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クックパッドを退職し新会社を設立します

忙しい方に3つのまとめ💡この後の記事はもし時間があれば。

  1. 福崎康平(こっぺ)は、クックパッド執行役およびJapanCEOを退任しました。9年間で子会社社長交代、上場準備、グループ再編、事業売却、吸収合併、事業立上げ、JapanCEO就任と余りにも多くのことを経験させていただきました。会社には本当に感謝です!

  2. もっと沢山の打席に立つため、新会社を設立します。会社名は「イロリ」です。名前だけでも覚えて帰ってください!

  3. 食と暮らしのスタートアップスタジオとして株式上場を目指します。設立にあたり、ぜひ皆さんのアドバイス・お力添え・お仕事をください!

連絡先
Facebook:@
Kohei Fukuzaki
Twitter:
@koppe_jp
HP:iroriworks.com


昨年末をもってクックパッドを退職しました

福崎康平(こっぺ)は、2022年末をもって執行役を退任し、クックパッド株式会社を退職しました。(JapanCEOは同11月に退任。)
私の大好きな大好きな食、料理の世界においてチャレンジし
「クックパッドを、レシピの会社No.1から料理の会社No.1へ」
を目指して、クックパッドマートの立ち上げや執行役JapanCEOとしての職務に人生をかけて全力で力を注いでまいりました。
道半ばでの離脱とはなります。当時子会社時代から数えると9年間あまりにわたって、沢山のご迷惑をおかけしながらも、私を支えてくださった全ての方々に心より感謝いたします。
昨年11月に社内発表させていただき、その後はコロナにかかってしまう等、少し体調を崩しておりましたが、現在は元気になりました。
今後については、自身で2回目の起業をし、再び挑戦していきたいと思います
なおクックパッドとは今後どういったお付き合いになるかわかりませんが、大好きな会社として引き続き関わらせていただければと思っております。

クックパッド入社の経緯と過ごした9年半

記憶が飛ぶほど大変だったクックパッド入社

クックパッドに入社したのは2018年1月のことです。
2016年くらいからグループ再編があり、当時子会社の社長を務めていた私としては非常に難しい判断に迫られました。
子会社(コーチ・ユナイテッド株式会社)を創業者からバトンタッチし社長就任した直後の出来事であり、事業も黒字化し新規事業もしっかりと売り上げが出始めていた頃で、当時上場準備も進め始めていた頃でした。
親会社であり、株主であるクックパッドの経営陣がほぼ全て入れかわり、会社の成長戦略や事業戦略についてもう一度考え直さなければならないという状況でした。
当時、私が判断しなければならなかったのは、クックパッドのグループ会社の社長でもあり、上場を目指す一つの会社の社長でもあったという状況で何を優先すべきかということでした。
結果、事業売却をし、会社をクックパッドに吸収合併するという判断をしました。私はクックパッドに入社し、再度、新規事業を立ち上げることになりました。(なお、クックパッドの皆さんはこのプロセスを全力でサポートしていただき、私自身は事業立ち上げに集中することができました。)

「CtoCスタートアップを買収」で、魂が震えた

もう少し遡って2013年9月のことです。
私は当時、まだ休学明けの大学生でした。もともと料理が大好きで、「こっぺ食堂」という自らシェフとしてポップアップレストランの運営を行った後、会社を創業し、飲食店版のスペースマーケットのようなサービスの開発などを行っていました。
東日本大震災の時に、災害支援型の無償民泊サービスである「roomdonor.jpというサービスを友人2名と立ち上げ、国内外100を超えるメディアにご紹介いただいたりもしました。
当時はSNSも全盛期で、スタートアップもどんどん出始める環境でした。まさに個人の時代が到来した、と思える時代で国内でもさまざまなプラットフォームサービスが誕生していました。当時会社を立ち上げたココナラ、メルカリ、クラウドワークスなどが現在成功しているのを見ていても、見ている世界は間違っていなかったのだと思います。
私は一度会社を畳み、再度修行をして事業を立ち上げたいと、創業者である有安さんとクックパッドの創業者である佐野さんに連絡し、また会社を立ち上げたいと考えていた頃でした。
そんな時に、コーチ・ユナイテッドがクックパッドに買収されたのです。
「食の分野でCtoCで圧倒的に世界と戦えるグループ企業ができるぞ」
当時魂が震えるほど感動し、自分が事業を一人で作るよりも、この会社に関わることで、何か自分ができることがあるかもしれない。その心で飛び込みました。
気づけばこの出来事から9年3ヶ月が経過しましたが、この心からワクワクする思いだけで、ここまでやってきました。
(ちなみに、当時この出来事にワクワクしてたのは世の中に私ぐらいしかいなかったんじゃないかということがだんだんわかってきました。笑)

