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〈ロンドンと食〉初めてのロンドンご案内⑤4日目ファーマーズマーケットとグリニッジ天文台

前回の記事「初めてのロンドン旅ご案内④3日目はテムズ川さんぽ・アフタヌーンティー・観劇&観戦」につづき、初めてイギリスへやって来た義妹とティーンの甥っ子ふたりのロンドン8日間親子旅(パリ2日間含む)を「楽しい滞在にしてもらおう!」と案内した、ロンドン4日目の様子を紹介します。

なお〈ロンドンと食〉では、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、外出先での食事情についても触れているおでかけシリーズです。


ロンドン4日目、旅はもう6日目。この日のメインは、甥っ子くんリクエストでグリニッジ天文台を目指すことになりました。ロンドンに来てから「行ってみたい!」と興味が湧いたようで嬉しい♪

教科書を読んでもピンとこない本初子午線は、実物を見てまたいでみるべし。「体験」は何よりの学びよね!ってことで、出発。

シャーロック・ホームズ宅でお土産ハント

ロンドン南東部の町 Greenwich(グリニッジ)へ向かう前に、ちょっと寄り道。いつも通っている日曜のファーマーズマーケットを紹介したくて、最寄駅 Baker Street stationで下車しました。マーケット前さらに、シャーロック・ホームズ博物館「The Sherlock Holmes Museum」へも行ってみよう。

Baker Street station前
シャーロック・ホームズ像

探偵シャーロック・ホームズは、小説に登場する架空のキャラクターですが、物語の中で彼が暮らしていた「221B Baker Street(ベーカー街221B番)」が博物館になっているのです。※ただし正確なここの住所は237番と241番のあいだ

シャーロック・ホームズ博物館外観

あくまで架空の人物だというのに、建物の壁にはブルー・プラークと呼ばれる、著名人が住んだ家・歴史的な出来事があった場所などへ設置する銘板もあって、なかなかのリアリティ。

シャーロック・ホームズ博物館
ミュージアムショップ

展示を見学する時間はなかったので、ミュージアムショップのみ立ち寄りました。シャーロック・ホームズにまつわる様々なアイテムがあり、お土産ハントにも◎ 館内の見学には入場チケットが必要ですが(公式サイトから購入)ショップは無料で入れます。

物語の主要人物がラバーダックに

シャーロック・ホームズ仕様のラバーダックが可愛い。

基本情報

The Sherlock Holmes Museum
公式サイト:https://www.sherlock-holmes.co.uk/
所在地:221b Baker St, London NW1 6XE

ロンドナーが通うファーマーズ・マーケットへ

Marylebone Farmers' Market

日曜ルーティンのひとつ、Marylebone地区のファーマーズマーケットにやってきました。渡英当初からほぼ毎週訪れている市場。London Farmers'Marketsという団体により、ロンドン市内20箇所で開催されています。英国産の新鮮な旬食材に出会えるお気に入りスポット。
各開催場所と日時情報
https://www.lfm.org.uk/markets-home/

旅2日目に訪れた 「Borough Market(バラ・マーケット)」も市場ですが、大規模で世界の食材を取り扱います。観光目的で訪れる人もたくさん。英国産マーケットの方は、もっと小規模かつロンドンで暮らす人々の日常を感じられる場所です。スーパーでは見かけない食材があったり、屋台グルメもありますよ。

じゃがいも専門店

大好きなじゃがいも専門店は人気店。ラインナップは常時20種類ほど!これまで色々試してきましたが、すべて味も食感も異なるのです。どれも美味しくて迷うので、お店の人に何を作るか伝えて最適な種類をオススメしてもらう。表示価格は1kg分です。ハーフキロ(500g)で買うことも可能。

暖かい季節になったら、行列のできるトマト専門店や、美味しいベリー類を買えるお店もお気に入りです。

チーズ専門店

チーズ・牛乳・ヨーグルトなど、乳製品も充実しています。

旬の生花

マーケットの花は新鮮で長持ちしやすい。価格は有名なフラワーマーケットや街の花屋さんと比べるとお手頃です。

マーケットの屋台グルメ

朝どれ鮮魚店

新鮮な魚介類を取り扱うお店もあって、ここの牡蠣が人気です。1個から買えるし、その場で開いてもらうこともできちゃう。せっかくなので義妹親子にも体験してもらうことに♪ 1個目はレモンをぎゅっと絞って、2個目はタバスコでいただきたい。

