板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

WINフロンティア株式会社 創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SO…

板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

WINフロンティア株式会社 創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / クリエイティブ・メンタルマネジメントの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術論文等)と、大企業&起業によるビジネス経験に基づき発信します!

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小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる

このnoteで最も伝えたいこと このnoteで最も伝えたいこと、それは「小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる」ということです。「クリエイティビティ」というと、途端に自分には関係ないと思う人が結構いると思うのですが、ここでいう「クリエイティビティ」は、誰もがその気になれば発揮できる「日々の小さなクリエイティビティ」のことです(これを「リトルC」といいます)。 下の図を見てください。私がこのnoteで書くことは、全て、この図がベースになっています。 少し言葉で説明す

    • 人は年をとるほどポジティブになる!?

      年齢とウェルビーイングの関係 近年、ウェルビーイングという概念に注目が集まっていますが、ウェルビーイングは直訳すると、「健康、幸福、福祉」といった意味になります。また、WHO(世界保健機関)は健康の定義の中で、以下の通り、「ウェルビーイング」という言葉を明記しています。 「健康とは、単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、完全に満たされた状態(complete physical, mental and social well-being)に

      • 夢中になれるものを見つけるとクリエイティビティが高まる

        「フロー」が起きる条件 「フロー」という言葉をご存知でしょうか?「フロー」は、アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士によって提唱された概念で、時間感覚を失うほど、何かに没入している状態を指します。人はフローの状態になると、称賛や金銭的報酬といった外部からの利益は一切関係なくなり、活動それ自体が楽しく、自分の全ての意識がその活動に向けられるようになります。 スポーツではよく、「ゾーンに入る」という言い方をしますが、これがフローの状態に該当します。ゾーンに入ると、例

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        • 「ゲーミフィケーション」がクリエイティビティを高める

          ゲームの魔力 ゲームには人を虜にする強力な魔力があります。スマホゲームの登場によって、それは決定的なものになり、私たちはほぼ、いつでもどこでもゲームをすることができます。電車に乗って他の乗客の様子を少し観察するだけで、スマホゲームをやっている人の割合が高いことに気づきます。 ゲームが人を惹きつけて止まないのは、何故でしょうか。これには脳内の神経伝達物質ドーパミンが大きく関係しています。ドーパミンは快楽物質であり、脳内に分泌されることで、私たちは快楽や喜びを感じることがで

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          情緒不安定でも「マインドフルネス」でクリエイティビティが高まる

          5つの性格タイプ 人の性格タイプを診断するテストには様々なものがありますが、ビッグ・ファイブ(5因子モデル)と呼ばれる測定尺度は、最も多くの研究で使用されている尺度です。このビッグ・ファイブでは、人の性格を下記のように5つに分類します。 ① 神経症傾向(情緒不安定性) (Neuroticism) ② 外向性(Extraversion) ③ 開放性(Openness) ④ 調和性(協調性)(Agreeableness) ⑤ 誠実性(勤勉性)(Conscientio

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          情緒不安定でも「マインドフルネス」でクリエイティビティが高まる

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          仲間の感情を認識する力がチームのクリエイティビティを高める

          チームのパフォーマンスと他者の感情を認識する力 仕事をする上でチームワークが大事であることに異論はないと思いますが、チームワークを十分に発揮して、チームのパフォーマンスを最大化するには何が必要でしょうか。仕事の能力や知能が高い優秀なメンバーを揃えることはとても大事なことですが、実はそれと同じくらい大事なことがあります。 それは、他のチームメンバーの「感情を認識する力」です。 これに関連する、アメリカのカーネギーメロン大学テッパービジネススクールのアニタ・ウィリアムズ・

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          仲間の感情を認識する力がチームのクリエイティビティを高める

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          ストレスとクリエイティビティの最適な関係とは?

          「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とクリエイティビティ ストレスとパフォーマンス(効率)の最適な関係については、1908年に二人の心理学者ロバート・M・ヤーキーズ博士とジョン・D・ドットソン博士がネズミを用いた実験で発見した有名な「ヤーキーズ・ドットソンの法則」という生理心理学の法則があります。 これは、下図に示すように、中程度のストレスがあるとパフォーマンス(効率)が向上するが、ストレスが一定のレベルを超えるとパフォーマンス(効率)が低下してしまうという法則です。つまり

          SNSとウェルビーイングの関係

          SNSの最適な利用時間は? 私たちの生活にすっかり定着したSNSは、離れていても、人とつながっていられることがメリットですが、皮肉なことに、SNSの利用時間が長いほど、孤独感を強めることがわかってきました。 アメリカのペンシルバニア大学のメリッサ・G・ハント博士らは、143人の学生を対象に、SNSの利用時間がウェルビーイングに与える影響について調査を行いました。調査では、参加者を以下の2つのグループに分け、3週間過ごしてもらいました。 ① Facebook、Insta

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          怒りを抑えるカギは「左拳」!?

