〈ロンドンと食〉ケンジントン・ガーデンズと夏恒例の建築イベント「サーペンタイン・パヴィリオン」
ロンドンは大都市にいるとは思えないほど緑豊かな街。木々が生い茂る夏の公園には多くの人が集い、ピクニックやパーティー、スポーツ、散歩など、グループも個人もそれぞれが好きな方法で過ごしています。また、この時期はイギリスの短い夏を満喫するため、様々なイベントも目白押し。
この記事では、ロンドン中心部にある公園ケンジントン・ガーデンズの美しい緑と、期間限定で公開となる選ばれし建築作品とのコラボレーションを楽しめる場所「Serpentine Pavilion(サーペンタイン・パヴィリオン)」について紹介します。2024年の日程は6月7日(金)〜10月27日(日)まで(入場無料)。
なお〈ロンドンと食〉では、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、外出先での食事情についても触れているおでかけシリーズです。
ケンジントン・ガーデンズと夏限定の建築イベント
「Kensington Gardens(ケンジントン・ガーデンズ)」は、ロンドン中心部にある Hyde Park(ハイド・パーク)の西側にある王立公園。かつてはダイアナ妃のお住まい、現在はウィリアム王子とキャサリン妃がご家族で暮らしている Kensington Palace(ケンジントン宮殿)に隣接する公園です。元々はケンジントン宮殿の一部だったそうですが、一般に開放されるようになったのです。
夏恒例の建築イベント「サーペンタイン・パヴィリオン」は、ケンジントン・ガーデンズ内にある Serpentine Galleries,Serpentine South(サーペンタイン・ギャラリーズ、サーペンタイン・サウス)にて公開されます。
Serpentine Pavilion(サーペンタイン・パヴィリオン)
サーペンタイン・パヴィリオンは、夏の仮設パヴィリオンとしてサーペンタイン・サウス・ギャラリーの芝生広場に設置される。設計者は、英国内に建築作品がない国際的な建築家または設計チームから選ばれ、カフェや多目的ソーシャル・スペースなどを含めて6ヶ月以内に完成させることが条件。2000年にZaha Hadid (ザハ・ハディド)が設計して以来続いています。
2024年は韓国を拠点とする建築家 Minsuk Cho(チョウ・ミンスク)率いる Mass Studies(マス・スタディーズ)が設計。「Archipelagic Void(アーキペラジック・ヴォイド)」というタイトルで、中央にある円形の「ヴォイド」を囲むように5つの「島」が星形をつくっています。
中央のヴォイドは、韓国の古い家屋に見られる小さな中庭「Madang(マダン)」のような役割を果たし、個人から集団的行事まで様々な活動に対応できる空間なのだとか。
5つの「島」はそれぞれ、「ギャラリー」「オーディトリアム」「ちいさな図書館」「ティー・ハウス」「プレイタワー」として、異なる目的を果たすようです。
2024年の日程は6月7日(金)〜10月27日(日)まで(入場無料)
サーペンタイン・パビリオン2024の開館時間について、イレギュラーな変更など最新情報はこちらのページの「Opening Hours」にて。また、お子さんがプレイタワーを使用する際のルールは、同じページ内の「Play Tower Rules」に記載があります。
The Pavilion Tea House(パヴィリオン・ティーハウス)
営業時間:月曜日-日曜日 10am-6pm
パヴィリオン内の仮設カフェでは、ドリンクやアイスクリームなどを販売。
以下は、2022年と2023年の作品を訪れた際の様子です。
2023年のパヴィリオン「À table(ア・ターブル)」
フランス・パリを拠点とするレバノン・ベイルート生まれの建築家 Lina Ghotmeh(リナ・ゴットメ)による設計。このデザインは、地球との原始的な関係を持続可能なものへ発展させることを願い生まれたのだとか。
タイトルの「À table」は、フランス語で「ごはんですよ〜!」と、食卓へ着くように呼びかける際の言葉。故郷である地中海の伝統と、テーブルを囲み様々なトピックについて活発に議論することからインスピレーションを得たのだそう。
