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第8章 いよいよ出産!
第1話 トキメキのバースプラン
妊娠8ヶ月になると検診が月2回となる。今日は2回目の検診。バースプランを組む日である。
産休を取っていた美波が復帰していた。
「カトミナ、もう復帰したんだ。よろしくね」
「もう身体はバリバリだからね。早紀、私がいない間ちゃんとマタニティビクスさぼらないでしてた?」
「もうバッチリ。ぜったいあなたに取り上げてもらいたいから」
「嬉しい事言ってくれるじゃ
第7章 出産に向けて
第1話 もう一つの夢へ
「早紀、こないだ子供の頃に男の身体に人工子宮を作って、男が出産するなんていう小説を書いたっていう話をしたでしょ」と、翔は早紀に言った。
「うん。入れ替わろうって言った日だよね」
「今でもそういう話を書きたいと思う。いや、前よりももっと書きたい。だって本当に出産出来るんだから。この経験は小説を書くのに生かせるんじゃないかな」
「そうだね……でもちょっと奇想天外過ぎるんじゃ
第6章 命がけの出産
第1話 承諾可能性1000%の誘惑
「何だよ、そのもっと面白い願いって」
「まあ、そうあせらずに聞きなよ」
イブはあいかわらず笑みを浮かべている。
「ところであんた、女優の古橋エリの大ファンだったよね」
「なぜ君がそんな事知ってんの?」
「あったり前でしょ。なんてったってあたいは神様なんだからね」
「何でもありっての嘘じゃなかったっけ?」
「そうだけど、やっぱり神様だからね。すべ
第5章 子作りも大変
第1話 子供が欲しい……
「早紀、子供欲しいよね」
「そうだね」
しかし、翔と早紀はこれだけ仲が良いのに、まだ一度もセックスをした事がなかった。子供を作るにはセックスしなければならない。
「ちょっとためしてみよう」
翔の指が早紀の下半身に触れる。
甘美な刺激に、体が反応してしまう。
「あ…いや」
言葉では拒否するものの、体は素直だ。
「こんなに濡れてるのに?」
「ダメ…
第4章 クマノミとイソギンチャクの結婚
第1話 イソギンチャクの献身
翔と早紀が水族館に行った時の事。
「早紀、見てみて。クマノミとイソギンチャク。お互いに助け合って生きてるんだよね。なんか僕達みたいだと思わない?」
クマノミとは、オレンジ色ベースの身体に白い帯のあるかわいらしい魚だ。
良くテレビ等でイソギンチャクの中に隠れている映像が流されている。
このクマノミとイソギンチャクは、生きもの同士が「共生」の関係にある典
第3章 イクイク病発症す
第1話 ヰタ・セクスアリス 目覚めの時
いつ頃からだろうか。オーガズムのあの素晴らしい感覚に魅せられるようになったのは。
早紀は、まだ自分が絶頂を楽しんでいた頃の事をしみじみと思い出していた。
まるで、おしっこを限界まで我慢してから放出するような感じで始まり、その後体中に電流が走ってビクンビクンと震え、頭の中が真っ白になる。終ってからもうっとりして暫くは何も考えられず脱力し、余韻を楽し
第2章 最愛の人との出会い
第1話 セックスよりもオナニーが好き
翔はセックス出来ない身体となり、オナニーの見せっこでしか達する事が出来なくなってしまっていた。
でも、まさか好きになった女性にいきなり「君が一人でしてる所を見せて欲しい」なんて言えるはずもない。だから翔は好きな娘が出来ても、結局何もする事が出来ないのだ。たとえ自分の部屋で女性と二人きりになったとしても。
そんな中で出会った神谷江梨香という女性がいた
第1章 女に生まれたかった
第1話 そもそものきっかけ 翔は物心ついた頃から、人には言えないある願望があった。
それは「男ではなく、女の子に生まれたかった」という願望である。
幼い頃はすごく単純だった。翔は男友達と遊ぶよりも、女の子とおままごとをする方が楽しかったのだ。
でも、厳格な翔の父は、そんな翔に「もっと男同士で遊びなさい」と勧めてくる。
また、動物が好きなので、キティやミッフィーのぬいぐるみをたくさん
あらすじ・主要登場人物紹介
密かに女に生まれたかったという願望を持つ男、原口翔。
決して男が好きとか、女の服を着たりお化粧したいという事はない。また、女を愛せないという事もない。実際、深山早紀と大恋愛の末結婚する。
しかし、早紀は持続性性喚起症候群(persistent sexual arousal syndrome、PSAS、別名イクイク病)という不思議な不治の病に冒されていた。この病気は1日に100回以上もオー
北島 悠 プロフィール
幼い頃からずっと、自分は他の普通の人とは少し違うという、漠然とした違和感に悩み続けてきました。思春期に性に目覚めてからは更にその違和感は加速して、社会を恨んだ事もあります。
今はこの経験を生かして、主にセクシャルマイノリティの悲哀、特に恋愛についての問題提起をした作品を書いていこうと考えています。
私の場合は、いわゆるLGBTではおさまりきれない、もっとマイナーな性的少数者です。これにQIA