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日記

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日々の暮らしをつらつらと。
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記事一覧

【日記】2024.8.24 三十三年ぶりの登校

【日記】2024.8.24 三十三年ぶりの登校

 今朝がた窓際で執筆していると、家内が散歩から帰ってきて、サプライズがあると云う。しかも、お腹の子からということである。やけに雲が氣になる朝であった。

 五千字ほど草し、昼ご飯にした。家内が打った饂飩のうえには、最上伝統野菜の畑ナスと自然農法で育てられた万願寺が置かれていた。最後の晩餐候補のひとつにしてよい味である。食後、家内に連れていかれた先は、私が通った小学校であった。

 今朝の散歩でお腹

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【日記】2014.7.28 祭りのあと

【日記】2014.7.28 祭りのあと

 過日、蚊取り線香付きの家内を連れて、浴衣で地元の祭りにでかけた。私が幼い頃は神社のまえの広場でよく盆踊りを皆で楽しんだものだが、今は境内から離れたところに屋台だけしか出ない。その中のひとつに魚釣り屋があったものの、実際はプラスチックの魚が流されているだけであった。おそらく祭りから神も自然も消えてしまったのであろう。それでも水笛をピーピーと吹く子どもたちを眺めていると、やはり祭りはよいなあと思う。

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【日記】2024.4.13 ニワトコの芽

【日記】2024.4.13 ニワトコの芽

今宵の食事は山菜の天ぷらであった。横浜市の青果ミコト屋でもとめたもので、山人参・蕗のとう・長芋・アマドコロ、そして、ニワトコの芽が並べられている。

苦味好きな私は喜びがひと塩であったものの、家人には苦過ぎたようで、ニワトコの芽しか欲しなかった。私はニワトコなるものを知らなかったので、家人に訊ねた。

「よく、ニワトコの芽なんて、知ってるね」

すると、家人はこう応えた。

「私の世代は、ハリーポ

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【二日酔い巡り】カ、カメラが猛烈に欲しくなってしまった記事。

【二日酔い巡り】カ、カメラが猛烈に欲しくなってしまった記事。

 妻がつわりがひどく、私は二日酔いがひどい。生命反応がもどってきたのは、つい先ほどだ(今、20時)。しかし、せっかくの春分の日を無駄にするわけにはいかない。せめて皆さんのNOTEを読んでは睡る一日にしてみた。

 私は編集者の方が書いた記事を読むのが好きなので、今日は編集界隈のNOTE散歩をすることにした。その中で、出会ってはいけない方の記事に出会ってしまった氣がする。それがコチラ。

 私の仕事

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垂直に歩くクライマーに憧れて

垂直に歩くクライマーに憧れて

 映画で最も好きなものは?と訊ねられれば、『クライマー  パタゴニアの彼方へ』と即答する。デビッド•ラマの登山を追ったものだが、彼らは垂直の斜面をあたかも水平に這うようにして、山頂に近付いていく。おそらく45度程度の傾斜であれば、手を使わずに歩いて登頂するのではないか笑。

 ところで昔、私はラマに顔が似ていると云われ、非常に喜んだこともあったが、歩くとなると、同じホモサピエンスとは思えぬくらいの

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河豚ひれ酒とみかんワイン

河豚ひれ酒とみかんワイン

 農業関係の仕事をしていると、妙に酒にありつける。野菜ではないのか、とお叱りを受けそうであるが、私の場合は野菜よりも酒との縁が濃いようだ。バッカス様なのかどうかわからぬが、兎にも角にも酒の神様に感謝申しあげたい今日この頃である。南無阿弥々々々々、ありがとう。

 今月、河豚ひれ酒にありつけたのは都内某所になる。その日の朝、夜は空いているかと上司から連絡があり、それに返信したところ、河豚三昧の夜が待

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[日記]2024.2.9 河津

[日記]2024.2.9 河津

 住民よりも櫻の数の方が多い街へ初詣にいった。ご存じの通り、この時期は河津川沿いの櫻が満開で、觀光客で賑わう。そのため、人ごみを避け、老夫婦が営む茶屋で櫻茶をご馳走になっていた。櫻茶といっても、櫻と湯が紙コップに入っているだけのことである。女将曰く、

