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介護を通してわたしが感じていたこと ~給料や実態~

どうもkokoです。
前回の更新からだいぶ時間が過ぎて行ってしまいました。
最近も忙しく仕事に追われる日々です。

今回は介護業界に入った当初に感じていたことや施設の実態や給料など少しお話しできたらと思います。
これから介護の世界に入ろうと思っている方の参考にもなればいいなと思って書いていきたいと思います。

わたしが介護の世界に入ったきっかけ

わたしは高校生の時でも将来の夢や、どんな仕事をしたいかなどの考えがありませんでした。
高校時代からずっと遊んで生活して卒業してからも仕事もせずに遊んで生活していました。
ただ働かなきゃ…という気持ちだけがあり、実際は遊んでいるのが楽しいので時間ばかり過ぎていきます。
私の親が看護師だったこともあり、ヘルパーの資格だけでも取りに行きなさいと言われ、言われるがままヘルパーの資格を取りに行きました。
そこで実習があるのですが、訪問介護の研修に1日行きました。そこの実習をさせていただいた会社にたまたま知り合いがいたこともあり、そこで仕事をさせてもらえることになりました。
訪問介護ですので、時給は少し高いのですが1日びっしりスケジュールが埋まることはなく午前1件、午後は良くて2件程度ですので1日の給料として考えると少ないです。
送迎や、入浴、買い物代行をやっていましたが、ある日会社とトラブルになってしまい辞めることにしました。(トラブルとはいえ和解しています)
ちょうどそのあたりの時期に親が働いている療養型の病院から親伝いにお誘いを受けました。ヘルパーをやっていたとはいえ介護の事をわからない自分でしたが、ヘルパーの事業所の所長さんからも「そこの病院は良いからぜひ働いた方が良いよ」と言ってくれてその病院に入職することになるのです。

介護の世界に突入して

素人ですから徹底的に介護のいろはを教えられる日々が始まります。
幸い良い人ばかりで丁寧に教えてもらえ、日々反復で覚えていきました。
病院をすべて見学させられるのですが、精神科病棟もあり、正直「人間ってこんな風になってしまうんだ」とショックを受けたことを今でも覚えています。
私が配属されたのは内科病棟でしたので、病気を抱えた認知症がある方たちのお世話をさせていただくことになりました。
幸い当時20歳でしたので、患者からも温かい目でみてもらえ若さを武器に介護の数年を乗り越えたと言っても過言ではありません。
シーツ交換、排泄介助、入浴介助、食事介助など患者ごとに覚えていくことが多いものは覚えるのに時間がかかりました。
ただこの病院は身体拘束をやめた最初の病院で、患者の尊厳を第一に考えケアにあたる理念を掲げた病院でしたので、認知症に対する考え方や接し方など本当に大事なことを学ばせてもらいました。
「誰でもなりたくてなっている訳ではないそれは病気がさせているのだから」という教えに素人ながらに心打たれました。
同時に見学の際にショックを受けたことを考えさせられた瞬間でした。

とはいえ仕事は大変です。
そこは1フロア24人、夜勤帯だと2フロア48人を介護2名、看護師1名でみなければなりません。(どこも大体同じくらいだと思います)
夜起きだしてくる人もいれば、5分に1回トイレに行く人が数人、すべての人が転倒リスクが高いので必ず行かなければなりません。放尿してしまい夜勤だけで3,4回全身更衣をする方もいますし本当に大変でした。

ただ今思い返すと、それが理由で辞めたいと思ったことは不思議とありませんでした。
なぜそう思わなかったかというのは後程お話しします。

辛いと思ったある出来事

順調に素人ながら日々仕事をこなせるようになってきたころの話です。
患者の中でも1番わたしのことを好いてくれていた男性がいました。
認知症があるので名前はおぼえられませんでしたが、顔はおぼえてくれていますので、出勤する度に大喜びしてくれ、帰る時には大泣きしてくれる方でした。その男性のご家族様も毎日ご面会に訪れてくれていたので、ご家族の方も大変よくしてくれました。
ただそんな日々も長くは続かず、1年ほどたった時にお亡くなりになりました。それも私が早番で出勤して声をかけに行ったときに息を引き取られたのです。
待っててくれていたんだなと心の中で思いながら、最後のお着替えまでやらせていただき見送らせていただきました。
これが初めて経験したお看取りでした。
患者様はみな平等ですが、とても悲しい思いをしました。誰にもわからない場所で泣いたのは忘れません。
素人ながらに純粋に介護に向き合っていた結果だとも思います。
それと同時にあることについても学ばせていただきました。

