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自然を感じる絵本

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#絵本

【木はいいなあ】絵本レビュー

【木はいいなあ】絵本レビュー

【並べて楽しい絵本の世界】

ジャニス=メイ=ユードリイ (著)
マーク=シーモント (イラスト)
さいおんじ さちこ (翻訳)

この絵本にはストーリーがあるわけではありません。
ただ素朴に、「木はいいなあ」とつぶやき、
おしゃべりし、
幸せな時間をプレゼントしてくれる絵本です。
どこかで体験した光景、どこかで見たことのある景色(たとえば木登りして下にいる友達を見たとか)
たくさんの木にかこまれ

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【ぼくからみると】絵本レビュー

【ぼくからみると】絵本レビュー

高木仁三郎 ぶん
片山健 え
のら書房

【並べて楽しい絵本の世界】

開いてびっくりでした。
圧倒的な迫力!
絵本からこういう迫力を感じることは、あまり多くありません。

この迫力ってなんだろう?
世界を見る目が違う。見えているものが違う。この作者って何者なんだろう?そう思って調べてみたら、なんと物理学者でした。

そうか・・・と妙に納得。
研究者としての作者のことは何も知りませんでした。
何か

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山火事を生きた、めす鹿が語る絵本『わたしたちの森』。
訳者、小手鞠るいさんがくらす森からおたよりが届きました。

山火事を生きた、めす鹿が語る絵本『わたしたちの森』。 訳者、小手鞠るいさんがくらす森からおたよりが届きました。



『わたしたちの森』は山火事をテーマにした絵本。

地球環境の変化や気候変動について考えてほしい絵本です。

森の音や風の音、動物たちの息づかいなどを感じるすてきな訳をつけてくださった小手鞠るいさんは、30年ほど前からアメリカ東海岸にあるニューヨーク州の森のなかでくらしていらっしゃいます。

今回は小手鞠さんを通じて、森のお友達からおたよりをいただきました。

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みなさん、こ

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【絵本 にぐるまひいて】生きることの基本を忘れずににいようと思う

【絵本 にぐるまひいて】生きることの基本を忘れずににいようと思う

【並べて楽しい絵本の世界】

糸井重里さんが、高橋源一郎さんとの対談の中で、絵本について、こんなことを言っています。

たぶんさ、絵本って、一種の必要悪なんじゃないかという気もするんだよね。ほんとうに地道にやっていきたいと思う人のためには、足を引っぱる絵本が最高なんだよ。”地道に生きないでね”と言っているような本が。逆に、地道に生きないぞ、という人に対しては、”地道に生きなさい”という本が登場する

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【絵本 よあけ】~夕暮れに夜明けの灯をともす

【絵本 よあけ】~夕暮れに夜明けの灯をともす

【並べて楽しい絵本の世界】

自然の中に行きたいな、

子どもの頃に見たような夜明けが見たいな

そんな気持ちで、今朝はこの絵本を手に取りました。

この絵本にただよう静かさが時々必要になります。

------福音館書店サイトより------
山に囲まれた湖の畔、暗く静かな夜明け前。おじいさんと孫が眠っています。沈みかけた丸い月は湖面にうつり、そよ風の立てるさざ波にゆらめきます。
やがて水面にも

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【絵本 はるにれ】~自然の音がきこえてくる~

【絵本 はるにれ】~自然の音がきこえてくる~

【並べて楽しい絵本の世界】

この絵本の主人公の はるにれ は北海道中川郡豊頃町にあり、写真家は1本の木を4年かけて撮影したそうです。

写真だけ。文章もイラストもありません。

広い青空のしたのはるにれ

朝焼けをうけて美しいシルエットを浮かびあがらせている木

雪原に立つ木 黄金の指輪をはめたかのような はるにれ

満月を戴いた雄大な姿

風の音や、雪に覆われた静寂や、凍り付いた枝からぴしっと

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【絵本 木を植えた男】〜プロヴァンス地方の美しさを満喫できる絵本

【絵本 木を植えた男】〜プロヴァンス地方の美しさを満喫できる絵本

【並べて楽しい絵本の世界】

原作 ジャン・ジオノ
絵  フレデリック・バック

長いこと実話だと思われていたらしいですが、作者ジャン・ジオノの創作だそうです。1989年初版発行。

当時、書店で働いていた私は、新店舗のオープンに伴って、多数のジャンルの品揃えを任されて、毎日搬入される大量の本に、文字通り泣きそうになりながら格闘していました。 
文庫、新書、ビジネス書、文芸書と順番に陳列しながら、

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