マガジンのカバー画像

中小企業・個人事業主の方向けの記事

10
中小企業・個人事業主の方からよくあるご質問をまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

「会社を経営している人が離婚する場合に気をつけることは?②」

「会社を経営している人が離婚する場合に気をつけることは?②」

前回に引き続き、会社を経営されている方が離婚をする場合に気をつけないといけないことについて、財産分与の観点からお話します。

会社名義の資産は財産分与の対象外ご質問をいただくことが多いのが「会社名義の資産は財産分与の対象にならないのか」ということです。

まず財産分与はあくまで「夫婦名義の財産」が対象になります。
そのため会社(法人)名義の資産は、夫婦名義の財産ではないので、離婚時の財産分与の対象

もっとみる
「会社を経営している人が離婚する場合に気をつけることは?①」

「会社を経営している人が離婚する場合に気をつけることは?①」

はじめに株式会社を経営している方が離婚をする場合、気をつけないといけない点がいくつかあります。
今回は特に財産分与の際に問題となりやすいところについて、お話をします。

財産分与とは?まず離婚をする際、相手方に対して財産分与を求めることができます(民法768条 参照)。

簡単に言えば夫婦で築き上げた財産を、離婚する際に分けることを求めることができます(財産分与には、いろいろな性質のものがあるとさ

もっとみる
「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?③」

「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?③」


前回まで解雇トラブルが起きる場面と対処方法の一例をお話してきました。

今回は解雇トラブルが起きないようにするために行っておくべきことについての一例をお話します。

採用時には細心の注意をまず、どのような人を採用するかについては、法律上一定の制限(例 差別の禁止など)はありますが、基本的には企業側に自由が認められています。

前回まで述べたとおり、解雇をする場合には厳しい制限が課されることから、

もっとみる
「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?②」

「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?②」


今回も解雇トラブルといくつかの対処方法についてお話します。

従業員の問題行動を理由とした解雇また従業員の問題行動を理由とした解雇についても、ご相談をいただくことがあります。

例えば仕事をさぼっている、遅刻や無断欠勤が多い、上司からの指示に従わない、規律を乱すといった問題行動に及んでいる従業員を解雇(普通解雇)したいという場合です。

このような場合でも、労働契約法16条に基づき、客観的に合理

もっとみる
「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?①」

「従業員との解雇トラブルを避けるためにはどうすればよいの?①」


はじめに会社を経営していく上で、従業員の方に辞めてもらわざるを得ない場合も生じます。
ただ大企業と比べて従業員の人数が少ない分、解雇の際にトラブルが生じてしまうと業務にも支障をきたしかねません。

今回は解雇トラブルといくつかの対処方法についてお話します。

従業員の成績不良を理由とした解雇よくご相談をいただくのが、従業員を解雇する場合の問題です。
特に従業員が期待に見合った成果をあげられない場

もっとみる
「カスハラ対策、ちゃんとしていますか?②」

「カスハラ対策、ちゃんとしていますか?②」


今回もカスタマーハラスメント対策についてお話をします。
前回、カスハラを放置した場合のリスクについてお話をしましたが、では具体的にどのような対応が考えられるのかを見ていきます。

組織として対応することカスタマーハラスメントは、従業員と顧客との問題ではなく、会社と顧客や取引先の問題です。
そのため従業員個人に対応を一方的に任せるのではなく、組織として対応することが大切であると考えます。

例えば

もっとみる
「カスハラ対策、ちゃんとしていますか?①」

「カスハラ対策、ちゃんとしていますか?①」


はじめに最近、いわゆるカスタマーハラスメントに注目が集まっています。
お客さんや取引先とはいえ、自社の従業員に対して迷惑行為を働く場合には対応をする必要があります。

そうは言っても、顧客への対応に二の足を踏んでしまう、という会社も多いのではないでしょうか。
ただカスタマーハラスメントを放置してしまうと、大きな問題に発展してしまうことがあります。
今回はカスタマーハラスメントについてお話します。

もっとみる
どうして契約書が必要なの?③

どうして契約書が必要なの?③

はじめに
今回も、「どうして契約書が必要なのか」についてお話をしていきます。

よく「インターネットから拾ってきた契約書」とか「取引先が用意をした契約書」をそのまま使うから、自分で作らなくてもよいのでは?とご質問を受けることがあります。
そのことについてお話をします。

インターネットで見つけた契約書の問題点インターネットで「契約書」と検索すると、たくさんの契約書例やテンプレートが出てきます(便利

もっとみる
どうして契約書が必要なの?②

どうして契約書が必要なの?②

はじめに
前回に引き続き、「どうして契約書が必要なのか」についてお話をしていきます。

もしもの時に起きた時に備えよう契約については、ほとんどの契約が双方が合意することで成立をします(なお、保証契約は契約書の作成が成立要件とされています)。

いわゆる口約束でも契約は成立します。また見積書を送り、相手がそれでOKという返事があれば、契約が成立したことになります。

そのため契約書を作らなくても、問

もっとみる
どうして契約書が必要なの?①

どうして契約書が必要なの?①


はじめに会社を経営していく中で、日常的に多岐に渡って契約を締結されていると思います。
取引先や金融機関、従業員との契約など長期的な契約もある一方で、1回限りの契約も多数あり、ビジネスをする上では欠かせないものと言えるでしょう。

では「どうして契約書が必要なのか」について考えたことはあるでしょうか。
今回は契約書が必要な理由について、出来る限り分かりやすくお話します。

契約書が必要な理由自社が

もっとみる