建物の内部には、訪れる人々を招き入れ新たな関係の構築や交流を促すように、テーブルが壁に沿って円形に配置されています。
公園の緑と心地よく調和する建物。パヴィリオン内では、木の温もりに包まれて心が安らぐ。お茶を飲みながら、しばしのんびり過ごしてみました。壁の模様からこぼれる光も美しかった。
2022年のパヴィリオン「Black Chapel(ブラック・チャペル)」
アメリカ・シカゴを拠点に活動するアーティスト Theaster Gates(シアスター・ゲイツ)による作品で、アジャイ・アソシエイツによる支援により実現。このパヴィリオンは、シアスター・ゲイツの活動の根底にある建築的タイポロジーの多くからインスピレーションを得て、様々なアフリカの伝統的な建築物を参考にしたのだそう。
作品紹介の内容を読むと、作者の意図が深すぎて私には的確に要約できる気がしないのですが……中へ踏み入ると天井から差し込む光が美しく、心穏やかに過ごせました。細部へのこだわりを感じる特別なチャペル。
歴代パヴィリオンについて詳細はこちらのページで紹介されています。
基本情報
Serpentine Galleries〈Serpentine South〉
公式サイト:https://www.serpentinegalleries.org/
所在地:Kensington Gardens,London W2 3XA
開館時間:火曜日- 日曜日 10am-6pm ※バンクホリデーの祝日は開館
Kensington Gardens(ケンジントン・ガーデンズ)の春夏秋冬
公園は夏が人気だけれど、どの季節に歩いてもそれぞれ良さがあるのです。
基本情報
Kensington Gardens
公式サイト:https://www.royalparks.org.uk/visit/parks/kensington-gardens
所在地:Kensington Gardens, London W2 2UH
Serpentine Northのレストラン「The Magazine(ザ・マガジン)」
夏のパヴィリオンが建つSerpentine Southギャラリーから少し離れた場所に、1805年建築の元火薬庫である歴史的建造物を増改築したNorthギャラリーがあります。改修工事の設計を担当したのは建築家 Zaha Hadid (ザハ・ハディド)。
レンガ造りの建物から飛び出すように増築されたレストラン「ザ・マガジン」は、曲線的な屋根のデザインがインパクト大。外観だけでなく中でも、ザハ・ハディドらしさを感じながら朝食やランチ、カフェタイムを楽しめるため、特別感があり好きな場所なのです。
開放感ある店内。天井も窓枠やカウンターなども曲線的なデザインになっていて、近未来的なのだけれど柔らかな雰囲気です。不思議なカタチの柱部分から自然光が差し込み心地よい。
この日は週末のブランチに訪れました(冬)。
軽めのものから、しっかり食べられるものまでバランスよいメニュー。ベジタリアンやヴィーガンの選択肢もアリ。グルテンフリーはお店の人に尋ねると詳しく教えてくれました。
お肉大好きな夫は、ハンバーガー「Mount Grace beef burger 」を選択。
私はヴィーガンの「Roasted cauliflower (カリフラワーのロースト)」に。※かつグルテンフリー
ターメリック風味のカリフラワーとフムスに、クリスピーな食感のカーボロネロ◎ヘルシーで満足感あるひと皿でした♪ ラテのミルクも、もちろん植物性のオプションあり。
基本情報
Serpentine North Gallery「The Magazine」
公式サイト:https://www.serpentinegalleries.org/visit/food-drink/
所在地:W Carriage Dr, London W2 2AR
営業時間:火曜-日曜 9am-6pm、 月曜休
※この記事は訪れた当時の内容に2024年7月20日執筆時の情報を加えたものです。また、画像は訪問時に撮影したものを使用。
それでは、また!
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