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ミトコンドリアをHACK(攻略)せよ!

前回、アルツハイマーの新説について触れました。

ようは、
アミロイドが蓄積(定説はここが問題)する前段階の代謝プロセス不全が問題では?
というはなしです。

代謝というのは、栄養をエネルギーに変換することでその担い手は「ミトコンドリア」です。

有名な話ですが、ミトコンドリアはもともと独立した生物で、それを取り込んで今の状態になったと考えられています。細胞共生説といいます。

過去に少しふれたので引用。

これがアルツハイマーの原因であれば、機能強化できれば理想です。

実は、「老化」の原因の1つとも考えており、そう考えると直感的にはすっきりします。こちらも老化原因について書いた記事を参考までに乗せておきます。

ということで、ミトコンドリアをHACK(攻略)できれば我々の健康効果が期待できますね。

実はすでに取り組んでいる企業はあり、日本で最近こんな発表がされました。

ようは、
ツバメの巣のエキスを培養して加工するとミトコンドリアが活性化した、
という話です。

上記記事内に「長寿遺伝子」が活性とあるので補足しておくと、すでにこういった遺伝子の候補は見つかっており、サプリとして販売されているものもあります。

過去にその経緯についてふれたので関心ある方は覗いてみてください。

もう少し基礎研究でも、最近面白いことが分かっています。

前述のとおり、ミトコンドリアはもともと別の生物で共生しました。その過程の進化を研究しているグループがあり、新たな進展がありました。

こちらの記事をご覧ください。

ようは、
ミトコンドリアの祖先でDNA複製酵素の役割を持つ遺伝子を発見した、
という話です。

見つけただけでなく、その遺伝子系統研究より、真核生物初期進化から現在に至るまでの、ミトコンドリアゲノム用DNAポリメラーゼの進化シナリオも提唱しています。

系統樹は下記が分かりやすいです。

上記記事内の図

こうしてみると、ミトコンドリアと一言でいっても多くの機能がその進化の過程で失われたことが分かります。

なんとなく「進化」と逆走したイメージに見えますが、それは我々の偏見です。もともとダーウィンですらその著書内で「進化」という言葉はつかっていません。

このあたりは過去記事にも書いたのでそれ以上は割愛します。

この魅惑のミトコンドリア、すでに我々の一部なので、文字通りこの研究は他人事ではありません。

もともと我々がエネルギーを生成する手段として取り込み、今ではその出来不出来で(認知含む)老化までに影響を与えかねない。

この魅惑の器官を今後も見守っていきたいと思います。

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