最後の時間をここで過ごせてもらってよかったと思ってもらおう

わたしが配属されていた場所は、最重症のユニットでしたので終末期の方がほとんどでした。
先ほどの経験を含めて、終末期についての考え方を学ばせてもらいました。
ここで過ごせてよかったと思ってもらえる介護がしたいと学ばせられましたのです。
言葉を話すことができず、ずっと寝たきりの方でも視覚があります。
言い方悪いですが、話すことができず、動けないのでほっておいても安否確認をしっかりしていれば大丈夫かもしれません。
ですが、そうではなくてリクライニング式の車椅子に起きていただき散歩するとか、好きな音楽をかけてみるとか、一歩通行ですが何気ない話をして聞いていただくとか。正解はありませんが表情をみながら模索していきました。その方の感情は分からないので、自己満足かもしれませんし、もしかしたらほっといてほしかったかもしれません。
いろいろな発見がどの患者にでもありますので、良い情報を他の職員に共有したりされたりと、今思えば楽しかったのかもしれません。
介護の世界に入り数年して介護は楽しいと思えた経験でした。
それと同時にこれが介護を辞めたくならなかった理由の一つでもありました。

辞めたくなった理由

わたしが介護を辞めたくなった理由が一つだけありました。

給料の低さ


介護職が少ない理由の一つに給料が少ないことがあります。
わたしが働いていた病院も低かったです。
今では処遇改善加算や特定処遇改善加算といった制度がありますので少し上がっていますが、夜勤ができず日勤だけの時は手取りで12万程度でした。
夜勤と合わせても16,17万、私が入職したときは3か月に一回処遇改善加算金がありそれを合わせても20万弱の給料とボーナスがある程度でした。
もともと仕事をしていなかったので、その程度の給料でも最初は良かったのですが、社会人として自立していくためには足りませんでした。
入職してから3年以降はずっと辞めたいと思う気持ちがあり、ミーティングなんて給料にならないのに出る意味はないと思って、出席しない時期もありました。
介護福祉士の資格もありませんでしたし、介護職でやっていても毎年少しの昇給と介護福祉士を取得した手当分しか上がる見込みはないと、介護職自体に続けていく意味を見出せなくなった時期もありました。
良くも悪くも、自分にやりたいことがなかったお陰で辞めても自分にできる仕事は限られているし、せっかく介護の仕事をしているのだから転職しても介護だなと思っていました。
ただ介護を辞められなかった最大の理由がありました。
それは私が働いている病院の介護感でした。
ここでまだ学びたい気持ちは大いにあり、給料が上がったとはいえ中々他の施設で働こうとは思えなかったのです。

背に腹はかえられないし…とずっと悩んでいました。

看護師になるかリハビリ職を志すか。ということまで考えていました。
でも本心は介護職として患者と関わっていたいと思っています。

悩みに悩んで上司に相談した結果は介護職を続けていくことでした。
ここに至るまではいろいろあったのですが、結果は今でも介護職を続けています。
その時からさらに5年かけ部署を異動し、その部署で成果を出し今では手取りで30万を超える金額をもらえるくらいになりました。

今だから言えることは、諦めないで続けてよかったなと心から言えます。

介護をこれから始めたいと思う人にわたしがいつも言う事

よく介護を始めようと思うんだけどどう?と聞かれます。
給料の事などは簡単に話はしますし、業務が大変な事も話すのと同時に魅力も伝えます。
ただ私が介護をしていて嫌だなと思っている点も伝えています。
それは人の死に対して慣れるという点です。

※これはあくまでも私が感じている事なので必ずしも皆さん同じではないと思います。

先ほども話しましたが私が配属されていた部署は最重症ユニットでしたので、多い時には数日に1人亡くなられていました。
終末期の方が入院されてくるのでずっとその繰り返しです。
ですので、いつしか人の死というものに慣れてくるのです。
慣れるというか、仕事的な感覚で割り切れちゃうような自分がとても嫌でした。
それはわたしの祖母が亡くなった時の話です。大好きでしたのでとても悲しいのですが、どこか冷静な自分がいました。その時にあれ?なんなんだろうと思っていましたが、仕事柄変に割り切れちゃっている自分がとても嫌でした。
ですので、わたしは介護を勧めるときにはこの話を必ずします。
わたしが思う介護の嫌な点はそのくらいかもしれません。

自分で言うのもなんですが、しっかり介護を学ばせてもらう場所が恵まれていたからこそ続けられていたと思っています。
終末期の患者にここで過ごせてよかったと思ってもらう他に、認知症の方の尊厳を守った介護の方法を考えて実践した先にみられる患者の笑顔や新たな様子を引き出せることが私は介護の魅力の一つだと思います。
どの仕事もそうですが、いいことばかりではありません。
介護の基礎知識を学ぶだけでも超高齢化社会に役立つと思っています。

長々と自分の経験を離させてもらいましたが、すこしでも参考になってもらえたら喜びです。


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