木野清瀬

俳号木野清瀬(きのきよせ)。街俳句会。里俳句会。定型俳句と自由律俳句を作ります。お酒と…

木野清瀬

俳号木野清瀬(きのきよせ)。街俳句会。里俳句会。定型俳句と自由律俳句を作ります。お酒と吟行と古いものが好きです。ノスタルジイを探して街を歩いています。

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火のやうな

 一冊のノートが遺された。  母がわたしの俳句をびっしりと書き写していた小さなノート。わたしには、それが母の詫び状のように思われた。  社交的で華やかな母にとっ…

木野清瀬
4か月前
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ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年3月26日

第二回句会 於ホテルメトロポリタン ラウンジすずかけ  日当たりの良い場所では桜の花が満開に近づいていますが、お天気はあまり良くありません。予報では曇りのち雨。…

木野清瀬
1年前
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奥多摩探梅行、河鹿園へ 2023年2月12日

 なんと⁉️一年ぶりの投稿となります。  前回の千葉紀行も梅の頃、確か2月の終わりだったと思います。おゝ‼️本日は2023年2月28日、二月尽。夜の10時をまわったところ…

木野清瀬
1年前
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梅ふふむ、春信と荷風と千葉の旅 2022年2月26日

 真夜中のタイムラインに、千葉市美術館さまのツイートを見つけました。  世界に二点しか現存しない鈴木春信《夜の梅》がご覧頂ける稀な機会です、前回は十五年前、次は…

木野清瀬
2年前
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ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年2月18日

 有季定型俳句の結社に入り、半年が過ぎました。月に一回か二回、句会に参加しています。通常の句会は短冊に書いて五句出し、清記、選句、披講、一般選の発表、主宰の入選…

木野清瀬
2年前
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そして隅田川 2020年3月12日

 さてさて、向島初吟行の続きです。  向島でのランチはパスタ、お若いご夫婦の切盛りする小さなイタリアンでした。街グルメも散策の大きな愉しみです。 ◇春近しこんな…

木野清瀬
2年前
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墨東 2020年3月12日

多分、これが人生最初の吟行でした。 玉の井、東向島。高校生の頃から大好きな永井荷風の『濹東綺譚』の舞台を歩きました。 荷風は東京の探求者でした。 わたしは東京市政…

木野清瀬
2年前
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文学フリマ東京、2021年11月23日

子どもの頃からモノレールが大好きです。 今月初めに熊本・福岡を旅したので、同じ月にまた東京モノレールに乗れるなんてうれしいなあ。しかし車窓に大井競馬場が過ぎてゆく…

木野清瀬
2年前
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Enchanté

Twitterで俳句をはじめてそろそろ二年になります。右も左も分からずに、知らぬが故の面の皮、初心者のくせに三つの句会に出没し、遂には結社に入会してしまいました。詠め…

木野清瀬
2年前
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火のやうな

火のやうな

 一冊のノートが遺された。
 母がわたしの俳句をびっしりと書き写していた小さなノート。わたしには、それが母の詫び状のように思われた。

 社交的で華やかな母にとって、不器用、無愛想、引っ込み思案のわたしはさぞかし物足りない娘だったことだろう。幼い頃から、母の「残念」には気がついていた。
 アッコの娘にしてはパッとしないな、と面と向かって毒づく親戚がいた。まだ小学生の頃だ。驚いて固まってしまった。も

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ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年3月26日

ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年3月26日

第二回句会
於ホテルメトロポリタン ラウンジすずかけ

 日当たりの良い場所では桜の花が満開に近づいていますが、お天気はあまり良くありません。予報では曇りのち雨。傘を持参のトープグリヨン第二回目の句会は池袋、ロビーを見下ろす中二階、シティホテルのラウンジにて。