新鮮な牡蠣をいただきます
フレンチ系お惣菜屋さん

前菜・メイン・デザートと、幅広いメニューを取扱うフレンチ系のお惣菜屋さんは、夫のお気に入り。前菜コーナーにはベジの選択肢もあります。このお店は自宅で再加熱するお料理が主流ですが、すぐに食べられる熱々フードも。

惣菜屋さんの屋台グルメ
アナトリア料理の屋台

アナトリア料理の屋台はいつも人だかり♪ 小麦粉で作った生地を薄くのばし、具材を包んで焼くお料理「GOZLEME(ギョズレメ)」が人気です。ひとつずつ丁寧に手作りされる様子は、ずっと見ていたくなる。サイドディッシュの Bulgur(ブルグル)のサラダ、多くの人が仕上げにリクエストしているザクロ・ソースも気になります。※ブルグルは乾燥挽き割り小麦の一種

ここにはグルテンフリーの選択肢はないけれど、ベジタリアンやヴィーガンのメニューはありますよ。

丁寧に手作りGOZLEME(ギョズレメ)

これらの他にも、ギリシャ料理やソーセージ&バーガーの屋台、パン屋さん(グルテンフリー・プラントベースの選択肢も)、スープ屋さんなどがあります。道端でつまんだり、近くにある公園のベンチで軽食したり、買ってすぐ味わう人も多い。

人気のコーヒー屋さん

買い出しが終わったら、コーヒー屋さんに立ち寄り公園でひと息つくのもルーティンの一環です。

美味しいコーヒーがいただけるのはもちろん、ここの自家製ラズベリーレモネードが好きでたまらない。特に夏期は冷蔵庫に常備したいほど。手作りブラウニーも人気で、甘いものは苦手な我が夫ですが好んで毎回買っております。※ラテは植物性ミルクの選択肢もアリ

マーケットの屋台グルメで軽食

公園へ移動して軽食タイム。初めて知る国の伝統的な料理を体験したり、初めての味と出会うことも、よき社会勉強のひとつだよね♪

マーケット後のコーヒータイム

基本情報

London Farmers'Markets
公式サイト:https://www.lfm.org.uk/
※この日訪れたのはMarylebone Farmers' Market

グリニッジ天文台で本初子午線をまたごう!

お腹を満たしてもらったあとは、この日のメイン「グリニッジ天文台」を目指します。

ロンドン中心部から天文台がある Greenwich(グリニッジ)への行き方は何通りかありまして、今回選んだのは対岸のエリアからテムズ川にある地下トンネル「Greenwich Foot Tunnel(グリニッジ・フット・トンネル)」を利用する方法。

テムズ川の地下トンネルを歩いて渡ろう

歩行者用トンネルである「グリニッジ・フット・トンネル」は、テムズ川の下を通る全長約370mの無料地下道です。まず向かう先は Greenwich Foot Tunnel North(グリニッジ歩行者トンネル北口)。

DLR鉄道のカナリー・ワーフ駅
Lewisham行きの電車

ロンドン中心部からの移動方法は、Elizabeth line(エリザベス線)で Canary Wharf station(カナリー・ワーフ駅)下車、DLR鉄道 Lewisham行きへ乗り換えて Island Gardens station(アイランド・ガーデンズ駅)から徒歩3分ほどです。

Island Gardensからの眺め
対岸にはグリニッジの町

Greenwich Foot Tunnel North(グリニッジ歩行者トンネル北口)
所在地:Thames Path (NE Extension), London E14 3UX

Greenwich Foot Tunnel North

地下道まで下る方法は、螺旋階段とエレベーターです。エレベーターは故障で使えない場合もあるので、事前に確認するとよいでしょう。※メンテナンスなどの情報はこちら(英語ページ)

デリバリーの配達員さんなど、自転車と共に利用している人も見かけます。⚠︎ルールを守らず歩道内で乗る人もいるので、気を付けて歩いてください!

