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#解離性障害
解離性障害における他者とは?——岡野憲一郎『解離性障害と他者性:別人格との出会いと対話』【はじめに・先行公開】
はじめに 私はこれまでに解離性障害について臨床的に関わり,またそれに関する著作をいくつか発表してきた。2007年には『解離性障害』,2011年には『続 解離性障害』,2015年には『解離新時代』(いずれも岩崎学術出版社より)を刊行した。それ以外にも解離に関して書いた論文は多数ある。時々人から「よく書くことがなくなりませんね」と言われるが,私にとっては書く材料は臨床に携わっている限りは決してなくなる
もっとみる解離性障害について⑤〜解離性同一性障害編〜
今日は五つ目ということで解離性同一性障害についてです。
まずは教科書的な説明を見てみましょう。
解離性同一性障害とは、複数の人格が同一人物の中に存在し、それらの人格が本人の行動を支配すること。多重人格。
次に、ぼくの場合についてです。
ぼくの場合は、メインで活動している人格が10人前後います。ここでいう活動とは、本人の行動を支配することの他に、頭の中で覚醒状態でいることも含めます。
人格の
解離性障害について④〜解離性遁走編〜
今日は四つめということで、解離性遁走のお話です。
まずは教科書的な説明を見てみましょう。
解離性遁走とは解離性健忘の一種であり、過去の記憶の一部またはすべてを失い、通常は家族や仕事を残して普段の居場所から姿を消してしまうこと。(「遁走」とは「脱走」や「逃避」を意味する。)
解離性遁走の持続時間は、数時間の場合もあれば、数カ月間、ときにはさらに長期間にわたる場合もある。遁走の期間が短いと、職場に
解離性障害について③〜解離性健忘編〜
今日は三つ目ということで解離性健忘についてです。
まずは教科書的な説明を見てみましょう。
解離性健忘とは、トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分は誰なのかや自分に起こった出来事などの自分にとって重要な情報が思い出せなくなる。
記憶の空白期間の長さは数分から数十年にも及ぶ場合がある。
では次にぼくの場合のお話です。
ぼくの場合は、あるエピソードが丸ごとなく半永久
解離性障害について②〜解離性昏迷編〜
今日は二つ目、解離性昏迷についてです。
まずは教科書的な説明を見てみましょう。
解離性昏迷とは、意識はあるにも関わらずに、受け答えなどには意味の通った返答を出来ずに朦朧としてしまう症状のこと。症状が進行していくと、やがては、会話や衝撃などの外部からの働きかけには一切応じられなくなり、起きながらにして昏睡状態・昏迷状態に陥ってしまう。
さて、これもぼくが実際どう感じているのかの説明を試みてみます
解離性障害について①〜離人感・現実消失感編〜
解離性障害って聞いた事ありますか?
多分無いって方が多いんじゃないかと思います。ぼくも高校時代に行った心療内科で医者から聞くまで知らない単語でした。
でも、多重人格という言葉なら聞いたことある方が多いかもしれませんね。実はこの症状も解離性障害の一種です。
今日はぼくの例を挙げつつ解離性障害についてお話したいと思います。
まず、解離という現象についてです。
言葉自体を知らなくても、これは体験したこ