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僕達は、父と母がいたから生まれた。父と母が生まれた由縁も、その父と母がいたからだ。連綿と命は受け継がれ、僕や君達がいる。

太古の時代、僕達のご先祖様はバクテリアのような小さな生物だったという。その小さな命を紡いで進化をしてきた。やがて植物になり動物になった。一番始めの生物は今から35億年前に生まれたと言われている。

今いるすべての生物、草、木、犬、猫、虫、魚、人間、バクテリアでさえも35億年前から一度も絶やすことなく命を受け継いだ者たちの末裔だ。これはどれほどの確率なのだろうか。飢饉、災害、争い、怪我、病気など数えきれない困難を乗り越えてきたはずだ。中には幸せな生涯を生きたご先祖様もいたかもしれない。それを35億年。途方もない時間だ。

この社会では様々な問題が日々取りざたされている。環境問題、紛争、政治、経済、事件、事故。そして少子化問題だ。近年日本では少子化問題が叫ばれている。その原因はいったい何なのか。たくさんの人の意見を聞いてみても、その原因も解決策もバラバラだ。一貫性のない政策を見ているととても不安になる。なぜ少子化になっているのか。なぜ子供を産み育てなくなっているのか。きっと若者達の理由もそれぞれなのだろう。

僕達は、世界の恩恵を受け、先人の恩恵を受けて皆生きている。食べ物、衣服、乗り物、道具、道路、あらゆる生活基盤の施設や仕組みを受け継いで生きている。赤ちゃんだった頃から大人になるまでに、何の命も犠牲にせず、誰のお世話にもならなかった人はいないはずだ。今の時代だと「願って生まれてきたわけではない」とか、「頼んで世話してもらった覚えはない」なんて言葉が聞えてきそうだ。子供ならそう言っても構わない。大人はやっぱりそれではダメだ。この世界に生み落ちた以上、新たな命をこの世界に生み落とす使命が皆にある。使命を果たせなくとも、志さないのはダメだ。その邪魔をするのはもっとダメだ。

我々日本人は、いわば子孫繁栄に一度も負けたことがない生き物だ。今この世界がどれほど苛酷なのかは過去と比べようもない。しかし、今がどれだけ苦しかろうと未来はきっとよくなる。そう信じて絶望の世界を生き抜いたご先祖様がいたはずだ。僕達はその命を無駄にしてはいけない。
若者達にとって今は幸せな世界ではないのかもしれない。
でも次、そしてまた次、命を繋ぐことで幸せな未来を紡ぐのだ。


#未来のためにできること

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