岩崎学術出版社@公式note

こんにちは。東京は御茶ノ水にあります、精神分析・精神医学・臨床心理学・発達障害・虐待防…

岩崎学術出版社@公式note

こんにちは。東京は御茶ノ水にあります、精神分析・精神医学・臨床心理学・発達障害・虐待防止など「こころ」を扱う専門書出版・岩崎学術出版社と申します。何卒、よろしくお願いいたします。 http://www.iwasaki-ap.co.jp/

最近の記事

【「訳者あとがき」公開】『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』

訳者あとがき  不安や心配は、誰もが感じることがある一般的な感情だと思います。しかし、それが過剰になり、問題になると生活の質は低下し、今まで自由にできていたことが制限されていきます。不安や心配に悩む生活が続いていく中で、自分が持っていたアスピレーション(夢や希望)を忘れてしまうこともあるかもしれません。  この本は、従来の認知行動療法(CBT)に基づく介入に加え、その従来の認知行動療法を修正した「リカバリーを目指す認知療法(CT-R)」の考え方や介入法が取り入れられた、セル

    • 【「監訳者まえがき」公開】『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』

      監訳者まえがき 本書は、自分でも気づいていないこころの力に目を向け、不安や心配に向き合いながら、こころの問題に適切に取り組んでいけるように手助けするワークブックです。  不安や心配に悩まされている人はたくさんいます。そのためでしょう。抗不安薬と呼ばれる不安を和らげる精神安定剤が開発されたとき、「これで人間が不安から解放される」と喜んだ人がいたそうです。しかし、それに対して、「いやいや、そんなことにはならない」と諭した精神医学の大家がいたと言います。40 年以上前、まだ私が精

      • 【書籍ご購入者向けダウンロードサービス】『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』ワークシート

         こちらは、2024 年7 月刊行『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』(岩崎学術出版社)に収録されているワークシートの、ダウンロードサービスのページです。ご自身または個々のクライエントのために、ご活用ください。※ご利用は本書のご購入者に限ります。  下記のボタンから、本書のワークシート全点が入ったPDFをダウンロードできます。PDF冒頭の目次ページから、ハイパーリンクでご希望のワークシートのページへと移動が可能です。プリンターで記入しやすい大きさにプリントアウト

        • 【寄稿】『職場でのカウンセリング』企業内人事担当の「医師の診断書」のとらえ方|亀野 圭介

          これまで、管理者から人事部への相談として、「部下がメンタル不調を訴えて相談してきたときにどうすればいいのか?」、「突然、人事部から産業医、法務部、産業保健スタッフと連携しましょうと言われたが、実際にどう連携すればいいのか?」、「各関係者がどういう観点から参加しているかもよくわからない」、「部下から診断書をもらったがどう対応したら良いのか?」などの疑問や不安を幾度となく耳にしてきました。それらの声に応えるべく、『職場でのカウンセリング』で私が担当した本書第5章では、企業の管理者

        【「訳者あとがき」公開】『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』

          【ニュース】花丘ちぐさ先生オンライン研修会のご案内

           5月18日(土曜日)の9:00~12:00に、小社『レジリエンスを育む』『わが国におけるポリヴェーガル理論の臨床応用』でおなじみの花丘ちぐさ先生が、オンライン研修会に登壇されます。  下山晴彦先生主宰の「臨床心理iNEXT」が定期的に行っているオンライン研修会の中で、「注目新刊本『編者』オンライン研修会」として『わが国におけるポリヴェーガル理論の臨床応用』編者の花丘先生が招かれる形です。  詳細は上記のリンクをご参照ください。花丘先生と下山先生の対談記事も掲載されており

          【ニュース】花丘ちぐさ先生オンライン研修会のご案内

          【寄稿】他の人の働いている様子が覗き見できる本|小林 陵

           単著を出版するというのは、もう何冊も出されている先生方にとっては慣れたことかもしれませんが、そうではない私のような身に取ってみれば、日常生活が大騒ぎです。両親が神棚に飾ろうとか言ったり、嫁いでいる姉からは五冊買ったよと連絡が来たり(姉はそうでもしないと誰も買わないと思ったのかも)。新聞に書評を載せていただいたときには、待ちきれない親父が早朝からコンビニに新聞を買いに行って、こんな時間じゃ朝刊なんて来てませんよと断られたり。小林家が大騒動なのです。私は私で同業者だけでなく、心

