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情緒不安定でも「マインドフルネス」でクリエイティビティが高まる


5つの性格タイプ


人の性格タイプを診断するテストには様々なものがありますが、ビッグ・ファイブ(5因子モデル)と呼ばれる測定尺度は、最も多くの研究で使用されている尺度です。このビッグ・ファイブでは、人の性格を下記のように5つに分類します。

① 神経症傾向(情緒不安定性) (Neuroticism)

② 外向性(Extraversion)

③ 開放性(Openness)

④ 調和性(協調性)(Agreeableness)

⑤ 誠実性(勤勉性)(Conscientiousness)

そして、このビッグ・ファイブに関する研究では、性格タイプと行動パターンについて様々なことが明らかになっています。

例えば、運動習慣を継続しない男性は誠実性が低い傾向があり,女性は神経症傾向が高い傾向があるという研究結果や、サプリやエナジードリンクをよく飲む人は外向性が高く、喫煙をする人は外向性が高く誠実性が低い傾向があるという研究結果などがあります。

さらには、教室の前の座席に好んで座る人は、誠実性と開放性が高い傾向があるという研究結果や、リーダーシップを発揮する人は、外向性が高いという研究結果もあります。

一方で、神経症傾向(情緒不安定)の人は、心配や不安が強く、精神疾患との正の相関が数多く報告されていますが、神経症傾向と同時に誠実性が高い場合は、喫煙や薬物使用のリスクが低く、がん細胞の活性を促進する炎症性サイトカインの値が低いことなどが報告されており、神経症傾向(情緒不安定)でも、健康にポジティブな影響がもたらされるケースもあるようです。

このように、私たちの性格タイプは様々な行動パターンを規定する要因になっていることが窺えますが、次に、このビッグ・ファイブとクリエイティビティの関係について、見ていきたいと思います。


クリエイティビティを発揮しやすい性格タイプは?


クリエイティビティと性格の関係についても様々な研究が行われていますが、その中で、クリエイティビティに強く関係する拡散的思考(ユニークで有用なアイデアをたくさん生み出すことができる能力)と性格の関係について、アメリカの国立衛生研究所のロバート・R・マクレー博士は興味深い研究を行いました。

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