板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

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板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

WINフロンティア株式会社 創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / クリエイティブ・メンタルマネジメントの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術論文等)と、大企業&起業によるビジネス経験に基づき発信します!

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小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる

このnoteで最も伝えたいこと このnoteで最も伝えたいこと、それは「小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる」ということです。「クリエイティビティ」というと、途端に自分には関係ないと思う人が結構いると思うのですが、ここでいう「クリエイティビティ」は、誰もがその気になれば発揮できる「日々の小さなクリエイティビティ」のことです(これを「リトルC」といいます)。 下の図を見てください。私がこのnoteで書くことは、全て、この図がベースになっています。 少し言葉で説明す

    • ストレスとクリエイティビティの最適な関係とは?

      「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とクリエイティビティ ストレスとパフォーマンス(効率)の最適な関係については、1908年に二人の心理学者ロバート・M・ヤーキーズ博士とジョン・D・ドットソン博士がネズミを用いた実験で発見した有名な「ヤーキーズ・ドットソンの法則」という生理心理学の法則があります。 これは、下図に示すように、中程度のストレスがあるとパフォーマンス(効率)が向上するが、ストレスが一定のレベルを超えるとパフォーマンス(効率)が低下してしまうという法則です。つまり

      • SNSとウェルビーイングの関係

        SNSの最適な利用時間は? 私たちの生活にすっかり定着したSNSは、離れていても、人とつながっていられることがメリットですが、皮肉なことに、SNSの利用時間が長いほど、孤独感を強めることがわかってきました。 アメリカのペンシルバニア大学のメリッサ・G・ハント博士らは、143人の学生を対象に、SNSの利用時間がウェルビーイングに与える影響について調査を行いました。調査では、参加者を以下の2つのグループに分け、3週間過ごしてもらいました。 ① Facebook、Insta

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        • 怒りを抑えるカギは「左拳」!?

          アンガーマネジメントの「6秒ルール」 今回は、怒りをコントロールすることについて書きたいと思います。怒りはネガティブ感情の1つですが、クリエイティブ・メンタルマネジメントを実践する上で、望ましい感情ではありません。確かに、怒りのようなネガティブな感情を根底に抱えることで、人並外れたクリエイティビティ(特に、アーティスティックなクリエイティビティ)を発揮する例はありますが、基本的にクリエイティビティを発揮するのに適しているのは、ポジティブ感情と高い活性度です。 とはいえ、

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          「生きがい」を持つと寿命が伸びる!?

          「生きがい」とは? このnoteのテーマである「クリエイティブ・メンタルマネジメント」という考え方は、メンタルリソース(特にポジティブ感情と活性度)を充実させ、日々の小さなクリエイティビティ(リトルC)を実践することで、ウェルビーイングを実現するというものですが、日々の小さなクリエイティビティ(リトルC)を発揮するためにとても重要なことの1つが、「生きがい」を持つということです。 「生きがい」は、学術的な定義が完全に定まっている概念ではありませんが、日本人の文化や価値観

          セルフコントロールと言葉の力

          反応する心と言葉 ちょっと暇な時間ができるとすぐにスマホゲームをしてしまう、アプリからの通知が来ると適切でない時でもすぐに内容をチェックせずにはいられない、アルコールやジャンクフードをついつい過剰に摂取してしまう、他人の一言についカッとなってしまう等、沸き起こる衝動に対して、セルフコントロールを必要とする場面が、私たちの日常生活では多々あります。 神経科学の観点からみると、衝動は、脳の奥深くに位置する大脳辺縁系から生み出される無意識の反応です。それに対して、脳の前方に位

          マインドフルネス vs マインドワンダリング ~クリエイティビティを高めるのは?~

          マインドフルネスとマインドワンダリング 私たちは、普段、目の前のことに取り組んでいるようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態になっていることがとても多いことがわかっています。特に、過去の失敗を思い出したり、未来の漠然とした不安が頭をよぎったりと、ネガティブな感情が心に浮かんでいることが多いようです。この状態をマインドワンダリングといいます。 一方で、このマインドワンダリングとは反対の状態、つまり、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能

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          マインドフルネス vs マインドワンダリング ~クリエイテ…

          天才たちの散歩習慣

          やる気が低下する「ポストランチ・ディップ」とは? 今回は、歴史上、天才的なクリエイティビティ(Big C)を発揮した偉人たちの生活習慣の中で重要な役割を果たした「散歩」に焦点を当てたいと思います。天才たちの多くは、午前中に集中して執筆や作曲、描画などの仕事をした後、ランチをとってから、午後の時間は散歩に出ることが多かったようです。その事例は後ほど紹介するとして、なぜ、午後イチの仕事を避けたのでしょうか? 前夜きちんと睡眠をとっていても、午後の早い時間帯に眠気やだるさに襲

