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【きさらぎ書店】大人のためのリスキリングフェア

きさらぎ書店、2回目の開店です。
今回は「大人のためのリスキリング」フェア

リスキリングの本当の意味は、

『新しいことを学んで、新しいスキルを身につけ実践して、そして新しい業務や職業に就くこと』

リスキリングとは リカレント教育との違いとメリット - 貧困や格差のない社会へ - NHK みんなでプラス

とのことなので、正しくは「大人のための学び直し」フェアなのでしょうけど、割とスキルアップとか学び直しの意味で使われている印象です。うちの上司も「リスキリングしろ」って言ってましたし。

ということで、仕事にはあまり役立たないけれど、教養にはなるかもしれない本たちを集めました。ほとんど初心者向けの入門本なので、とっつきやすいと思います。


【大人のための学び直しフェア】

【読書する人だけがたどり着ける場所 齋藤 孝】


【書籍紹介】

「ネットがあるのになぜ本を読むのか」。
そんな話もありますが、本当にそうでしょうか?
私たちは日々情報には触れていますが、そこで何が残っているのかというと、ただ無為に情報を消費しているだけ、のような状況もあります。

本を読むことでしか学べないことは、確実にあります。
文学・読書の大家である齋藤先生が、今の時代だからこそ勧める「読書する理由」と、「人生と知性に深みをつくる読書」の仕方を紹介します。

読書する人だけがたどり着ける場所 | SBクリエイティブ (sbcr.jp)

【ひとこと】

紹介にもあるように「なぜ本を読むのか?」「本を読むことでどんないいことがあるのか?」「本からどう学ぶべきなのか?」を言語化してくれる一冊。
本が好き、読書が好き。それを手放しで肯定してもらえることは少ないけれど、それでも読書家は素晴らしいものなのです。

オススメの本もたくさん紹介されているので、学び直したいけどどこから手をつければいいかわからない……という方にもオススメの一冊です。

【武士道の精神史 笠谷 和比古】

【書籍紹介】

侍としての勇猛な行動を規定した「武士道」。だが、徳川時代に内面的な倫理観へと変容し、一般庶民の生活まで広く影響を及ぼした。その豊かな実態の歴史に迫る。

筑摩書房 武士道の精神史 / 笠谷 和比古 著 (chikumashobo.co.jp)

【ひとこと】

「葉隠」より「武士道とは 死ぬ事と みつけたり」。
かっこいいですよね、武士の生き方。

……これ、死を肯定しているわけではなく、どこまでも生き抜くための武士の思想なんですね。どういうことかはこちらの本で学んでみて下さい。
1冊目に紹介した「読書する人だけがたどり着ける場所」で「五輪書」に興味を持ち、図書館で見つけたのがこの1冊。

五輪書にも触れられていたので手に取りましたが、様々な視点から「武士道思想」を学ぶことができてとてもよかったです。

意外と知らない武士の世界。その片鱗を覗いてみませんか?

ついでに。なるほど、岩波文庫だったから当時見つからなかったのね。
(岩波文庫って図書館だと専用の棚があったりしますよね)

【人工知能の核心 羽生善治】



【書籍紹介】

人間にしかできないことは何か

二〇一六年三月、人工知能の囲碁プログラム「アルファ碁」が世界ランクの棋士を破った。羽生善治は、その勝利の要因を、「人工知能が、人間と同じ“引き算”の思考を始めた」とする。もはや人間は人工知能に勝てないのか。しかし、そもそも勝たなくてはいけないのか─。NHKスペシャル『天使か悪魔か─』の取材をもとに、その先を描く。天才棋士が人工知能と真正面から向き合い、その核心に迫る、“人工知能本”の決定版。

NHK出版新書 511 人工知能の核心 | NHK出版 (nhk-book.co.jp)

