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ショートショート集

8
自身が書いたショートショートをジャンルに問わずまとめたものになります。
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記事一覧

いつも通りだったら

 目を覚ますと動けなくなっていた。
 考えることもできない。
 
 数秒後。
 動けるようになった。
(なんだっただろう)
 そう思いながら男性はスーツに着替え始めた。
 
 男性はいつもの時間よりやや遅い時間に通勤していた。
 ……
 目の前を歩いていた人が車にはねられた。
(もし今朝の事がなかったら……)
 男性は震えが止まらなかった。

                           

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悲しいチョコレート

悲しいチョコレート

 2月14日。
 雪が降っていた。
 女の子は待っていた。

 ……
 男の子は来ない。
 
 1時間経過した。
 女の子はチョコレートが入ったラッピング袋を握り締めた。
 ……
(おかしいな。昨日約束したのに)
 女の子は待ち続けた。

 2時間後。
 女の子は涙を流した。
(昨日約束したのにどうして来ないの)
 女の子が待ち続ける中、男の子は来なかった。

 男の子は亡くなっていた。
 女の子

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休日 シフォンケーキ

休日 シフォンケーキ

 私はお気に入りのカフェに入った。
 いつも通りの席に座った。
 店員が近づいてくる。
 私は注文した。
 待っている時間が心地よかった。
 ゆったりとした時間が流れる。
 店員は注文した生クリームがそえられたシフォンケーキが目の前のテーブルに置いた。
 フォークを置き店員が去ってゆく。
 私はシフォンケーキを見ているだけで楽しい気分になった。

「いただきます」
 右手でフォークを持ちシフォンケ

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透明人間の死

透明人間の死

 透明人間は人々に認知されない存在。
 もう嫌だ。
 もう息をするのも嫌だ。
 そうだ死ねば良い。
 何もない部屋で透明人間は自身の首を絞めた。
 ……
 死んでも誰も悲しまない。
 空気と同じ見えない存在。
 誰からも認知されない孤独な世界。
 そんな世界が嫌で自ら死を選んだ透明人間。
 そして今日一人の透明人間が死んだ。

                      完

 読んでいただきあり

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空腹 焼肉定食

空腹 焼肉定食

 

 ジュジュと肉の音が響きしょうゆの匂いが漂う。
「ぐ~」
 と男性のお腹の虫が鳴った。
 男性はお腹に触れ注文した定食を楽しみに待っていた。
 ……
「お待たせしました」
 と店員の声と共に焼肉定食が男性の目の前に置かれる。
 男性は箸を持ち、
「いただきます」
 と言うと箸で味が付いた肉を掴み口に入れた。
 噛めば噛むほど旨味が出る。
 男性は肉とご飯を交互に食べ始めた。
 休むことがない

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切なさと

切なさと

 曲が流れ始め私は彼と踊り始めた。
 暖かく緩やかでどこか寂しい曲だった。

 私は彼の事が好き。
 でも気持ちを伝えることはできない。
 私は学校を卒業したら許婚と結婚する。
 これは学校に通う前に決まっていた。
 私は受け入れている。
 彼の顔を見た。
 微笑んでいた。
 いつも穏やかで真が強い。
 そんな彼だから私は好きになれた。
 本当にパーティーに招待できて良かった。
 私は涙を堪えて笑

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恐怖な彼女

恐怖な彼女

 寝室で女性は眠っている男性をロープで手足を縛りベッドに固定した。
 痛みを感じ男性は目を覚ました。
 ロープが視界に入った。
(いったい何が……)
「あら起きてしまったの、残念。もう少し寝顔見ていたかったのに」
 男性は横を向いた。
 パジャマ姿の女性が居た。
 女性は男性の恋人だった、ベッドの上で眠るまでは。
 
 男性の口が開く。
「俺を殺す気か?」
「いいえ違います」
 と答え女性は男性に

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彼女の想い

彼女の想い

 私には思いを告げたい人がいる。
 外を眺めると雨が降っていた。
 傘を差しいつもの場所に向かった。
 今日も彼はいなかった。
 翌日も雨が降る中、私はいつもの場所に向かった。
 いなかった。
 ある日、私がいつもの場所に向かうと、
 彼が居た。
 ドクンドクンと私の鼓動は鳴る。
 私は彼に一歩一歩近づく。
 彼は優しい目で私を見た。
 私の鼓動は速くなった。
 私は深呼吸をした。
 ゆっくり口を

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