          ストレスに対するマインドセットを変えてみる

          そもそもストレスとは? ストレスは、「物体に圧力を加えることで生じるゆがみ」を意味する物理学の用語でしたが、1936年、カナダの生理学者ハンス・セリエが、「ストレス学説」を発表したことから、初めて医学・生理学的な意味でストレスが用いられるようになりました。そして現代では、精神的・肉体的に負担となるあらゆる環境刺激によって引き起こされる生体機能の変化(ストレス反応)を指すようになりました。また、外部からの刺激や要因のことをストレッサーと言います。 ストレスを受けた時に起き

          副交感神経とセルフコントロールの関係

          副交感神経の役割と測定 今回は、このnoteで提唱する「クリエイティブ・メンタルマネジメント」を実践する上で重要な、セルフコントロールと副交感神経の関係について書きたいと思います。 副交感神経とは自律神経の1つですが、自律神経は、内臓や代謝、体温といった私たちの体の機能を24時間休むことなくコントロールする神経で、人間の脳や身体のはたらきをつかさどる役割を担っています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つの神経系があり、この2つは相反する作用を示します。 交感神経

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          セルフコントロールをうまくする2つの方法

          セルフコントロールできないとアルコール摂取量が増える 自分の感情をセルフコントロール(自己制御)することの難しさは、誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。そして、自分の感情をセルフコントロールする力は、体力のように、使っていると消耗していくという考え方があります。では、この力を消耗してしまったときに、アルコールを摂取すると、どうなるのでしょうか。 米ニューヨーク州立大学オールバニ校心理学部のマーク・ムラヴェン博士らは、実験の参加者に思考を抑制させることで、セルフコ

          「ポケモンGO」で活性度を上げる

          「ポケモンGO」に熱中するのはなぜ? 「ポケモンGO」は、2016年にリリースされた、位置情報とAR(拡張現実)機能を使ったスマホアプリのゲームで、世界中で爆発的な人気を博しました。では、「ポケモンGO」は、それまでのソーシャルゲームと何が違うのでしょうか。 以下、『なぜ人々はポケモンGOに熱中するのか?』(鈴屋二代目タビー,井原渉著,2016)から引用します(p.50-51) このように、他のソーシャルゲームとは異なるユニークな世界観と機能を有する「ポケモンGO」で

          「反事実的思考」がクリエイティビティを高める

          「反事実的思考」とは? 「あの時、○○していたら、今頃は・・・」や「あの時、○○をしていなければ、今頃は・・・」といった、実際の事実とは別の結果を想像することを「反事実的思考」といいますが、これには2種類あります。 1つは、加算的思考です。例えば、「もし傘を持っていれば、雨に濡れることはなかっただろう」と考えることで、実際の事実に新たな要素(「傘を持つ」)を追加して考える思考法です。 もう1つは、減算的思考です。例えば、「もし雨が降らなければ、雨に濡れることはなかった

          マインドフルネスと反芻思考

          マインドフルネスとは? 私たちは、普段、目の前のことに取り組んでいるようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態になっていることが実に多いことがわかっています。特に、過去の失敗を思い出したり、未来の漠然とした不安が頭をよぎったりと、ネガティブな感情が心に浮かんでいることが多いのです。マインドフルネスは、そのような状況を脱却して、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意を向けること」を指します。 また、そのような状態になるために、マ

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          クリエイティブになるための映画活用術

          日本人の約4割は映画を見ない 株式会社プラネットが実施した映画に関するインターネット意識調査(4,000人の全年代の男女対象、2023年)によると、「あなたは映画を1年間でどれくらい見ますか?」(視聴形態は問わない)という質問に対して、「映画はまったく見ない」と回答した人が20.7%で、「年間に1本も見ないことがある」と回答した人が19.4%でした。つまり、日本人の約4割は映画を全く見ない生活をしていることがわかりました。 また、映画を観る人の中でも、「タイパ」(タイム

          良いマインドワンダリングとは?

          1日の約半分はマインドワンダリング 目の前の課題や出来事から注意が逸れて,無関係な思考を行う現象を「マインドワンダリング」(心が彷徨っている状態)といいます。一方で、マインドワンダリングとは逆に、「今この瞬間」に注意を向けている状態を「マインドフルネス」といいます。マインドフルネスは、マインドフルネス瞑想などとともに、多くの人に知られるようになってきており、ストレス低減や集中力を高めるのに有効であるというエビデンスも揃ってきているので、「マインドフルネス=良いこと、その逆

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