korinon0216

心動かされることを その時の言葉で その時の気持ちで 書きとめている 小さなnoteです

korinon0216

心動かされることを その時の言葉で その時の気持ちで 書きとめている 小さなnoteです

最近の記事

小さな思い出 入院生活

 幼い頃、体が弱かった。季節の変わり目、とくに梅雨から夏の始まりがだめで、入院したりした。今なら良い吸入薬が出来てコントロールできる病気になったが、当時は苦しんだ。  東京の、それほど大きくない病院に入院していた時のことだ。わたしはナースステーションの隣の小児科の3人部屋にひとりで退屈に寝起きしていた。なぜか入院すると体調は良くなったので、漢字ドリルをやったり本を読んだりしていた。家族の面会も限られていたから、今思うと可哀想な子どもだったと思う。  隣の隣の部屋は女性の相

    • せつないのうた

      せつない せつない せつない せつないってなんだ  このサビの部分を知ってる人はいるだろうか。Eテレの子供番組、ニャンちゅう宇宙放送局の中で放映されていた「せつないのうた」だ。ニャンちゅうが星野源さんと歌っていて、まさにせつない気持ちを連れてくる。 せつない せつない せつない せつないってなんだ…  聞くたびに「そうそう、この気持ち」となったものだった。「悲しいと違うこの気持ち…」というフレーズもある。そう、その気持ちだ。  三月はいつも「せつない」があふれ出す。日

      • 街のお店屋さん

         『和菓子のアン』のシリーズを読んでいる。そのおかげで、和菓子の持つ季節感、そのいわれ、職人さんの細かな技術などにとても興味を持つようになった。知ってる和菓子には限りがあるし、みたらし団子とか水羊羹とかは、いわゆる「和菓子屋さん」では買っていなかった。『和菓子のアン』の「みつ屋」さんのような、対面のお店で店員さんと話して買うのってどんなのかな、と試してみたい気持ちになった。  先日、調べておいたわたしの住む街の和菓子屋さんに行ってみた。  うわぁ💖  ガラスのショーケー

        • 梅が咲いた日

           暖冬だと言われていたのに、ここしばらくかなり寒い日が続いていた。それでも今年は新年が明けるころから、ぽちぽちと目につくようなつぼみがあったことは確か。ついに昨日の朝、咲いているのを見つけた。梅の花が咲いたのだ。  毎年1月の末から2月の初めに庭の梅の木の花が開く。こねこが目を覚ますかのように、そして「ぽっ」と音を立てるかのように。その小ささにも関わらず、心を温めるのには絶大な効果を持つ梅の花。「寒い中ようがんばったね〜」そう声をかけたくなる。  春を待ち望む日本人にとっ

        小さな思い出 入院生活

          小さなものたちの誕生日

           何かのものの使い始めに、そっとその日付を裏とか横に書いておくようにしている。例えば洗顔フォームは9月26日。前回は5月だったから4ヶ月に1回で新しいものに更新していることになる。朝夕の顔洗いに使うのだからそんなもんかな?よくわからないけれど、使用開始日を油性ペンで書くたびに、その小さなものたちの誕生日に見えてきた。  特に詰め替え用の洗剤やシャンプー、クリームなど、買い置きが気になるもので始めた日付書きだが、無駄に買い置きをしたりしなくて済むし、何よりも「あ、もうなくなっ

          小さなものたちの誕生日

          六甲おろし鳴り響く

          11月は物凄い勢いで過ぎて行った。なにしろ人生初のイベントでほとんどのエネルギーを使い果たしたのだ。野球だ。日本シリーズの第4戦、阪神タイガースの応援のため甲子園に行ったときのことだ。  とにかく38年ぶりの「アレ」なのだから絶対に勝ってほしいし、妹家族のところが何枚かチケットが取れたというので、行きたい気持ちが爆発した。  その日は午後まで仕事が当然ある日だった。早退すれば新幹線に乗れる。なんとか半休が取れることになった。翌日は午後から出勤すれば大丈夫…カードが揃っ

          六甲おろし鳴り響く

          ちいさい秋見つけた

          だれかさんがだれかさんがだれかさんが見つけた ちいさい秋ちいさい秋ちいさい秋見つけた  童謡「ちいさい秋見つけた」の出だしの歌詞だ。幼い頃とても好きな歌だった。小さな社宅でこたつを出したばかりの季節、母とわたしだけの静かな時間を思い出す。温めてもらった牛乳に蜂蜜を少し入れて、スプーンで混ぜていた。 「うつろな目の色 溶かしたミルク」 という歌詞のミルクはこんなのかなぁと思ったりしていた。よくわかっていないことばかりの幼い頃がなつかしい。  今年の秋はと言えば、いつまでも

          ちいさい秋見つけた

          音楽室は秘密基地

           NHKの「みんなのうた」がなんだか好きだ。テレビから流れてくると、手を止めて見てしまう。9月の火曜日の朝はSHISHAMO さんの「音楽室は秘密基地」という2017年の歌だ。  転校してきたばかりの女の子が、まだ慣れない小学校で、ひとりぼっちで過ごしていた。ある日の放課後、音楽室からピアノの音が…そこで優しい先生に出会う、という物語。  「初めまして。ピアノ好きなの?」  この一言で居場所のような、心の拠り所を持った女の子。なんだか不器用そうなその子と、優しい女の先生

