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小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる

このnoteで最も伝えたいこと


このnoteで最も伝えたいこと、それは「小さなクリエイティビティがメンタルの鍵になる」ということです。「クリエイティビティ」というと、途端に自分には関係ないと思う人が結構いると思うのですが、ここでいう「クリエイティビティ」は、誰もがその気になれば発揮できる「日々の小さなクリエイティビティ」のことです(これを「リトルC」といいます)。

下の図を見てください。私がこのnoteで書くことは、全て、この図がベースになっています。

クリエイティブ・メンタルマネジメント法のコンセプト


少し言葉で説明すると、「小さなクリエイティビティ(リトルC)」が鍵となって、「仕事のやりがい」、そして、最終的には個人の「ウェルビーイング(幸福)」につながるということなのですが、この「小さなクリエイティビティ(リトルC)」を発揮できるようにするための土台になるのが、「メンタル・リソース」です。特に、「ポジティブ感情」と「活性」が大事になってきます。この「メンタル・リソース」がある程度、整うことで、「小さなクリエイティビティ(リトルC)」を発揮できるようになり、それが、「熱中」や「没頭」といった「仕事のやりがい」につながるのです。そして、これは今や大きな社会問題化している働く人のメンタルヘルスを改善していく上で、重要な鍵になると私は考えています。

このnoteで最も伝えたいことは以上なのですが、以下、もう少し詳しく、その背景を説明したいと思います。


背景の説明


仕事にやりがいを感じられない人が増えています。グローバルの調査によると、日本人で仕事に熱意を感じている人は、わずか6%しかいません。これは諸外国と比べてもかなり低い数字です。

私たちは1日の約3分の1の時間を仕事に割いていることを考えると、日々、やりがいを感じない仕事に向き合わないといけない生活というのは、大きなストレスになります。そして、そのような生活が長く続くと、メンタル不調を来たしてしまい、仕事のパフォーマンスを大きく落としてしまいかねません。

では、なぜ、多くのビジネスパーソンが仕事にやりがいを感じられなくなってしまったのでしょうか?例えば、高度経済成長期と言われた時代(1960年)は、物質的に豊かになりたいという、仕事や人生における目標が明確でした。そして、豊かな欧米諸国というお手本もありました。このような時代は、頑張れば頑張った分だけ、社会や生活が豊かになることを実感できました。つまり、成果が「見える化」されやすかったということですね。

それに対して、今の時代は、生活水準が高まり、社会が豊かになった分、目標がわかりづらくなってしまいました。そして、特に大企業が扱う仕事はどんどん高度化、複雑化し、ひとつの仕事が完成するまでの工程に、多くの人が関わるため、自分がやった仕事がどう成果につながっているか、見えにくくなってしまったのです。(日本の会社に占める大企業の割合はわずか1%程度ですが、大企業で働く人の割合は全労働人口の3割を超えています)

また、このような仕事の複雑化と連動して、お客さんから直接感謝されるような機会も、大企業の仕事になるほど減ってきてしまいました。(そもそも最終的なお客さんと接する機会もないため)。これでは、なかなか仕事にやりがいを見出すことは難しいですよね。仕事にやりがいを感じられない状態で、仕事の要求やプレッシャーだけが高まると、悪いストレスを感じるようになり、その期間が続くとメンタル不調を来します。そして、一度メンタル不調になると、なかなか元のパフォーマンスに戻すのは難しいと言われています。

では、そのような事態を避けるためにはどうしたら良いのでしょうか?


・やりがいのある仕事を見つけて、転職する、または、部署を異動する

・今の仕事に耐えながら、資格の勉強などをして、キャリアチェンジを図る

・今の仕事に耐えながら、副業を始めて、当たったら、起業する

・リスクを取って、今の仕事を辞め、起業する

・今の仕事は生活の手段と割り切って、趣味に生きる

などなど、いろいろな方法があると思いますが、どれも状況を変えるには、一定の時間を要します。そして、その先に、本当にやりがいを見つけられるかの保証はありません。

では、もっと即効性があり、確実に仕事のやりがいを高めることができる方法はないのでしょうか?


その答えが、「日々の小さなクリエイティビティ」を実践すること
です。


ここでいう「クリエイティビティ」は、誰もがその気になれば発揮できるクリエイティビティのことで、これを学術的には「リトルC」と言ったりします。

例えば、

・レジ打ち係の人が、買い物カゴに商品をいかに無駄なくキレイに入れるかを工夫することでお客さんに喜んでもらう

・バスの運転手が、降りる乗客に対して、「後ろから自転車がきているので、気をつけてください」とマイクで一言アナウンスをする

・ビルの清掃員の人が、来客したお客さんに、「いらっしゃいませ」と一言声がけをする

など、ほんのちょっとした仕事の工夫ことです。(もちろん、仕事以外でも、たくさんの「リトルC」が考えられます。)

当然、1つの行動だけでは、やがて自分が飽きてしまいますので、常に新しい工夫を考え続け、実践で試してみることがとても大事です。

これらのことは、誰の許可を得ることもなく、自分の判断ででき、自己完結します。そして、相手の反応という形で、結果が明確に「見える化」され、時には、感謝の言葉やフィードバックをもらえるかもしれません。

また、このような些細なことでも、新しいことをするには、小さな勇気と、小さな責任が伴います小さなリスクを取るとも言えるかもしれません。そして、小さな責任やリスクを取って行動した結果、ポジティブな結果が得られると、小さな「成功体験」として記憶されます。

すると、私たちの脳の報酬系システムが活性化し、ドーパミンが分泌されることで、「またあの成功体験を味わいたい」という気持ちになります。しかし、私たちの脳はやがて馴化しますので、新たな工夫を考え出し、もう一度、小さな成功体験の喜びを味わえるように工夫するようになります。

これを積み重ねていくことができれば、やがて少し大きなクリエイティビティを発揮したくなります。そして、それが成果につながれば、どんどん自信になりますよね。

このような状態になれば、メンタル不調とは無縁の、やりがいのある仕事生活を送れるようになります。そして、そのようなクリエイティビティを積み重ねていると、必ず誰か他人が見ているものです。それが新たな出会いを生んだり、次へのステップアップにつながったりする可能性もあります。

この「小さなクリエイティビティ」を発揮するには、ポジティブな感情を持ち、活性度の高い状態でないといけません。人間は放っておくと、すぐにネガティブ思考になりやすい生き物ですので、意識的にポジティブな感情を持つ時間を長くすることが大事になります。そのためにどうすべきかということも、このnoteでたくさん書いていこうと思います。


最後に、メンタル不調を来しやすい人は、元々の気質が繊細であるケースが多いのですが、実は繊細は人ほど、観察力にすぐれ、他人が気づかないポイントにも良く気づくため、この小さなクリエイティビティを発揮するのが得意なのです。

つまり、メンタル不調になりやすい気質の人ほど、得意の観察力、あるいは、空気を読む力を活かして、日々、小さなクリエイティビティを発揮することを心がけることで、メンタル不調を予防することができるのです。


ということで、このnoteでは、「小さなクリエイティビティ(リトルC)」を発揮するにはどうしたら良いか、その前提となる「メンタル・リソース」をどう整えれば良いか、さらに、「仕事のやりがい」を高めるためにはどうしたら良いか、などを、学術的エビデンスや私自身の実践経験、そして、私の会社が10年以上に渡って多くの人の自律神経などの生体情報をウェアラブルセンサで測定してきた経験をもとに書いていきます。



このnoteの連載が書籍になりました!クリエイティビティとメンタルのことを詳しく知りたい方にオススメです。


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