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「太陽の流れ星」が謎を解く願いを叶えてくれるかもしれない

非日常で起こる天体現象の中で、「流れ星」は一番身近で親しまれたものかもしれません。

そんな流れ星について、素敵な記事が目に留まりました。

太陽の表面で、地球で見る流れ星のような現象が撮影された、という話です。

基本的な確認ですが、地球で我々が見る「流れ星」は、小惑星が太陽にちかづくときに放出した破片がその素(もと)となります。
その破片が地球の大気圏に投入するときに摩擦熱で燃え尽きる際に生じる光の筋が流れ星として観測できます。

なかには燃え尽きずに地上まで墜落するものがあり、それがいわゆる「隕石」というわけですね。

冒頭記事の写真では、それとはややスケールが異なります。

光の筋ではなく、原子から電子が離れて電荷をもつ「プラズマ」という状態で、しかも地球よりも高確率で「隕石」として落下します。

落下確率が高いのはシンプルで、大気よりも層(コロナ)が薄いためです。

この衝突の瞬間は高速であることとコロナ内の強力な磁場の影響で撮影は困難でしたが、今回が史上初めてだそうです。

しかも、単に綺麗な写真が撮れただけでなく、太陽の謎解明にもつながるかもしれないと期待されています。

実は太陽の温度分布は、最も外側にあたる層(コロナ)のほうがずっと高いことが以前からの観測で判明しています。
Wikiによれば、太陽球の平均温度が約5,800 Kであるのに対し、コロナは100万 - 300万 Kです。結構な差ですね。

これは、地球含めて(内部のコアが最も熱い)、天体の一般的な性質とは真逆であり、今でも完全には解明されていません。

出所:上記Wiki内の図。⑥が「コロナ」

今回の衝突プロセスから、強烈な光と恒星物質の急増と、さらに衝突で接したコロナ内のガスを再加熱する衝撃波の両方を引き起こす可能性があることが示唆されました。

歴史的な撮影に成功したのは、2020年に打ち上げられたソーラー・オービターと呼ばれる探査機です。
当然最も太陽に接近しており、その距離ざっくり4900万kmです。

高解像度のカメラと好感度のリモートセンシング一式が実装されており、今回はコロナ内でガスが約100万度まで加熱された状態が数分間続いたことを観測しました。(太陽流星によるものです)

今後もこの観測を続けることで、なぜコロナが高温なのか、その長年の謎が解明される日が近いかもしれません。

進展に期待したいところで、身近な地球の流れ星に願いを託しましょう。

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