          アンガーマネジメントの「6秒ルール」 今回は、怒りをコントロールすることについて書きたいと思います。怒りはネガティブ感情の1つですが、クリエイティブ・メンタルマネジメントを実践する上で、望ましい感情ではありません。確かに、怒りのようなネガティブな感情を根底に抱えることで、人並外れたクリエイティビティ(特に、アーティスティックなクリエイティビティ)を発揮する例はありますが、基本的にクリエイティビティを発揮するのに適しているのは、ポジティブ感情と高い活性度です。 とはいえ、

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          「生きがい」を持つと寿命が伸びる!?

          「生きがい」とは? このnoteのテーマである「クリエイティブ・メンタルマネジメント」という考え方は、メンタルリソース(特にポジティブ感情と活性度)を充実させ、日々の小さなクリエイティビティ(リトルC)を実践することで、ウェルビーイングを実現するというものですが、日々の小さなクリエイティビティ(リトルC)を発揮するためにとても重要なことの1つが、「生きがい」を持つということです。 「生きがい」は、学術的な定義が完全に定まっている概念ではありませんが、日本人の文化や価値観

          セルフコントロールと言葉の力

          反応する心と言葉 ちょっと暇な時間ができるとすぐにスマホゲームをしてしまう、アプリからの通知が来ると適切でない時でもすぐに内容をチェックせずにはいられない、アルコールやジャンクフードをついつい過剰に摂取してしまう、他人の一言についカッとなってしまう等、沸き起こる衝動に対して、セルフコントロールを必要とする場面が、私たちの日常生活では多々あります。 神経科学の観点からみると、衝動は、脳の奥深くに位置する大脳辺縁系から生み出される無意識の反応です。それに対して、脳の前方に位

          マインドフルネス vs マインドワンダリング ~クリエイティビティを高めるのは?~

          マインドフルネスとマインドワンダリング 私たちは、普段、目の前のことに取り組んでいるようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態になっていることがとても多いことがわかっています。特に、過去の失敗を思い出したり、未来の漠然とした不安が頭をよぎったりと、ネガティブな感情が心に浮かんでいることが多いようです。この状態をマインドワンダリングといいます。 一方で、このマインドワンダリングとは反対の状態、つまり、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能

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          天才たちの散歩習慣

          やる気が低下する「ポストランチ・ディップ」とは? 今回は、歴史上、天才的なクリエイティビティ(Big C)を発揮した偉人たちの生活習慣の中で重要な役割を果たした「散歩」に焦点を当てたいと思います。天才たちの多くは、午前中に集中して執筆や作曲、描画などの仕事をした後、ランチをとってから、午後の時間は散歩に出ることが多かったようです。その事例は後ほど紹介するとして、なぜ、午後イチの仕事を避けたのでしょうか? 前夜きちんと睡眠をとっていても、午後の早い時間帯に眠気やだるさに襲

          ストレスに対するマインドセットを変えてみる

          そもそもストレスとは? ストレスは、「物体に圧力を加えることで生じるゆがみ」を意味する物理学の用語でしたが、1936年、カナダの生理学者ハンス・セリエが、「ストレス学説」を発表したことから、初めて医学・生理学的な意味でストレスが用いられるようになりました。そして現代では、精神的・肉体的に負担となるあらゆる環境刺激によって引き起こされる生体機能の変化(ストレス反応)を指すようになりました。また、外部からの刺激や要因のことをストレッサーと言います。 ストレスを受けた時に起き

          副交感神経とセルフコントロールの関係

          副交感神経の役割と測定 今回は、このnoteで提唱する「クリエイティブ・メンタルマネジメント」を実践する上で重要な、セルフコントロールと副交感神経の関係について書きたいと思います。 副交感神経とは自律神経の1つですが、自律神経は、内臓や代謝、体温といった私たちの体の機能を24時間休むことなくコントロールする神経で、人間の脳や身体のはたらきをつかさどる役割を担っています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つの神経系があり、この2つは相反する作用を示します。 交感神経

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          セルフコントロールをうまくする2つの方法

          セルフコントロールできないとアルコール摂取量が増える 自分の感情をセルフコントロール(自己制御)することの難しさは、誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。そして、自分の感情をセルフコントロールする力は、体力のように、使っていると消耗していくという考え方があります。では、この力を消耗してしまったときに、アルコールを摂取すると、どうなるのでしょうか。 米ニューヨーク州立大学オールバニ校心理学部のマーク・ムラヴェン博士らは、実験の参加者に思考を抑制させることで、セルフコ