          【寄稿】他の人の働いている様子が覗き見できる本|小林 陵

          【好評御礼特別公開/「第一章」チラ見】『医療現場で働くやとわれ心理士のお仕事入門』|小林 陵

          第一章 心理検査を取ったり、心理療法もしたり病院の朝は早い  総合病院には病棟もあるので、病院自体は二四時間ずっと誰かが働いています。でも、真夜中に心理検査をやったり、早朝にデイケアをやったりはしないので、多くの場合、心理士の仕事は日中になります。もっとも病院によって夜勤のお手伝いをしている心理士さんもいらっしゃるのですが。私の病院は八時に正面玄関の自動ドアが開かれます。どういうわけか八時前になると、その正面玄関の入口付近に行列ができるんです。最初に見たときにはまるでパチン

          【好評御礼特別公開/「第一章」チラ見】『医療現場で働くやとわれ心理士のお仕事入門』|小林 陵

          【座談会】「良い職場とは」~『職場でのカウンセリング』執筆者座談会

          財津康司(以下、財津) 本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。本の題名にある「職場でのカウンセリング」は、職場改善に寄与するものであって欲しいと思っています。そこで「この本に書かれていることは、実際の職場改善にどのように寄与できるのか」という観点から、執筆者に現状の職場の問題点や改善策等についてお聞きしたいと思います。その内容をヒントに、心理職の先生方が社員とのカウンセリングを工夫していただけたらと思います。  そこでまず、弁護士の五十嵐先生に質問させてくだ

          【座談会】「良い職場とは」~『職場でのカウンセリング』執筆者座談会

          【寄稿】『職場でのカウンセリング~心理職のための手引き』の著者の1人である弁護士が職場のメンタルヘルスについて考えてみた話|五十嵐沙織

           本書の編者である財津先生のnoteでも言及されていましたが、私も、本書を、社員のメンタルヘルス対策を担うスタートアップの経営者等に是非とも読んでいただきたいと思っています。 メンタルヘルス対策の重要性とは  私は、これまで、複数のスタートアップにて、企業内弁護士や監査役として、会社のメンタルヘルスへの対応を見てきました。  その経験上、メンタルヘルスの問題は人事や労務等の各部署に任せられ、コーポレート部門を統括する長や管掌役員等においては、メンタルヘルス問題への意識や取

          【寄稿】『職場でのカウンセリング~心理職のための手引き』の著者の1人である弁護士が職場のメンタルヘルスについて考えてみた話|五十嵐沙織

          【寄稿】『職場でのカウンセリング〜心理職のための手引き』出版に寄せて|財津康司

           出版前に幾人かの知り合いに献本したところ「心理職とはなんですか?」と質問された。心理の資格には臨床心理士や公認心理師以外にも産業カウンセラーや認定心理士など様々な資格が存在する。また、心理業務に携わっているものの心理の資格をもっていない職種もある(保健師、看護師など)。つまり、本書における心理職とは、資格の有無を問わず、心理業務をある程度専門的に担っている方々を意味しているのである。  それでは実際の職場において心理業務を担っている方々とは具体的に誰を指すのか。まず上司(管

          【寄稿】『職場でのカウンセリング〜心理職のための手引き』出版に寄せて|財津康司

          落穂ひろい|神田橋條治

          神田橋條治先生の「心身養生」シリーズ最新作『心身養生,もっと工夫を』が好評です。これをもってシリーズはひとまず完結となりましたが,著者の連想は泉のように湧き続けます。note読者に特別に紹介してまいります。  「心身養生のコツ」シリーズは、「もっと工夫を」で完了しました。折々に目次を眺めて下さると、ご自分の「いま」の状況に適した養生法に出会われましょう。  加齢のせいで、発想の質も量も貧しくなったので、シリーズを終了しましたが。残り火のような発想は湧出しますので、noteに