子会社時代も含めてプロダクトを立ち上げ続けた

この9年間は、さまざまなプロダクトを作ってきました。子会社時代も、クックパッド時代も同じように、

  • 個人が圧倒的に活躍する世の中を作る

  • わかりづらいプラットフォームシステムをユーザーにとって最高のUXで届ける

  • 最終的に、食という巨人の領域で世界でNo.1を獲り、日本初の世界を代表するインターネット企業を作り時価総額10兆円を目指す

こんなことを妄想しながら、さまざまなサービスを作りました。
コーチユナイテッド時代は、バトンタッチした事業であるサイタのグループレッスン事業は、写真事業にフォーカスし、「サイタカメラ教室」を立ち上げました。また、位置情報と高品質な写真を組み合わせたコミュニティコマース「Snapmap」も立ち上げました。

生鮮EC「クックパッドマート」の立ち上げ

クックパッドマートは私にとって、それまでの集大成のプロダクトでした。
スーパーに行く時間がないし、宅配も不在で受け取れない」という、隠れた買い物弱者である、忙しい共働き核家族にとって、もっと便利な買い物の仕組みを発明する必要がある。
と感じ「裏側は買物代行のシステムだが、ユーザー体験は生鮮ECプラットフォームになっている」という構想をつくりました。
生鮮食品ECかつプラットフォームという、とても難易度の高い領域でのチャレンジでしたが、スピード感持ってプロダクトをリリースし、開発期間半年ほどで2018年9月にβ版をリリースしました。
一つのプロダクトではありますが、

  • 当日配送を実現する分散配送の流通システムやルーティングシステム

  • 生鮮品運搬に耐えうるコールドチェーンマネジメント

  • QR解錠を用いた次世代冷蔵宅配ボックス

  • ドミナントマーケティングを加速する位置情報管理システム

  • どのような生産者や販売者でも参加できる集荷の仕組み

  • バイク便と連携した宅配システム

  • 数百施策を超える産直配送企画

  • 店舗受け取りができるモバイルオーダーの実証実験

  • レシピサービスと買い物サービスの連携

などなど、、立ち上がったチームで、数えきれない発明や開発を行えたと思います。
リリースから4年ほど経過しました。まだまだ発展途上のプロダクトではありますが、現在は数十名のチームがどんどん成長へと導いてくれるようになったと思います。

クックパッドJapanCEOとしての2年間

コロナ禍のとても難しい時期に2020年9月にJapanCEOに就任し、2年間余りの短い時間ではありましたが、日本事業全体をどう成長に導いていくか、ということに挑戦し続けた2年間でした。
「レシピNo.1の会社から料理No.1の会社」を目指すため、クックパッドマート事業のさらなる強化に加えて、クリエイターエコノミーを作り上げる会社としてのレシピ作者向け施策や生産地とのつながりの強化などを実施してきました。
「Disruptor採用」では今後の経営幹部としての候補者になりうる、既存の会社の枠組みにとらわれない方の採用活動をさせていただきました。2022年に本当に面白いチャレンジングな方々に入社いただき、ご活躍いただいています。
この難しい環境の中で、本当はチャレンジすべきだったやり切れなかったことが多かったことも事実です。

退職の理由

色々な方に聞かれるけど、答えるのがとても難しくて。
今時点で言えることとしては、この9年間を通じて、責任が重くなるにつれて、やはり「選択と集中が常に求められること」と、自身が「もっと事業づくりにおいて、沢山の打席に立ちたいと思ったこと」のズレが年々大きくなってしまったことがあるのかなと思います。
もちろんこの期間を通して沢山のことにチャレンジすることができました。ただ、到底自分の理想の目標には辿り着けなかった、この辺りで区切りをつけたいと思った。ということもあります。
私の気持ちを尊重してくれた周囲には本当に感謝の気持ちしかありません。

後悔はあるけど、本当に楽しかった

最初に夢みた、「食を通じて世界No.1のプラットフォーム企業を作る」という夢には届きませんでした。2013年9月にとある会社が料理の会社に買収され、ここまで本当に沢山のことが起きましたが、最初の私の思い込みである夢を達成することでのみ全て報われると信じていました。
最初に立てた壁があまりにも高くて、本当に高くて、周りから理想や妄想を理解されないこともたくさんありましたが、この夢に沢山の方が信じて応援してくださいました。会社も全力でサポートしてくれました。
一緒に夢見てくれたみんな、本当にありがとうございます。いっしょに働けたこと、本当に楽しかったです。
ただ、私の夢や想いのエッセンスはプロダクトや会社のカルチャーで少しずつ残せたことがあると思います。できる人がいたら、社内で活用してもらえればと思います。

