土屋 光一郎

独立系メディア「藁の会」主筆。国民民主党員。秋田県平鹿郡十文字町(現 横手市)に生まれ…

土屋 光一郎

独立系メディア「藁の会」主筆。国民民主党員。秋田県平鹿郡十文字町(現 横手市)に生まれる。新潟大学工学部情報工学科中退後に上京して以降、約10年間、足立区に在住。日系の中小企業に2年間勤務した後、外資系企業へ転職。趣味は写経、読書、散歩と言語学研究。

最近の記事

TikTok

先日、欧州連合(EU)の警告を受け、中国のBytedanceが提供するスマートフォンアプリ「TikTok」の簡易版アプリ「TikTok Lite」の一部機能が欧州圏内で停止された。米国議会でも「TikTok」の利用を禁止する法案にバイデン大統領が署名をするなど、法的な面からも規制が広がりつつある。 インターネットと接続されたアプリケーションの構造上、ユーザーのデータはサービスを提供する企業に収集されるが、中国製のアプリケーションの場合、中国政府が企業に要請をする事によって、国

    • 遥かな時代の階段を

      昨年の夏以降、ずっと、就職活動に苦戦し、一時は、官庁を受けるなど迷走をしていたのであるが、此度、ようやく次の仕事が決まり、次週より再び市場へと舞い戻る事になった。しかしながら、これまでの転職とは大きく異なり、自身の専門としていたアプリケーション開発やベンダー管理等のIT関連の仕事ではなく、今後はバックオフィス(事務)一本となる。 実の所、八年前に監査法人で勤務した際、自身の希望で一度、事務職に転身していたのではあるが、なまじIT関連の知見がある為に結局、技術関連の仕事の比重が

      • 催眠術

        信じられないような話だが、子供の頃、祖母より、奇妙なビデオを延々観せられ、催眠術を掛けられた事がある。内容としては、三十歳前後で地元へ帰り結婚するよう、刷り込みを繰り返し、暗示を掛けるというもので、事実として、暗示の効果が二年ほど前に出始め、過去の嫌な記憶が蘇る他、顔面の痙攣、音楽性幻聴に似た症状に苦しみ、暫くの間、七転八起の日々を送った。 催眠の齎す症状に悩みながらも、幼少期に行われた事がそもそも何だったか、東京の地で調査に明け暮れていたが、先日、これが明治期に流行した霊術

        • 引退

          自身の将来について昨年夏頃より延々悩んでいたが、此度、約十年に渡り専門としてきたIT関連の仕事から足を洗う事を決意した。情報技術の進展に伴い、社会情勢が激変したが、これらが齎すのは、当然、利便性のようなメリットばかりではなく、虚偽情報の氾濫、風説の流布、誹謗中傷等の、司法の側から見た時、決して看過すべきではないデメリットがある。そのような分野を専門としながら働き続ける事に八年ほど前より疑問を抱いてもいたが、経済上の諸問題もあった為、嫌々、技術革新へのキャッチアップを行っては、

          国権強化を止めよ

          日本製鉄によるUSスチールの買収について、米国大統領であるバイデンが否定的な見解を示すという異例の事態であるが、市場における私企業同士の取引に政治が介入する道理はない。既に、日本製鉄とUSスチールは企業間の合意を得ており、株主も賛同している状況であり、加えて、法的に問題が生じている訳でもなく、米国政府はこの取引におけるステークホルダーではない。日米両国の同盟関係は、私企業にとっては何も関係が無く、日本製鉄は、米国政府首脳の発言を真っ向から批判し、政治に左右されずに買収を完遂す

          国権強化を止めよ

          世界最終戦争の阻止

          ロシア大統領選挙が始まった。公共放送で或るNHKにおいても、何故か現大統領であるプーチンにのみフォーカスが当たり、対立候補に関するニュースが殆ど報じられておらず、公正中立な報道からは程遠い状況である。このままでは何時になってもロシア連邦が、恰もソビエト連邦と大差の無い、民主主義の存在しない全体主義国家であるような印象が強まるばかりである。言い換えるならば、プーチン政権の権威をメディアが徒に強化しているだけであり、国際連盟の常任理事国であるロシアの孤立は、戦争の長期化を招き、世

          世界最終戦争の阻止

          二〇二〇年頃より秋田に居た頃に関わった人間からストーカー被害を受け、二〇二三年の夏時期、遂に勤務先にまで嫌がらせをされる事態となり、少しく心身共に疲弊した為に仕事を辞めた。 二〇一六年より外資系企業に勤務している事もあり、元より終身雇用など期待していないので、退職する事に関しては特段の抵抗がなかったのであるが、かような形で会社を去る事になった事に関しては流石に不本意であった。無論、会社には一身上の都合での退職としか伝えてはいないが、彼らに付きまとわれて以降、仕事の能率が低下し

          劇場型政治の終演

          今月の初め、立憲民主党の山井和則が国会にて二時間強に及ぶ冗長な演説を行ったが、あの党の中には未だに、与党に対抗するに当たって手段を選ばず、政治的パフォーマンスに走る九十年代的な発想の人間が残存しているようである。牛歩戦術にせよ、ピケにせよ、フィリバスター(議事妨害)は、議会制民主主義の本質からかけ離れた行為であり、国民の信頼を損ねるのみならず、建設的議論など夢のまた夢となり、結果が伴う事など無いと言っても過言ではない。 立憲民主党だけではないが、好い加減、国政政治家はパフォー