グリニッジ・フット・トンネル内

グリニッジ側には Greenwich Foot Tunnel South(グリニッジ歩行者トンネル南口)があり、北口と同じカタチの建物に到着します。

Greenwich Foot Tunnel South(グリニッジ歩行者トンネル南口)
所在地:Greenwich Foot Tunnel, London SE10 9HT

世界遺産地区の中心に位置する建築
Old Royal Naval College

なお、由緒ある港町であるグリニッジは「Maritime Greenwich(海事都市グリニッジ)」として、ユネスコの世界遺産に登録されています。

いよいよ本初子午線のあるグリニッジ天文台へ

「Royal Observatory Greenwich(グリニッジ天文台)」は Greenwich Park(グリニッジ公園)内の丘の上にあります。入場券の購入は公式サイトまたは施設内の窓口にて。本初子午線の見学は天文台の入場料に含まれます。

本初子午線の表示

グリニッジ標準時(GMT)の本場、歴史的な本初子午線の上に立ってみる。グリニッジには何度か訪れていますが、ここはいつも撮影待ちの行列がある印象。しかしこの日は、日曜日にも関わらずとても空いていました。天候・気候の関係かな?

Prime Meridian(本初子午線)

天文台の敷地内からは素晴らしい眺めを堪能できます!(この日はお天気イマイチだったので、晴天時に撮影した画像を使用)グリニッジの歴史的な建造物と、対岸にあるモダンな高層ビル群とのコントラストも見応えアリ。

グリニッジ天文台からの眺め
(晴天の4月ごろ)

建物の頂上にある赤の球体は The Greenwich Time Ball(グリニッジ・タイム・ボール)。世界最古の公共時報のひとつであり、この天文台の見どころです。初めて使用されたのは1833年、現在も稼働中。テムズ川を行き交う船やロンドン市民に時刻を知らせ続けているのです。

その仕組みは、毎日午後12時55分になるとボールはマストの高さ半分まで上昇。12時58分ボールは頂上に達し、ボールの落下が午後13時の合図となります。

グリニッジ天文台外観

建物内部の見どころといえば、美しい天体観測室「オクタゴン・ルーム」ではないでしょうか。設計はクリストファー・レン(1676年完成)。他にも、グリニッジ標準時と関連する時計や観測に使われた望遠鏡、航海にまつわる品々も展示されています。

天体観測室オクタゴン・ルーム

〈基本情報〉
Royal Observatory Greenwich

公式サイト:https://www.rmg.co.uk/royal-observatory
所在地:Blackheath Ave, London SE10 8XJ

国立海洋博物館National Maritime Museum

食事の予約時間まで時間があるので 「National Maritime Museum(国立海洋博物館)」を見学してみる。なおこの博物館も、ユネスコの世界遺産に登録されている「Maritime Greenwich(海事都市グリニッジ)」を構成する一部です。入場は無料(特別展を除く)。

国立海洋博物館
エントランスとミュージアムショップ

館内には英国の海事史にまつわる品々が200万点以上所蔵されています。

船舶模型

「Sea Things 」をテーマとした展示室へ。世界中で使われている様々なタイプの船舶を見せる模型のコーナー。様々なデザインの船舶バッジは150以上展示してあります。

船舶バッジ

航海用具、潜水用具、家具、装身具、胸像、武器、天文機器など、様々なアイテムを見ることができる。

Sea Things gallery

博物館スタッフさんのイチ推しは「Nelson Navy Nation gallery」と伺ったので、入ってみなければ♪ このギャラリーでは、イギリスの軍人史上最も偉大な英雄とされる、ネルソン提督にまつわる興味深い品々を見ることができます。

Nelson Navy Nation gallery

またの機会に、もっとじっくり見学したいと感じた博物館です。

基本情報

National Maritime Museum
公式サイト:https://www.rmg.co.uk/national-maritime-museum
所在地:Romney Rd, London SE10 9NF

さて、そろそろ食事の時間。予約したパブへ向かいます。

実写映画『クルエラ』に登場する噴水

道中にある噴水は、実写映画『クルエラ』のロケ地なのです。作品の中ではリージェンツ・パークという設定ですが、実際に使われたのは The University of Greenwich(グリニッジ大学)の King William Court(キング・ウィリアム・コート)にあるもの。好きな映画なので、実物を見られるのはうれしい♪

