板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

WINフロンティア株式会社 創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / クリエイティブ・メンタルマネジメントの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術論文等)と、大企業&起業によるビジネス経験に基づき発信します!

板生研一 | 起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法

WINフロンティア株式会社 創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / クリエイティブ・メンタルマネジメントの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術論文等)と、大企業&起業によるビジネス経験に基づき発信します!

    最近の記事

    自然の中でメンタルを整え、クリエイティビティを解き放つ

    森林浴でメンタルを整え、活性度を上げる  森林浴とは、森林に入って清浄な空気を呼吸し、その香気を浴びて心身の健康を図ることと定義されますが、これは日本発の言葉で、1982年、時の林野庁長官 秋山智英氏が「温泉浴」「海水浴」「日光浴」などになぞらえて考案した言葉です*。  私たちの会社(WINフロンティア)でも、森林セラピー®︎*の効果を、ウェアラブルセンサを使って測定する取り組みを10年近く行っており、森の中を歩くことで自律神経のバランスが整い、心身に良い影響があることが

      • 企業のパーパスと社員のクリエイティビティ

        「パーパス」とは?  最近、企業に関連する用語として、「パーパス」という言葉を耳にした事がある人も多いのではないでしょうか。これは英語の「Purpose」をカタカナ表記したもので、文字通りの意味は「目的」になりますが、経営学の文脈では、その会社の「存在理由」というニュアンスになります。つまり、企業は「何のために存在するのか」ということですね。  企業は自社のパーパスを言葉にして対外的に示すことで、世間一般、そして、株主、顧客、取引先などのいわゆるステークホルダー、さらには

        • 退屈なルーチンワークとクリエイティビティ

          ルーチンワークとマインドワンダリング  どんな仕事をしていても、多かれ少なかれルーチンワークというものがあると思いますが、広辞苑によるとルーチンワークとは、「きまりきった、日常の仕事」という意味ですね。また別の辞書では、「創意工夫の必要ない業務。つまらない仕事」という意味も出てきます。スタートアップビジネスはルーチンワークとは縁遠いと思われるかもしれませんが、コピーを取ったり、メールボックスを整理したり、名刺の整理をしたりと必ずルーチンワークはあります。また、仕事を離れたら

          • 履き心地の良いジーンズでクリエイティビティを上げる

            履き心地の良いジーンズの効果  どんな服装で仕事をするかは業界や職種、あるいは曜日によっても異なると思いますが、服装が仕事のパフォーマンスに与える影響はあまり知られていないように思います。  私の会社(WINフロンティア)は、以前、履き心地の良いジーンズ(ユニクロのEZYジーンズ)を履いた時のストレスや疲労の軽減効果を測定する実験を、ユニクロ社と一緒に行いました。*  実験では、参加者を3グループに分け、それぞれ「履き心地の良いジーンズ(ユニクロのEZYジーンズ)」、「

            「ワーケーション」の効果的な活用法

            ワーケーションとは?  在宅ワークがすっかり浸透し、働き方が大きく変わりましたが、その中で注目されているのが、「ワーケーション」です。国土交通省の外局である観光庁のホームページによると、ワーケーションとは、「Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすことです。余暇主体と仕事主体の2つのパターンがあります。」*とあります。  ワーケーションによって、普段はなかなか行けな

            「感謝」で忍耐力を高め、健康になる

            感謝の気持ちは忍耐力を高める  かつて、パナソニック創業者の松下幸之助は、「すべての人間の幸福や喜びを生み出す根源が感謝の念であり、感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感が高まっていく」と述べていますが、ポジティブ心理学では、感謝(Gratitude)の効用に関する研究が盛んに行われています。  ビジネスでもスポーツでも成功した人は、必ずと言っていいほど、他者への感謝を述べることが多いですよね。例えばサッカー選手であれば、「サポーターのみなさんの熱い声援のお

            クリエイティビティを上げる科学的だけど簡単行動(その2)

            手軽にクリエイティビティを高めるために  働き方が大きく変わり、職場以外のコワーキングスペースやカフェなどで仕事をするケースも増えているのではないでしょうか。その時に気になるのが、仕事の生産性です。職場で集中して行う方が良い仕事もあれば、場所を変えて気分もリフレッシュして取り組んだ方が良い仕事もあります。特に、拡散的思考による新しいアイデアやちょっとした工夫が必要な仕事を行う時は、必ずしも職場(オフィス)がベストとは限りません。  スタートアップビジネスでは、基本的にルー

            プラネタリウムのリラックス&クリエイティブ効果

            プラネタリウムのリラックス効果  近年、キャンプやグランピングが大人気ですが、プラネタリウムは、満点の星空を都会で手軽に味わえる魅力があります。また、最近は家庭用プラネタリウムも登場しており、家でも満点の星空を楽しめます。星空を眺めて宇宙に思いを馳せると、しばし日常を忘れ、ストレスを低減できそうな気がしますね。  ある調査データ*によると、世界には3,500を超えるプラネタリウム施設が存在し、日本は施設数でアメリカに次ぐ世界第2位のプラネタリウム大国だそうです。また、日本

            反芻思考はクリエイティビティには役立つ!?