          劇場型政治の終演

          竹刀を買う

          デスクワークが多い為、日々自宅でトレーニングを欠かさないのであるが、此度、武芸への関心の高まりから、竹刀を購入した。近所に公園があるので、暇な時は素振りをして心身共に鍛錬を行うつもりである。 鎌倉時代の侍は曹洞宗が多かったと言うが、当時の上皇や天皇、貴族の身辺の警備をしていた侍にとっては、仇敵を察知する為には心を静かにし感覚を研ぎ澄ます必要があったであろうから、只管打坐と言って、只管に座禅を組み瞑想を行う曹洞宗は、正しく知行合一の信仰であったと言える。 曹洞禅から派生したもの

          学徒たちへの言葉

          「もう大学生になったのだから、ゲームなど止めて、本を読みなさい。」 以上は、私の大学の入学式で、学長が新入生に向けて語った言葉であるが、当時、私はこの言葉に共感し、周りの大学生が遊び惚け、同じ学生寮の寮生達が二〇一〇年代にも関わらず、何故かNINTENDO64に興じる一方、学長の言う通り、大学図書館と寮の自室で愚直に読書に励む日々を送った。 丁度、民主党政権最後の年で、一ドルが七〇円前後の円高であった為、輸入品の紅茶や洋書が通販で安く手に入り、洋菓子をつまみながら、語学書や社

          学徒たちへの言葉

          陰陽道

          コロナ禍に虚偽情報や怪情報が氾濫し、恰も、全人類が呪いにでも掛けられたが如く狂騒に暮れていた頃、私は、ふとプレモダンへの思想に関心を抱き、明治三年の陰陽寮の廃止に至るまで日本において官民共に隠然と影響力を持っていた陰陽道について諸々調査をしていた。 実際の陰陽師と言うのは、フィクションの世界に描かれる、呪文を唱え、怪異と戦う安倍晴明像の様なものとは大きく異なり、主に、天文の観察をし、暦を作る極めて地味な仕事をする者であったと言う。古代より、宮中では日付や方角に吉凶があるとされ

          Down and Out in Tokyo

          転職戦線、異常あり。昨年より職探しに明け暮れていたが、すったもんだの末、結局、無職状態となっている。一時期、IT関連の職業に嫌気が差し、五つ星ホテルで配膳業務に就いていたが、煌びやかな世界も蓋を開けてみると、厨房では高齢スタッフの怒号が響き渡り、長時間労働が横行する他、研修もほとんどなく、ホスピタリティを完全に忘却している有様で、他のスタッフも私も困惑を通り越し、苦笑を禁じえない職場であった。ジョージ・オーウェルが「パリ・ロンドンどん底生活」の中で、パリの高級ホテルの裏側を暴

          Down and Out in Tokyo

          近頃の外資事情

          ここ数ヶ月、外資系企業への求人応募を続けているが、五年前に転職活動をした時と事情が随分変わってきている。LGBTQ+への配慮であるのだろうが、大企業を中心に、応募時に性的嗜好(sexual orientation)を尋ねられるようになっている。これに関しては全く業務と関係がないので、"I prefer not to answer."(回答したくない)と伝えている。ジェンダーについてはともかく、会社が性(sex)に関する情報を管理する必要はない。 LGBTQ+のみならず、その他

          近頃の外資事情

          祭政分離

          母親が創価学会三世であった為、学会には三十年来、追われる羽目になっている。金のない時に限って金策をしてくるが、この頃は、私が十年以上前より公然と創価学会批判をしていた事が主な理由で、意図的に行っているのではないかと疑っている。教義への非難ではなく、公明党の支持母体となり政治に介入している事についての批判であり、親子間の宗教観の対立ではなく、政治対立である為、影響範囲が一般の方が想像する以上に大きい。 政治の場において長らくかの新興宗教団体が影響力を及ぼしているが、いくら政教分

          Israel

          イスラエルとハマスとの戦闘が六週間休止となるが、イスラエルの首相であり、シオニストでもあるネタニヤフは、ガザにおいて容赦のない戦闘を続け、今年に入っても長らく交渉のテーブルに着く事を拒絶していたが、此度の合意が、本当に戦闘が終結を迎える事へと繋がるのか、今後、彼の言動を注視する必要がある。今はユダヤ人に対して、第二次世界大戦以来のアファーマティブ・アクションを取るべきではなく、冷徹な目でユダヤ教徒とイスラム教徒との間の宗教戦争を読み解く必要がある。 民主主義国において、プレ・

          テクノロジーと倫理

          約十二年前、新潟大学工学部の入学オリエンテーションの際、学部長より「アメリカでは死刑囚を被検体として、脳に小型の機器を取り付けて反応を観る実験が行われているが、日本は法令が邪魔をして同様の実験が行えない。こうした実験結果はゲーム等に応用可能であるが、日本は遅れている。」という旨の発言を耳にし、日本のテクノロジーを専門とする学者が、自身の専門分野に閉じこもり、生命倫理を度外視している事に唖然とした記憶があるが、此度のイーロン・マスクの経営する「ニューラリンク」による発表を聞き、

          テクノロジーと倫理