、日本に持ち帰ってくださった師匠の方々から合宿形式で体験型で学ばせていただきました。)

そして、合宿に参加した結果、本当に楽しくって、ワタシがこれをスゴイ好きなので、一緒にやって楽しみましょうよ!と「磯野野球しようぜー!」くらいのテンションでお届けしたいなと思います。(組織課題の話とかって、あまり楽しく語られることが無いように思いますし、楽しく前向きな視点で捉えられる手法だなと感じたので、そうした気持ちで書いてみます)

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ということで、早速、方法論名はズバリ

Social Presencing Theater (SPT、と略されます)

Social=人と人の間にあるものごと

Presencing=出現すること・起こること(Presenceという英単語を造語にしている)

Theater=見える化する(ワタシの好きな劇場ではなく「見える化」)

詳しくはHPをご覧ください。(←リンク)ただ、まだ日本で一般化していないため、情報が英語中心であるため、以下にワタシが学んだなりに説明していきます。(追記:日本に持ち帰って下さったお師匠さんから「ちょっと訂正ポイントもあるけど、自分の一見解と書いてくれたらいいよ」と賜りましたので、一言。全て私の見解です!正しくはサイト見てください!深淵な世界観なので、全然書ききれないし、ワタシが感じた一面を書いてます!)

どんな方法論なの?

学習する組織」著者のピーターセンゲさんが、U理論オットーさんと、ダンサーのハヤシさんを繋いで、お二人が作り上げたこの手法。

とっても大まかに説明してしまうと(言葉での説明が難しいものの頑張って書きます)

①頭や論理(あるいは数値)ばっかりで考えがちな組織課題について
②(自由なダンスによって解した後の)カラダを使って、ステークホルダー同士で、組織内の登場人物に見立てて(ステークホルダー全員が集まれると理想ですが、無理な場合には、関係ない人同士でその役になってもらう。演じる必要は無い。

※「ダ、ダンス!?」と思った方、後で補足しますね笑

③頭ではなく、カラダが感じるままに表現することで、組織というシステムで起こっていることをスナップショットで見て(実践する時にはSculpture=彫刻と呼びます)
④その後、頭ではなく、カラダが感じるままに、彫刻となっていた組織システムに「変化(動き)」が生まれていき(実際に登場人物役の人たちが、例えば疲れてきて、腕が下がるとか、足が曲がるとかって動いていき)
⑤カラダが動いていった後に(崩れていった後に)、また彫刻のように、登場人物が止まるまで動いて、そのままの状態で振返り
⑥「誰の役をやっていた人の、どの部位が」「その人のどういう感覚で」動き出したのか、組織に起こった変化を話し合うことで
⑦(例えば)「部長役が従業員役を守るようにして広げていた手を下ろした事で、人事役の視界から部長役の手が消えて、人事役も動きやすくなって、自然と従業員役の方に近づいていって、それを見ていた社長役も、人事役と部長役を背中から後押しするようなポーズに変わった」というような、「本当にそんな綺麗なストーリーを”考えずに”表現しているのかよ!?」とツッコミたくなるような感じで、組織の課題と変化の糸口を見立てることができたりする

そんな方法論です。(書いてしまうとチャチく見えるかもしれませんが、本当に面白いんです、やってみると)

「ダンスってどゆことやねん!」という方へ補足

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驚いた方もいるかもしれませんが、ダンスと言っても、星野源さんとか欅坂46さんとか菅原小春さんがやっているような「魅せるダンス」ではありません。

ダンスの枠組みで呼ぶなら「コンテンポラリーダンス」のように、ただただ感じるままに、思考を除けて、身体を動かすダンスです。(イメージはこの動画から)

言い換えつつ、まとめていくと

・普段、数値や論理を使って、頭でウンウン考えて、資料にまとめて説明して、関係者と課題を合意して、その課題に対する打ち手を検討するのが組織開発活動ですが (しかも「部長が変わらないから下が困っている」とか部長に対して言えない忖度文化も、どうしても生じてしまう)

・まず、頭ばっかり使って凝り固まったカラダをダンスで解して

・組織の登場人物を、参加者同士で配役して見立てて、現状の組織システムをカラダで表現し

・カラダが感じるままに動いていった後のAfterの組織システムも見て

・その動きを対話しながら振返り

「現状組織は●●のところで課題が起こっていて、変化は▲▲さんキッカケで起こって、最終的に★★な状態になるんだ!(そうなると良いな!)」

・という課題・解決の糸口・ありたい状態を、言葉だけでなく、一緒に「体験した者同士が」イメージとともに、合意している状態を創り出す方法。

・そのため、結果的に、延々と考えて言語で起案し続けていた度重なる会議よりも、数時間or数日間で行うSPTワークショップの方が「スピーディ」である、ということです。

・・・めっちゃ楽しいし、童心にも還るし、一緒にやった人と仲良くなるし、副産物もたくさんあります!(そういえば言ってなかったですが、僕は別にSPTの回し者ではありませんw)


おまけ

ちなみに、U理論がベースになっているため「組織課題」だけでなく「個人の課題・自分自身の変容」「社会の課題・それこそ地球規模の変容」の話も取り扱うことができます。

だからこそ、SPT研修に、世界の自治体やトップ企業群のコンサルタントなどが来ているのでしょうね。それこそ、今や、SDGsや、ESG投資など、持続的なビジネス・開発が求められているため、一企業の組織課題に留まらない、もっと大きなステークホルダー同士の「過去の延長線上にない新しい可能性に向けた変化」について、課題・打ち手の発露・合意を目的に、実施することもあるようです。

※途中でいきなり書くとビックリするかもしれないので書かなかったですが、組織システムを登場人物で見立てる時に「地球役」も登場します。これは提唱者のお二人が「何したって、あなた、何か起きたらそれはもう地球の上で起こっている事じゃない?何か変化があれば、地球にも影響があるんだから」というような旨で(こんなテンションで仰ってたかは知らんけど。絶対違うけど)そう決めているみたいです。

だって、例えば大きな石油企業などの会社とかって地球温暖化にも影響するレベルで経営判断しないといけないですもんね。

▼ということで、ここまでお読みいただきありがとうございます!

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YOMOYAMA-NIKKI
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