【絵から小説】ネオテニー(3386文字)
「ねえ、どうするか決めた?」
エフは地べたに足を投げ出して、後ろについた両手で体を支えている。
エフの赤茶色のローブが内側に風を含んでふわりと広がった。
「ううん、全然」
シルは膝丈より少し長い深緑色のローブの裾を指で弄びながら、眼前にぽっかりと口を開けた洞窟を体育座りの姿勢でぼんやりと眺めていた。
「全然実感湧かないよね」
「そうだね、いきなり性別を選べって言われてもね」
2人は全く我が事にならない課題を前に頭を抱えていた。
人類が立ち入らない未開の土地。
外見上、ほとん