【ひとこと】

今話題の棋士といえば「藤井颯太7冠」ですが、我々世代の棋士といえばやっぱりこの人「羽生善治」氏ですよね。

……すいません、棋士のことあまり知りません。
競馬で言うと「オグリキャップ」や「ディープインパクト」を知っている、くらいの浅知恵です、だから詳しい人どうか固めた拳を下ろして。

棋士はともかく、その羽生善治氏がAIについて書いた本がこちらです。
AI分野は日々凄まじいスピードで進化しているので、2017年に書かれたこちらの本では最新情報を得ることはできませんが、AIに対する考え方、捉え方、そして基本的な知識を得ることができます。

特に「美意識」「恐怖」についての考え方は興味深く、近年のAI絵師問題から考えるに「AIはあくまで技術であり、その善悪はそれを使う人間次第」という恐ろしさを7年前の時点で彼は予測していたのでしょう。

この頃はまだ「AIの書いた小説」は荒唐無稽で読めたものではありませんでしたが、こちらの記事によると2022年の時点でAIと作った小説が文学賞を取っているようです。

とはいえ、人間には美意識があります。
AIが全ての創作者を越え、その代替となることはない。
そんな希望をこの本は与えてくれるのです。


【死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅 山上やすお】

【書籍紹介】

相変わらずマガジンの貼り方がわからないのです。
もう何個か記事があるので、興味を持っていただいた方は「一緒に学ぼう 美術編」のマガジンをぜひ。

海外の有名美術館であこがれの名画を観る感動体験を味わえる本。ルーブル美術館の「モナ・リザ」やウフィツィ美術館の「ビーナスの誕生」など超有名な美術館・名画にまつわるエピソードを人気海外旅行添乗員の著者が面白く超解説!名画や写真を豊富に掲載。知識ゼロでも楽しめ、自然と美術を語れる人になれる本。

死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅 | 書籍 | ダイヤモンド社 (diamond.co.jp)

【ひとこと】

「美術なんてわかんねェよォォ~」「国立東京博物館に、葛飾北斎の絵を見に行きたいです」になる一冊。

ことの顛末はこちら。結局東海道五十三次は観れなかったけど、いい経験でした。

いい大人なら、芸術くらいかじっておきたい……という方に本当にオススメの1冊。値段の価値はあります!

【おわりに】

ということで(仕事の役には立たないけれど、知ると人生の充実度が高まる)大人の学び直しフェアでした。

読書したから無条件で頭がよくなるわけでも、武士の生き様を知ったから誇りを持って生きることができるわけでも、AIについて学んだからAIが使いこなせるようになるわけでも、芸術を語れたから評価が良くなるわけでもありません。

しかし―――

【読書】

読書はあなたの人生を彩り、これまで知らなかったことを教えてくれます。
本来なら出会い、話を聞くことなど出来ない「著者」と一対一で対話ができる機会を与えてくれると思えば、これほど価値のあることはありません。

【武士道】


武士の生き様は、現代の私たちに通じるものがあります。

「どう生きるのか?」

その問いに悩むときがあれば、遙か昔の彼らの生き方から、新たな道を探すのもよいでしょう。

【人工知能】

AIを恐れ、敵視するだけでは、加速していく時代において行かれるだけです。

「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」
AIはあくまで道具の一つでしかありません。

それをどう活用し、付き合っていくのか?
私たち一人一人が考えていかなければいけない時代がもうそこまで来ているのかもしれません。

【芸術】

芸術は娯楽の一つであり、知らなくても楽しめるものです。
ただなんとなく楽しむのと、わかって楽しむでは、終わった後の充実感に大きな差があるはずです。

と、そんな難しいことを考えず自分の感じたいように感じ、見たいようにみるのが芸術というもの。
この本に出会ったことで趣味が一つ増えたらいいな、くらいの気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。

以上で「大人の学び直しフェア」第一弾は終わりとなります。
次回「大人の学び直しフェア」第二弾でお会いしましょう。

第二弾は仕事やキャリアプランに役立つ本を紹介する予定です。


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