            反芻(はんすう)思考とは? 「反芻(はんすう)」という言葉を聞いたことがありますか?広辞苑*によると、「反芻(はんすう)」には、以下の2つの意味があります。 ①一度のみこんだ食物を再び口中に戻し、噛み直して再びのみこむこと。 ②二度三度くりかえし思い、考えること。  1つ目の意味に関しては、典型的には、牛などの哺乳類がう行為です。今回取り上げるのは、2つ目の意味の方です。「二度三度くりかえし思い、考えること」は、その内容がポジティブなものである限りは、プラスに働くこと

            仕事に没入するために必要なこと

            時間感覚を失うほど没入する  時間を忘れて仕事に没入した経験は、どれくらいありますか?  米国の心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士は、時間感覚を失うほど、何かに没入している状態を「フロー」と呼びました。スポーツ選手やクリエイターは、この「フロー」という状態を経験しやすいと言われています。そして、スタートアップビジネスも同様だと私は思っています。自分たちのサービスをローンチするという目標に向かって、例えば、プロダクトを企画したり、ユーザーのログデータを分析したり、あるいは

            「足るを知る」とストレスは減る

            どこで満足するか?  スタートアップビジネスでは、足りないものだらけです。人、物、金、情報といった経営資源全てにおいて、不足している状態です。でも、これを全て満たそうとするのは、現実的ではありません。当社の健康アプリ開発を例にとると、アプリで実現したい機能が100あるときに、100を一気に実現するのは、経営資源的にとても難しいことが多いです。その時に、「どこで満足するか?」という観点がとても重要になります。  これは、日常生活においても同じではないでしょうか。例えば、食べ

            セイバリング(味わう)能力を高めて、今を大切にする

            起業家と休暇  起業をしてから、サラリーマン時代との違いを強く感じる場面のひとつが、休暇の過ごし方です。休めない、長い休みが取りづらいなど、時間的制約もさることながら、精神面での違いの方が大きいと感じます。どういうことかというと、起業してからは、休暇中でも、あらゆることを仕事と関連づけて考えてしまいがちになるということです。  しかし、これはポジティブ心理学でいうセイバリング(Savoring:味わうこと) という概念からは、とても良くないことです。  「味わうこと(セ

            現実を受け入れてストレスを受け流す

            アップダウンへの対処  どんなビジネスでも同じかもしれませんが、スタートアップのビジネスは、特に、アップダウンが激しいと思います。昨日良いことがあったと思ったら、翌日は悪いことが起きて、ジェットコースターに乗っているような気分になることが結構あります。このジェットコースターに振り回されていると、メンタルのリソース(資源)がとても消耗するため、私はある段階から、ひとつの習慣を身につけました。それは、ビジネスのアップダウンに対して、「喜びも落ち込みも、半分に抑える」ということで

            クリエイティビティと気分の深い関係

            良いアイデアが浮かぶとき  良いアイデアが浮かぶのは、どんな気分の時でしょうか?直感的には、怒っている時や悲しい時などのネガティブな気分の時よりも、ウキウキしている時やリラックスしている時などのポジティブな気分の時の方が、良いアイデアが浮かぶ気がしませんか? この疑問を明らかにしてくれる研究をご紹介します。  オランダのアムステルダム大学心理学部のマタイス・バース博士らは、過去25年間のクリエイティビティと気分に関する103の論文をレビューしました。その結果、研究によって

            ストレスなく仕事の効率を高めるコツ(その1)~ 仕事の手順を考える ~

            新しい仕事に取りかかるとき  新しい仕事を振られ、それに取りかかるとき、どのように対応しますか?もちろん、仕事の中身によって、対応は大きく異なるでしょう。例えば、簡単な仕事で、ゴールもはっきりしている場合、「さっさと片付けてしまおう」という気持ちが強く働くのではないでしょうか?  一方、ゴールが見えていると思って、すぐに目先の作業に着手してしまうと、危険な場合もあります。例えば、エクセルでデータを分析する際に、まず手始めに着手した分析が、後々無駄になる、あるいは、パワーポ

            緊張するイベント前の不安コントロール法

            人前でのスピーチ  緊張するイベント、例えば、プレゼンや試験など、人それぞれ、たくさんありますよね。種類は違えども、特に、直前の緊張や不安は何とも言えないものがあります。心理学の研究では、参加者にストレス負荷をかけるために、人前でのスピーチ課題(さらにそれを録画する)がよく活用されますが、人前でのスピーチは、人が緊張する典型的な場面だと言えそうです。  起業家は、自分のビジネスをいかに人に知ってもらうかがとても大事なので、必然的に多くの人の前でプレゼンをする機会が多くなり