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わたしの依存症体験

この頃は、ピエール瀧さんの薬物依存の問題で持ちきりですね。

薬物使用してる!よくない!という報道が、ちょっぴりさみしい気持ちになります。

依存症は、色んな要因を持ってなるものなので、薬物使った!ダメだ!って報道はだれの特にも救済にもならないんじゃないかな。

というのも、私自身依存症の体験をしているからこそ、思うことでもあります。

(幸い、重くならずすぐに対処できました。同じく依存症で苦しんでる人と全く同じ体験かどうかは分からないのでご了承くださいね)

でも、わたしはこの体験に深く感謝しています。してもしきれないほどです。

ここでは私の実際にあった依存経験から、みなさんに依存症のことを少しでも知ってもらえたらと思います。

強くあることを課した幼少期

わたし、幼い頃から「強くあること」を全うしようとしていました。

「みんな大変な中頑張ってるんだから頑張れ」
「さっさとやれ」「甘えるな」

みたいな言葉が自分に染み付いていて、「頑張ること」「甘えないこと」「急ぐこと」をモットーにしてました。

誰が悪いとかはないと思っていて、ただわたしがいつのまにかそう思っていた、というだけの話です。

自分の中の弱さがどうしてもどうしても許せなくて、強くなりたかった。

だからこそ、弱いところがみつかると、
だめっ!うるさいっ!なんでできないのっ!と拒絶していきました。

自分のコントロールは上手になったけど、感情がうまく出せなくなっていきました。

ある時、ふとしたショックな体験から、

「もうやだ、何もしたくない。」

と、心が泣き出して止まらなくなってしまいました。

本当にいつもなら我慢できるような、些細な体験から、だったんです。

まるで、22年間我慢してきたぶんの何かが暴走し、枯れない負の感情地獄に陥りました。

このように、わたしの場合、弱い自分をいじめて行き着いた先は、依存症でした。

自分が自分のものじゃないみたいでした。

何かに突き動かされ、感情も身体もぐらぐらに揺れ動き、辛くて辛くて、毎日笑ってるんだか泣いてるんだか分かりませんでした。

わたしの依存症は、「甘え」の経験が足りなかったんだね、とのことでした。

「甘えたい」「大切にされたい」「さみしい」
を否定する反動で、

「もっと自分を見てよ!」「大切にしてよ!」と身体が欲します。

それを埋めるものを探していたんですね。きっと、何かにしがみつきたかったんです。

しがみついては、いけなかったのに、です。

幸いにも、早期に気づき、そして療法にも縁があって、対処も早めることができました。

必要なのは、どうしたらいいのか教えてもらえる場所

そんな私に必要だったのは、

頑張ることでも
甘えないことでも
行動することでもなく、

弱い自分をOKする経験。

そして1番に、どうしたらいいか教えてくれる場所を知ること。

頭の中では、「このままいったら自分が自分じゃなくなる」という危機感と「早く楽になりたい」という欲求。楽になるために欲さなければいけない葛藤がうずまきます。

早く楽になりたくて死にたくなってきて、台所で包丁をとる日々。

だれも理解してくれない苦しさ。孤独感。

自分が今どういう状況に置かれているかも理解できず、依存症だということにも途中まで気づけずに、暗い闇をもがきました。

周りには迷惑しかかけませんでした。ごめんなさい。

これを癒すことができるのは、適切な治療です。お医者さんの言葉に涙が出るほど安心しました。依存症という名前がついて、やっと前に進めました。

こうしたらいい、こうしたら楽になる。ちゃんと教えてくれました。

字で書くと、恐ろしくなってきますね、本当に。

自分の弱さと向き合うことが癒すこと

ただ、そんな依存症はいろんなことを教えてくれました。弱い自分と、真正面から向き合うこと。ちゃんと自分で自分の心を助け出しにいくこと。

誰かは助けてくれません。
自分の心の中のことだから。

瞑想やヨガ、心理学、仏教の教えから、自分の心を救うことを勉強しました。

そして、もうひとつ。

わたしは「人とつながること」に、過度の恐怖がありました。

わたしは今まで頑張りすぎて、人とあんまりつながれなかったのです。愛情というつながりは、途切れると悲しいので持たないようにしました。そうすれば、途切れて悲しむこともないからです。

自分が大きく強くなることだけを考えていました。人は近づきにくかったかなと思います。

そんな私だけれども、弱い自分を知って、全てを自分ごととして受けとめることにつとめました。

嫌な感情もちゃんと味わい、
深く反省し、時には無限の感謝を感じながら。

そして、わたしの全てを人にさらけ出した瞬間、いろんな人とつながれたんです。

強くあろうと緊張して戦ってる自分よりも、ゆるやかにおだやかに笑っている自分に協力してくれる人のほうが多かった。

うれしいと同時に、

弱い自分の方が長所だったんだ…ということに気づき、衝撃でした。笑

いままで、頑張ってきたわたしって一体…?と頭を抱えてしまうほど。笑

つぎの一歩

実は、また前に進む選択をしました。
再び、自分の人生を進めるために、自分のアイディアをどんどん実現していこうと決めました。

今度は前みたいに頑張りません。

頑張る選択肢だけだと、前に進めないことを知りました。

もちろん踏ん張ることもキツイこともあると思います。何かを成し遂げるには、辛い経験は必須なので、それに耐えてがむしゃらに立ち向かうことも、必要なんです。

けれども、おだやかに笑って、ゆるめるときはゆるめられる。心が楽しんで、喜んで、悲しんで全ての感情を味わう。力を抜く時間を意図的につくって増やしていく。
それでいいんだなと思います。

どちらか一方だと、続きませんから。

依存症かもと思ったら

周りの人でも、自分でも、依存症かもと思ったら、ショックを受けると思います。

もしかしたら、病気じゃないと思いたくない人もいるかもしれません。

すぐに受けとめられなくても、受け入れるお手伝いをしてくれるから、知識を持った人のもとに行ってください。治す方法を知っている人のもとに行ってください。

これ以上自分自身も、大切な人も傷つけなくて大丈夫なのです。

楽になれるかもしれない。
前に進めるかもしれない。
そんな希望をどうか忘れずに。

忘れたくなるけれど、打ち消してへたばりたくなるけれど、どうか、幸せな人生のために立ち上がってください。

私は、辛かったけど戦って良かったし、きっとこれからも戦いだけど光が見えています。

だから、だいじょうぶ。

回復と幸せを心から祈っています。

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