私は、自分の夢を再度見つめ直し、チャレンジしたいと思います。

クックパッドオフィスのプロダクトルーム、ここで沢山の議論をしてきました

今後について

昔から、クックパッドを離れることがあったら、その時は自分で会社を立ち上げる時だ。と思っていました。学生以来、人生2回目の起業となりますし、社長という職種はもう4回目になりますが、倒れず前に進んでいこうと思います。

「株式会社イロリ」を設立します。

新しい会社の名前は「イロリ」です。
文字通り、「囲炉裏」という生活道具からお借りした名前です。
火を起こし、料理をするという原始的な仕組みであるにもかかわらず、部屋の耐久性を高め、虫や動物から家を守り、明かりを灯し、部屋を温める。人々の集まる場にもなる。
ひとつの解決手法で沢山の問題を解決する発明を起こせる会社になりたいと、新しい会社を「イロリ」と命名しました。

「暮らしの進化を発明する」スタートアップスタジオ

学生時代から、10年以上の間かけて、さまざまな事業を立ち上げてきました。
一つ一つ着実に事業を作ってきましたが、toCサービスは本当に打率の低い領域です。だからこそ、もっと沢山の打席に立ちたいという思いが強くありました。
もっと面白いサービスを沢山立ち上げまくって、暮らしの進化を発明したいと思います。
もちろん暮らしの中心である「食」というテーマは中心の柱として事業を考えていきたいと思いますが、イロリという社名に込めた思いにあるように、暮らしに関する、さまざまな課題を解決する会社にしたいと思います。
以下、イロリで考えている抱負です。

  • とにかく打席数の多い会社を作る。初年度では新しい事業や新しい発明を年間で24本以上プロトタイプし、ユーザーに当てる。

  • リリースしたサービスは全て2年以内に運用の目処をたて、事業売却や運用自動化など明確に出口戦略を決める。

  • 小さなチームでの高速プロダクト開発のみに集中し、自ら生み出したプロダクトでのみ収益を得る会社にする。

  • 3期目より収益化されたサービスを四半期ごとに生み出し続ける

  • 事業を生み出す組織型スタートアップスタジオとして持続的なビジネスを構築し、上場を目指す。資金調達も実施する。

インターネット業界も凄まじい勢いで進化を続けていますが、「事業づくり」や「会社づくり」ではなく、本質的な「価値づくり」にフォーカスする会社を作る、価値に向き合う人たちだけで構成するプロフェッショナル集団の会社を作りたいと思います。

ひとつめの事業テーマは「朝の習慣」

まず一発目は、「朝食」「朝活」「モーニングルーティン」といった、朝の習慣に関する事業を立ち上げたいと
思っています。クックパッド時代にチャレンジしてきたメインの事業は「夕食」。朝にフォーカスした事業にはまだまだチャンスがあると考えています。
こちらも朝食をきっかけに、朝の習慣にまつわるあらゆる課題を解決できる事業にできるのではないかと考えています。

他にも食関連だとシェア・クラウドキッチン関連や腸内細菌や未病領域の診断サービス、農産物フィンテック関連、大豆や雑穀などの主食の転換などに興味を持っています。
不動産領域も本当は大好きな領域なので、いつかチャレンジしていきたいと思います。この辺りも打率にこだわるより、打席数にこだわっていきたいと思います。

創業者として、もう一度成長させてください

学生時代に1度創業した時はサービスローンチまではできたものの、企業としての成功までは至りませんでした。クックパッドグループにいた際も、複数の事業立ち上げや経営はやってきましたが、創業経営者と雇われ経営者では全く違う戦いだと思います。
未経験者のつもりで、チャレンジしていきたいと思います。
ぜひ、これまでチャレンジしてきた方に話を聞いてもらったり、アドバイスなど頂ければと思います。
今悩んでいることは資金面です。受託事業も作り収益を生み出していくか、資金調達をして自社プロダクトに集中するか。
それも周囲の皆さんのアドバイスやお力添えで色々柔軟に検討したいと思っています!お仕事とりあえず振ってみたい!とか、こんなヤツに夢託してやってもいいよ!と思える方、このブログを読んで福崎の話を聞いてみても良いという方は、ぜひご連絡いただけると嬉しいです。周囲にも積極的に声掛けさせていただきます。

連絡先
Facebook:@
Kohei Fukuzaki
Twitter:
@koppe_jp
HP:
iroriworks.com

どうしてもいつも文章が長くなってしまいます。ここまで読んでくれてありがとうございました。

今年第二子も生まれました。4人家族で幸せに暮らしています。

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