【掌編小説】私は兵器です
丁寧にお辞儀をして去っていく女性の後ろ姿を眺めながら彼は言った。
「すごいものですね。僕が生まれた頃はこんな世界が来るなんて想像もしませんでしたよ」
「ああ、そうだろう。私たちにしたって近年の技術的進歩には目を見張るものがある。各地で新しい技術が次々と勃興していくのだからな」
「教授からしてもそう感じるのですね」
「そりゃそうだよ」
そう言うと教授はコーヒーを軽く啜った。
向かいに座る青年も教授に倣ってコーヒーに口をつける。
「まさかアンドロイドが給仕をしてくれる世の中が来る