          落穂ひろい|神田橋條治

          【寄稿】三上謙一|アタッチメント=「愛着障害」?――「愛着障害」概念をめぐる混乱についての一考察

          アタッチメント=「愛着障害」?――「愛着障害」概念をめぐる混乱についての一考察「愛着障害」概念の流行  最近、日本では発達障害に続いて「愛着障害」という概念が専門家のみならず一般の人たちの間にも流行していますが、その概念的理解は混乱していることが指摘されています(平島・2017;村上・2021)。  一般に「愛着障害」 という言葉が知られるようになったきっかけは、精神科医である岡田尊司氏の著書『愛着障害――子ども時代を引きずる人々』(光文社、2011)によるものでしょう

          【寄稿】三上謙一|アタッチメント=「愛着障害」?――「愛着障害」概念をめぐる混乱についての一考察

          【「はじめに」公開/本文チラ見】『心理職は検査中に何を考えているのか?』|浜内彩乃・星野修一

          はじめに 心理職として働くにあたって、「心理検査に精通していること」が求められることは少なくありません。  心理検査に精通するために、まず実施マニュアルを参考にして、検査用紙や検査道具を使って、自分で実施してみたり、同業者同士でロールプレイを行って練習し、実施方法を定着させます。さらに、実施マニュアルやさまざまな書籍を読んで、スコアリングや解釈について理解を深め、それでも不安な場合には、研修会にも参加するでしょう。 「やれる限りのことをやった!」 と、いざ心理検査を実施

          【「はじめに」公開/本文チラ見】『心理職は検査中に何を考えているのか?』|浜内彩乃・星野修一

          【寄稿】人を診るか疾患を診るか。妥協するか迎合するか。|池田健

           最初に自己紹介。筆者は一介の臨床医である。一応専門は精神科医(心療内科医)である。  ただし諸事情により、現時点で診ている患者さんの年齢ギャップは常時、100才以上(例:最少年齢の方が7才。最高齢の方、110才など)になっている。  諸事情というのは、後述する小阪先生との出会いにより身体科の治療の必要性を痛感し、臨床内科専門医、腹部救急認定医、糖尿病療養指導医などを取得した。  結果として、主たる勤務先の病院では年中胸腹部のCT画像等を睨みながら、ヒューマリンのコントロール

          【寄稿】人を診るか疾患を診るか。妥協するか迎合するか。|池田健

          【「本書について」公開】花丘ちぐさ|『わが国におけるポリヴェーガル理論の臨床応用』

          本書について ポージェス博士によって1994年に提唱されたポリヴェーガル理論は、海外からトラウマ学の講師を招いてのトレーニングなどを通して、徐々に日本も紹介され知られるようになっていった。ポージェス博士の著書、『The Pocket Guide to the Polyvagal Theory』(Norton Publisher)の和訳が、2018年に『ポリヴェーガル理論入門――心に変革を起こす「安全」と「絆」』(春秋社・花丘ちぐさ訳)として出版され、2023年現在第10刷まで

          【「本書について」公開】花丘ちぐさ|『わが国におけるポリヴェーガル理論の臨床応用』

          【エッセイ】池田暁史|修行と「自己-愛」

          修行と「自己–愛」  鮨が好きだ。   私が子どもの頃でもなお宴会のメイン料理といったら鯉のうま煮(輪切りにした鯉を酒、醤油、砂糖で煮た郷土料理で、身は硬くてそれほど美味しいものではないが、甘辛く味のしみた卵や内臓には特有の滋味がある)が出てくるような、海から隔絶された内陸部の盆地で育った私にとって、もとより鮨は身近な食べ物ではなかった。  そんな私が江戸前の鮨の豊饒さに目を見開かされたのは、時代でいえば2000年代半ば、齢でいえば30代前半のことだった。当時、引っ越したば

          【エッセイ】池田暁史|修行と「自己-愛」