「店のまえの櫻が最も開花が遅いから、花見シーズンの終盤に繁盛するんだよ」

ということであった。なるほど、山高月遅上ではないが、遅い道をあえて選ぶ

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本場中国の餃子を日本でつくってみた

本場中国の餃子を日本でつくってみた

 嫁の友人に旦那さんが中国人という方がいらして、だったら夫婦二組で本場中国の食卓を日本でもやってみようという話になった。畑にはかなり出没するものの、料理がからきしダメな私の担当は「餃子の皮包み」である。これなら少しはやったことある。

 早速、指に水をつけて、餃子を包もうとした途端、

「あっ、ヒダヒダはつけないでくださいね」

と早速、洗礼を受けた。本場中国の餃子にはヒダヒダがないのか? そもそ

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[日記] 2024.1.13 山口蓬春記念館 #今年学びたいこと

[日記] 2024.1.13 山口蓬春記念館 #今年学びたいこと

 四十代も半ばとなり、そろそろ晴耕雨読の熟語を本格的になぞる暮らしを心がけている。晴れの日は農福連携に、雨の日は読書普及に集注すべく、密かに家探し中なのだ。できれば家で人も耕せるのが望ましいから、畑はもちろんのこと、書庫と茶室があればと考えている。

 このような妄想を抱きながら、過日は山口蓬春邸に家人と足を運んだ。春子夫人も茶道を教えていたため、たしかな茶室もあるのだが、何よりそこが蓬春の仕事場

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[日記] 2024.1.6 大磯

[日記] 2024.1.6 大磯

 深夜に帰宅すると、台所の傍らに紙がいちまい貼られていた。レシピにしては紙の大きさが異なる。手にとれば、そこには大磯日帰り旅行の計画が詳細に記されていた。出発はどうもあくる朝のようである。

 大磯駅にはまだ昔ながらの雰囲氣があった。改札を降りると、家人はまず島村父さん邸に連れていってくれるということであった。東海道線沿いに少し歩くと、そこには島崎藤村邸がある。なるほど、二文字違いで氣がつかなった

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Perfect Days #映画にまつわる思い出

Perfect Days #映画にまつわる思い出

年末に美容師から映画『Perfect Days』を薦められたのを皮切りに、幾人もの方から数日で同映画の話が届いたので、家人と横須賀の映画館まで足を運んだ。海外では「Zen Movie」として評価をされているようである。以下は表題にも草したが、がっつりとネタバレがあるので、そのつもりで。Perfect DaysからPとDをとって、家人をP、私をDとする。

P:正月に觀れてよかった映画でしたね。
D

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[日記]2023.12.31 2024年を終える僕へ

[日記]2023.12.31 2024年を終える僕へ

 家人の影響でここ数年、大晦日にはちょうど一年後の自分に手紙を認めている。だから、今年の大晦日は2022年に書いた僕への手紙を読み、24年を終えようとしている僕に手紙を書く。

 この一年間というあいだがどうも絶妙らしく、書いた内容はまいとし覺えていない。ただ一昨年の僕は自己啓発的要素が無意識に入っており、ひどく幼く感じた。去年の僕は和菓子を食べながら書いたそうだが、今年の僕は義妹が作ってくれたシ

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[日記] 2023.12.26 正月飾り

[日記] 2023.12.26 正月飾り

忘年会からの帰路、先輩に「君は乗り越しそうだ」と心配された矢先、目が醒めたらそこは終点であった。もっとも最寄り駅はその先にあったから、乗り越しとは云えぬまでも「自分、乗り越したことなどないのですよ」と豪語した直後の出来事としては如何であろうか。

深夜に帰宅すると、玄関先に素朴な正月飾りがかけられてあった。既に床についていた家人曰く、昼前に贔屓の花屋で作ってきたのだそうだ。

「白磁が見つからなか

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[日記]2023.12.23 和風クリスマス

[日記]2023.12.23 和風クリスマス

イブまで休みが殆どないので、倒れられぬなとここひと月ほどそこはかとなく考えていたら、思いは招くのか、先ほど急に具合が惡くなった。

人の顔色はここまで青白くなるのか。

と家人が関心していた程である。午前中、或る経営者にお茶の稽古をつけていたのだが、それも終えて氣が抜けたのであろう。よく駆けぬけ、そして佳き人たちに恵まれた一年であった。

十一月のはじめに体調を崩した際、出張なども重なり、抹茶を数

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