日曜日はパブでイギリス伝統料理サンデー・ローストを食す

グリニッジのパブThe Old Brewery

ビール醸造所が営む英国パブ「The Old Brewery」にて少し遅めのランチ。

日曜日に提供されるイギリスの伝統的な食事であるSunday Roast(サンデー・ロースト)を、この旅行中ぜひ体験して欲しかったのです。お気に入りのパブはいくつかあるのだけど、急遽グリニッジ散策へ予定変更となったので、一緒に新規開拓することに。

ローストビーフ
ローストチキン

サンデーローストの構成は、ローストした肉、じゃがいも、野菜の付け合わせ、ヨークシャー・プディングにグレイビー・ソースというのが一般的です。

甥っ子くんと夫はビーフを、義妹はチキンをオーダー。ローストのメニューにはヴィーガン仕様もありましたが、グルテンフリーではなかったので、私はグルテンフリーで対応可能というシーザーサラダをいただくことにしました。思ったよりお野菜が少なくて……チーズ・お肉がっつりなので、グルテン入っていないけど食後のお腹が心配になる。笑

シーザーサラダ(クルトン抜き)
グルテンフリーの選択肢

注文時には、店員さんが分厚いファイルを取りに戻られ、丁寧に対応方法を確認してくださったことに感激。ロンドンの飲食店は、食材のリクエストなどに関し “快く丁寧な対応のお店が殆ど” というのがベースですが、ここまでしっかり相談できたのは初でした。

店員さんと食材について確認中

デザートも英国らしいものを!ということで「スティッキー・デーツ・プディング・塩キャラメル・アイスクリーム・バタースッコッチのソース(ベジタリアン)」と「りんごとイチジクのアーモンド・クランブルとバニラ・アイスクリーム(ヴィーガン)」をふたりへ選んでみました。

残念ながらこの日のデザートにはグルテンフリーの選択肢はなくて、私は食後のコーヒーで我慢。ラテ用に植物性ミルクのオプションあり。

スティッキーデーツプディング
りんごとイチジクのアーモンドクランブル

店舗情報

The Old Brewery
公式サイト:
https://www.oldbrewerygreenwich.com/
所在地:
The Pepys Building, The Old Royal Naval College, London SE10 9NN

公共交通機関を活用!テムズ川ナイト・クルーズ気分

パブを出るとすでに日暮れ後。ロンドン中心部までの帰り道は船を利用しよう♪

Greenwich Pier

Greenwich Pier はロンドン中心部行き、公共交通機関リバーバスの桟橋です。乗るのは Uber Boat by Thames Clippers。乗車券は、乗船前に桟橋の自動券売機にて購入、またはロンドンの交通系ICカード「オイスター・カード」や、非接触型カードでタッチ決済できます。また、オンラインで乗車券の購入、UberアプリやThames Clippers Ticketsアプリを利用するのも◎

Uber Boat by Thames Clippersへ乗船
Uber Boat by Thames Clippers船内の様子

前日お散歩をしたエリアを通りますが、船上から見る夜景は日中とは異なる魅力があるのです!Uber Boat は通勤・通学で利用する人も多い公共交通機関、日常的にこんな美しい景色を見られるなら、仕事の疲れもリフレッシュできるのでは!?なんて想像してみたり。

タワーブリッジの夜景
船は橋の下を通過します
巡洋艦ベルファスト記念艦
ロンドンアイ

ロンドンアイを過ぎると Westminster Pierに到着。この桟橋で船を降ります。目の前には金色に輝くBig Ben(ビッグ・ベン)!真下から美しくライトアップされた姿を眺めに行こう。

Westminster Pierで船を降りる

素敵な1日の締めくくりとなりました!この旅のあいだに、ぜひ一度は日中の姿も見てもらいたいな。

ビッグベンことエリザベスタワー
ライトアップされた夜の姿

なお、船でロンドン中心部からグリニッジへ向かうルートもあるので、日中のテムズ川クルーズを楽しむこともできますよ♪

基本情報

Greenwich Pier
公式サイト:https://www.thamesclippers.com/plan-your-journey/find-your-pier/greenwich-pier
所在地:Greenwich Pier, King William Walk, Greenwich, London, SE10 9HT

※この記事は2024年2月25日訪れた当時の情報です。

初めてのロンドン旅ご案内⑥へつづく
それでは、また!

日々の食事についてはこちら

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