          音楽室は秘密基地

          人生初の梅干し作り

           実家の梅の木が豊作だという母からの電話があった。「梅ようけ採れてん。梅干し作ってくれへん?頼むわ〜」とのことで2キロほどの梅の実をもらったのが6月。ほんとうに初めて、梅干しを作ることになった。  お店で売っているのに比べ、かなり見劣りする感じの、無農薬でナチュラルなのだけが良いという梅は、小さな手仕事から始まった。  よく洗って乾かし、竹串で小枝を取り除く。焼酎でよく拭く。けっこうな手間がかかる。こんな日焼けしちゃったのでも大丈夫かなぁ、と思ったら調べて、何でもいけそう

          人生初の梅干し作り

          試験に向けてひとりぼっちで勉強してる…コツコツやってるつもりだけど過去問解いてみたら3回目の今日が一番悪い点数でさすがにしょんぼりしてしまう…

          試験に向けてひとりぼっちで勉強してる…コツコツやってるつもりだけど過去問解いてみたら3回目の今日が一番悪い点数でさすがにしょんぼりしてしまう…

          小さな思い出 夏の旅

            そうだ、京都行こう  キャンペーンの謳い文句とは関係なく、時々そう思うことがある。7月の連休は一年ぶりに関西を回った。暑い旅となった。  奈良は少し風があって晴れた空の下でも歩きやすかった。猿沢の池は澱んで見えたけれど静かな佇まい。青空も雲も映っている。思いの外きれいな写真が撮れてうれしい🌱 興福寺の五重の塔も一年ぶりだ。空のきれいな日だった。  京都はとにかく暑かった。でも鴨川の水が見たこともないくらいに澄んで美しかった。飛び石の途中で足を水につけて涼んでいる人

          小さな思い出 夏の旅

          2羽のキジバト

           クポ クークク  デデ ポーポポ  人によって聞こえ方は違うと思うけれど、よく朝方に遠くから聞こえる鳥のくぐもった声…キジバトの声だ。幼い頃にも聞いたことがある。昔から人のそばに住んで、なんとも言えない懐かしさをもたらしてくれる鳥だ。  そのキジバトが2羽、頻繁に姿を現すようになったのは5月の始め頃。初めはラティスに留まったり、梅の木に留まったり。だいたい2羽一緒で、おそらく「つがい」なんだろうな、仲良しだなぁ…と思っていた。  自宅の出窓を外から見ると、上の方にいか

          2羽のキジバト

          小さな挑戦

           Twitterやnoteを見ていると、新しい仕事や資格などの試験に挑んでいる方のお話をよく目にする。すごいなぁ、とつくづく感心する。そう言えばわたし、新しいことに一歩踏み出したのっていつだろう…。知らないことに挑戦する勇気なんて、もうずいぶん前に封印してたなぁ。  仕事をしながら勉強をするなんてできるかどうかわからない。でも今より若くなることはないし、ノートに何かまとめたり、鉛筆で書いたり、蛍光ペンでマークしたり…そんな自分の姿はそれほど違和感なく想像できた。ならやってみ

          小さな挑戦

          散歩 かけがえのないひととき

           街路樹が揺れる遊歩道沿いに暮らしている。季節によって木々は姿を変えるし、窓から見える通りの姿は、小さな癒しでもある。  小学校の通学路にもなっているので、朝は少しにぎやか。4月は黄色い帽子の一年生の姿が気になる。月曜日は持ち物も多くて、登校班の班長さんに必死でついて行く。小さな体でがんばっているのを見るのは、それだけで力をもらえる。  季節が良くなったからか通りを歩く人も増えた。走る人も。本格的なウォーキング、という人も。後ろ向き歩きの人まで。いろんな人がいて、いろんな

          散歩 かけがえのないひととき

          八ツ橋の小さな物語

           聖護院八ツ橋が好きだ。京都に行くと必ず京都駅で買う。聖護院の10個入りの小さな包みが好き。ニッキと抹茶の取り合わせは特に好きだし、季節によって桜味や栗など少し組み合わせが変わるのもいい。  包装紙を開けると、小さな物語が一緒に入っている。季節によってお話も変わり、京都らしさと四季の風景でなつかしさもひとしお。もう、その小さなお話を読むために八ツ橋を買うくらい好きだ。  手元にとってあるその小さなお話は全部で14枚、10種類ある。地味に集めたと思う。京都に行くことが何度か

          八ツ橋の小さな物語

          人生初のサイン会

           人生に推しがいないまま生きてきたわたしは、「サイン会」というものに行ったことがなかった。この度、初めて作家さんの(いや、そんな軽々しい呼び方はいけない。芥川賞受賞の大先生なのだから…でも親しみをこめてここでは作家さん、と呼ぼう)サイン会に行った。朝少し寒くて、お昼から暖かくなる、青空の美しいお休みの日。わたしにとってその作家さんのサイン会は、少しモノクロームの、静かで穏やかなひとときだった…  東京の某大型書店。開催時間の45分くらい前からもう既に10名くらいの人が並んで

          人生初のサイン会