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Down and Out in Tokyo

転職戦線、異常あり。昨年より職探しに明け暮れていたが、すったもんだの末、結局、無職状態となっている。一時期、IT関連の職業に嫌気が差し、五つ星ホテルで配膳業務に就いていたが、煌びやかな世界も蓋を開けてみると、厨房では高齢スタッフの怒号が響き渡り、長時間労働が横行する他、研修もほとんどなく、ホスピタリティを完全に忘却している有様で、他のスタッフも私も困惑を通り越し、苦笑を禁じえない職場であった。ジョージ・オーウェルが「パリ・ロンドンどん底生活」の中で、パリの高級ホテルの裏側を暴いているが、現代東京の高級ホテルが二十世紀の欧州と同様の労働環境である事については流石に看過出来ず、退職後に厚生労働省に報告をした。スタッフの質が低下すれば、顧客にとって対価に見合ったサービスを提供できなくなるのは自明であり、従業員へ十分なトレーニングを行わず、職場環境の是正をしようとしないのであれば、経営層並びに管理職は客商売である事を忘却している。
失業給付の支払いが一月末で終わった為、貯金を切り崩しながら生活していたものの、遂に国民健康保険の支払いが出来なくなる状況に立たされ、区役所に就職先が決まらず支払いが困難な旨を伝え、転職後、収入が出来てから纏めて未納分を支払う事にしてもらった。既に貯金は底を尽きつつあり、確定申告の還付金と確定拠出型年金の脱退一時金の振込を待っている状況であるが、今月就職が決まらない場合、家賃の振り込みすら困難になる為、最終手段として私は、郵便局の期間契約社員にでもなって、配達業務をしながら食いつなぐしかなくなる。幸い、情報工学科出身ではあるが、元々ITエンジニア一本で食べていた訳ではなく、古物商で働いていた人間である為、別段、デスクワークでなくとも私は苦ではない。
政治・経済が激しく変転する中、投資家があぶく銭を掴む一方、私は冷や飯を喰らいながらも、五輪委や自公政権の長老支配が齎した属人主義の瓦解に対し、嬉々とする日々を送っている。

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