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エッセイ集

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不定期に綴るエッセイ。普段の小説とは違い、起業・スタートアップ・イノベーション経営、AI研究などのネタが多くなると思います(実は逆で、普段、ビジネス系の話を書いてる私が、ここでは…
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#人工知能

AIについて語る時(3)AIに包まれたなら 〜 自動運転を例に

AIについて語る時(3)AIに包まれたなら 〜 自動運転を例に

アップルの故スティーブ・ジョブス含め、シリコンバレーでよく引用される格言がある。史上最高のアイスホッケー・プレイヤーと称されるウェイン・グレツキー(カナダ)の言葉だ。「なぜ、ここまで偉大な記録を残すことができたのか?」という質問への返答。

“I skate to where the puck is going to be, not to where it has been” – Wayne Gr

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AIについて語る時 - (1)「AIって何?」と聞かれた時の若干の恥じらいと躊躇について

AIについて語る時 - (1)「AIって何?」と聞かれた時の若干の恥じらいと躊躇について

1990年代、僕は某大学院の修士・博士課程で人工ニューラルネットワーク関連の研究に従事していた。図書館にはAIバブル期に出版された豪華な本が並び、MITのマービン・ミンスキー教授やスタンフォードのジョン・マッカーシー教授など、AI分野の大物たちが登場した一昔前の専門誌が色褪せつつある時代だ。
 当時は「人工」なんて枕詞はなく、単にニューラルネットワーク、あるいは、ニューラルネット、もっと簡単にニュ

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AIについて語る背景

AIについて語る背景

“Decade”という単位で括らねばならぬほど昔となってしまったが、大学4年から大学院博士課程を通して、今で言えばAI(人工知能)と呼ばれる技術の応用研究をしていた。あいまいさを許容するコンピュータから始まり、人間のように『思い込み』してしまうコンピュータ、なんて研究もした。が、研究をはじめた当時は、まだ第2次『AI冬の時代』の影響が色濃くあり、AIと名の付く研究には予算が付かなかった。結局、大学

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