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人生初の梅干し作り

 実家の梅の木が豊作だという母からの電話があった。「梅ようけ採れてん。梅干し作ってくれへん?頼むわ〜」とのことで2キロほどの梅の実をもらったのが6月。ほんとうに初めて、梅干しを作ることになった。

 お店で売っているのに比べ、かなり見劣りする感じの、無農薬でナチュラルなのだけが良いという梅は、小さな手仕事から始まった。

こんなんでもいけるかな?

 よく洗って乾かし、竹串で小枝を取り除く。焼酎でよく拭く。けっこうな手間がかかる。こんな日焼けしちゃったのでも大丈夫かなぁ、と思ったら調べて、何でもいけそうだ、と判断して生かす。捨てるのは簡単だけど、せっかく実ったのだから生かす。少々の傷は「大丈夫大丈夫」と声をかけながら。

 昔ながらの塩分多めで(18%だったと思う)重石に2ℓペットボトルを2つのせ、かなりしっかり漬けた。そして忘れるほど放置。ちょうど仕事も忙しくなり、正直忘れてしまっていた。琺瑯の容器はキッチンの角のあたりで鎮座していた。

 梅酢が上がってきたら少し重石を軽くする。ペットボトルはやめて新しいジャムの瓶2つにした。6月末には赤紫蘇の袋詰めを加えた。赤くきれいな色になっていった。

 7月は仕事も大忙し。梅の容器はそのままに。そのうちコロナに罹り寝込んでしまった。土用が過ぎたら外に干す、とは聞いていたけど、暑いし、体調も悪いし、そのままになってしまった。

 なんとか体調も回復したある日、蓋を開けてみた!

わーい!

 鮮やかな色!香りが梅干し!なつかしい大阪の祖母の家を思い出した。竹ざるに広げて干していた物干し台…なつかしくてうれしかった。そして初めての梅を干す段階に。

朝はまだツヤツヤ
乾いた感じになってきた

 三日三晩干す、とは聞いていたけど、夜中の雨が心配だったので夕方取り入れた。それを3日続けると、梅も紫蘇もカラカラになり、白く塩が吹く感じに。それから梅酢も外の日差しに当てた。

最終段階!

 そしたら瓶詰め。よく煮沸消毒した瓶に詰めて出来上がり。梅酢も紫蘇も入れておいた。

6瓶も出来ました!

 母に3瓶届け、きれいや〜、まだ大事に取っとくわ〜、とのこと。初めての梅干し作りはなかなか上手くいったと思う。


 コロナ後、わたしは胃腸を悪くて食べられないことがあった。でも一度、この梅干しと共にお粥を食べてみたら、ほんとうにおいしかった。昔ながらのレシピが塩分多めなのは、昔の人にはきっと塩味が大切で必要な栄養素だったんだろう。きつめの塩味が体に染み渡るほどわたしの体も弱っていた。なつかしい梅干しの味に助けられた。

 分量さえ間違わなければ時間が作ってくれる梅干し。心も体も救われた。ありがとう。この夏は病気ばかりだったけど、この小さな自然の恵みのおかげで少しずつ立ち上がり始めている。

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