【学びのフレームワーク】何を学ぶかより、どのように学ぶか
いま、やっていることや、目指しているところを言語化することで、子どもたちにとって価値ある学びを考えていく。
今回は、バーコードの授業をつくる過程から考える。
トップ画は、生徒作品。エビのバーコード。
これは、バーコードはまっすぐという概念を越えて、虹を描いたり、季節柄考慮して鬼を描くあたり、まわりをよ~く観察している。
さて、そもそもバーコードを授業で扱おうと思ったのは、仲間のひとりがたまたま目にした年賀状お年玉くじのニュースが、バーコードと結びついたことがきっかけ。
「身近な題材」
「物を探す過程で身体が動く」
「終わったあとにこれまで景色だったバーコード・QRコードが目につくようになる(生活の解像度が上がる)」
など、いくつか理由をあげていたが、
バーコードやQRコードを学ぶこと自体に価値を感じる人は少ないだろう。
厳密にいうと、関心は人によって異なるので、価値ある学びなんて人によるとしか言えない。
価値は、その人の関心に相関する。
バーコードなんて変態的な題材は、一部の人をのぞき、そのものを学ぶこと自体に特別な価値はない。バーコードを学ばなくたって、気にも止めなくたって、日常会生活にはまったく支障がない。
それでも、アイディアを聞いたとき、「いいじゃん!」と思った。
なぜなら、
「彼が面白そうと思ったのがはじまりだから」
誰かひとり、子どもでも大人でも「面白っ!」て心から思っていれば、その場に感動がある。
そして、授業アイディアを膨らます中で彼から出てきたこの言葉。
「ただの識別記号に意味や価値や物語を感じてワクワクしてほしい」
無味乾燥なつまらないものに命を吹き込むこと(本来の価値理解/そこに自分の関心を反映して価値を創造する体験)って、人生を楽しむ上でとても大切なことだと思っている。
昨年末にやったオリジナルおせちの良さもここにある。
あとは、
私の教育観として、『自分を知る』『世界を知る』『関係性』をとても大切にしたい(メタ認知能力)。
あと、創造性も。
そうなると、オリジナルバーコードをデザインしたり、QRコードに自分の知ってほしい情報を載せるなど自分を知ることを主軸に置き(自分を知る)、あとはバーコードに興味を持ったところで関連する時事問題にも触れられたらいいな(世界を知る)とアイディアが固まっていく。
そこらへんを肉付けして、インプットとアウトプットのバランスを調整すると、だいたいこんな感じの構造となる。
【授業バージョン】
①興味を広げるきっかけの授業
②やりたいをカタチにするワーク
③発表会・鑑賞会
④興味を深め、社会と繋がる ※時間や必要に応じて
⑤対話・感じたこと
これは、知識そのものだけでなく、そこにある思考を大切にするフレームワークになっている。
だから、おせちでも、バーコードでも、節分でも、ありとあらゆるもので授業が成立する。
つまり、知識や情報そのものの価値は、その時、その場所、その人、おかれている状況によって変わるけれど、どんなものであれ、どのように学ぶかによって、そこに価値は生まれる。
会社をやめたため、サポートは非常にありがたいです!未来を創る子どもたちの教育活動に使わせていただきます。