 いろいろ書き込めるように、今回より大きめの短冊を用意しました。

 わたしの句より、

 ※雛あられ奥歯で砕く出自かな

 所属する

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奥多摩探梅行、河鹿園へ 2023年2月12日

奥多摩探梅行、河鹿園へ 2023年2月12日

 なんと⁉️一年ぶりの投稿となります。

 前回の千葉紀行も梅の頃、確か2月の終わりだったと思います。おゝ‼️本日は2023年2月28日、二月尽。夜の10時をまわったところ。今月のうちに間に合いますかしら。時計の針と追いかけっこしながら筆を進めてまいります。

 青梅駅より奥多摩線に乗り御嶽駅で下車。まだ山肌に一昨日の雪がうっすら残っておりました。東京都心では警報級の大雪にはならず、次第に雨へと変

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梅ふふむ、春信と荷風と千葉の旅 2022年2月26日

梅ふふむ、春信と荷風と千葉の旅 2022年2月26日

 真夜中のタイムラインに、千葉市美術館さまのツイートを見つけました。
 世界に二点しか現存しない鈴木春信《夜の梅》がご覧頂ける稀な機会です、前回は十五年前、次はいつになることか‥。
 スマホの画像にも、それは何とも妖しき趣き。肉眼で実物を見るしかない‼️千葉には子どもの頃に行った記憶があるだけですが、これは行くしかないでしょう。

 近々行かねばと思っていたのです、千葉には。
 敬愛する小説家、永

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ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年2月18日

ちいさな句会 Taupe-grillon 2022年2月18日

 有季定型俳句の結社に入り、半年が過ぎました。月に一回か二回、句会に参加しています。通常の句会は短冊に書いて五句出し、清記、選句、披講、一般選の発表、主宰の入選句、本選句、特選句の発表、講評という流れです。
 一句に一票でも入れば、句会の後のお酒が美味しくいただけます。入選、本選ともなれば、しあわせに酔いしれてしまいます。
 オケラの時は‥、飲み会に参加するのが辛いです。とてもとても酔えません。胸

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そして隅田川 2020年3月12日

そして隅田川 2020年3月12日

 さてさて、向島初吟行の続きです。
 向島でのランチはパスタ、お若いご夫婦の切盛りする小さなイタリアンでした。街グルメも散策の大きな愉しみです。

◇春近しこんなところにイタリアン

 歩くこと、見ること、食べること。感じること、呑むこと、そして、知ること。
 本を読んだり、テレビを観たり。それは大事な入口ですが、それだけで知ったつもりは勿体無い。知る為には、ちょっとした手間暇が必要なようです。

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墨東 2020年3月12日

墨東 2020年3月12日

多分、これが人生最初の吟行でした。
玉の井、東向島。高校生の頃から大好きな永井荷風の『濹東綺譚』の舞台を歩きました。
荷風は東京の探求者でした。
わたしは東京市政百周年の生まれなので、父方の祖父より「京子」と名付けられました。然し、父親に反発的だった我が父は、平凡でつまらないと、「響子」と出生届を出しました。そのせいばかりではなく、父方の祖父母はどこか遠い存在でした。
ともあれ、わたしは東京の子で

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文学フリマ東京、2021年11月23日

文学フリマ東京、2021年11月23日

子どもの頃からモノレールが大好きです。
今月初めに熊本・福岡を旅したので、同じ月にまた東京モノレールに乗れるなんてうれしいなあ。しかし車窓に大井競馬場が過ぎてゆくと、俄かに緊張してきました。流通センターに於いて初めての文学フリマ東京です。
自由律俳句サザンカネット句会アンソロジーに参加しての初陣です。
サザンカ句会は、二年ほど前から自由律俳句結社「海紅」の方々を中心に、月に一度のペースで開かれてい

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Enchanté

Enchanté

Twitterで俳句をはじめてそろそろ二年になります。右も左も分からずに、知らぬが故の面の皮、初心者のくせに三つの句会に出没し、遂には結社に入会してしまいました。詠めない詠めないと、日々苦しんでおります。所属するのは定型の結社ですが、自由律も詠みます。吟行が好き、荷風が好きです。色街をよく歩きます。歩きながら詠み、思うことのいろいろを書いてみたいと思います。眠れぬ夜にお付き合いいただければ幸いです

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