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笹塚 心琴
2019年6月9日 18:00
この世界には二通りの人間がいる星を産む者と星を食む者だ 欄干のない橋のような人生をそれでも懸命に歩き続けた君の震える背中を遊び半分で押した白々しい者たちへ僕が贈るべきものとは何なのか夜空に星が飾られる夜にはいつも考えていたんだ (死に場所を探すために彷徨う)なんてどこでくたばっても地球の上だろ僕はあらゆる手段でそう伝えたけれどそれは君が生きる言い訳にはならなかった
ムラサキ
2018年11月20日 07:03
夢の中で仕事をしていて上手にできないのが切なくて目が覚めた早く目を瞑り再び仕事にとりかからねば可及的速やかに朝はもう其処まで来ている夜を徹して職工たちは今も慌ただしく労働しているだがしかし無策に寝ても詮方ない革新的な作業工程を考えなけりゃあ斯うして起きた意味がない其う 意味がないぬばたまの未明の閨に胡座をかいて僕は仕事の要領を考えたううむふむむと考えるだがしか
2018年9月27日 13:38
漢詩の勉強です冬夜書を讀む <菅山茶>雪は山堂を擁して 樹影深し檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈閑かに乱帙(らんちつ)を収めて 疑義を思う一穂(いっすいの)の青燈(せいとう) 萬古(ばんこ)の心(こころ)【語句解説】檐鈴(えんれい)…檐は訓読みで「のき」。軒のこと。鈴は風鈴。軒下に吊られた風鈴を呼ぶ。夜沈沈…春宵値千金にも出てくるフレーズ。ちんちんと読んでいるけれど、しんし
2018年9月27日 13:40
漢詩の勉強です胡隠君を尋ぬ 高啓渡水、復た渡水看花、還た看花春風 江上の路不覚に到る君の家【語句の解説】胡隠君…隠君は隠者のこと。胡は名字。隠者の胡さん。俗世から離れた田舎に隠れて住んでいる。渡水…通常、水を渡ると書き下す。看花…通常、花を看ると書き下す。江上の路…川辺の道。不覚に至る…知らぬ間に着いてしまった。【大意】春風に吹かれながら悠々と散歩する間に
2018年9月27日 13:42
漢詩の勉強です去る者は日に以て疎し 無名氏去る者は日に以て疎く来る者は日に以て親しむ郭門を出でて直ぐ視れば但だ丘と墳とを見るばかり古墓は犁(す)かれて田と為り松柏は摧(くだ)かれて薪と 為る白楊(はくよう) に悲風(ひふう)多からん蕭蕭(しょうしょう)として人を愁殺(しゅうさつ)す故の里閭(りりょ)に還らんと思い帰らんと欲するも 道 因る無し【語句解説】疎し…薄ら
2018年9月21日 18:34
思考より言葉のほうがよほど賢しく、意味だけとなった残骸は容易く人間を支配する。 本能よりも哲学的なものは、まだこの世界に存在を確認されていない。 パラレルパラソルp??「世界の解剖法」より (生まれ変わりの有無、その可否については未確認、天国に問い合わせ中です) ──急停車します、ご注意下さい。ところで、この世界に絶対はないのかな。 少なくとも、言葉には意味はない。
2017年6月27日 17:57
ペン先を舐めながらサディスティックな作家が言うにはお前が傷つくのは筋違いだ、と切り捨ててくれれば良いのだ恋にもなれなかった何かは最早この季節を持て余しているなおもその作家は言う暑さに融解する詩心には必ず裁断を請求する機能が備わっている、と濡れたペン先が震えている緋色の原稿用紙が真夏の都会に燃えている燃えている越えるには覚悟が必要だ照りつける嫉妬を睨み返せ誰が
2017年6月29日 19:22
彼は優しい物語の読みすぎで思考が見事に崩壊したらしい目の前に転がる現実との乖離にごめんなさい。とだけ呟いて 私がようやく彼を訪ねると白い部屋に紫陽花が飾られていたので「梅雨ですものね」と言うと「ごめんなさい」。 ランチの時間になったので持ってきたサンドイッチを差し出し「トマトはお好きでしたよね」と言うと「ごめんなさい」。 それからボードレールの読み聞かせをしても
2017年6月29日 20:07
夕闇の中で一面の彼岸花畑に火をつけた画家の供述記録より 「赤が足りなかった。圧倒的に赤が足りなかった。彼岸花の分際で、中には白いものさえあった。/太陽が赤いなんていつ誰が決めた?どう見ても赤くないじゃないか。天気予報の表示に騙されてるな。/問題は彼岸花畑だ。それを構成すべき一本一本だ。奴らには赤が足りない。もっときちんと正しく赤ければあり合わせの絵の具で事足りた
2017年6月13日 18:20
白い紫陽花を見つけたので可哀想だと思ってもぎました咲いていても甲斐がないとそう教えられたものですから 私の赤で良ければあげますが傘の意味がわからなくてさして、みました 白い紫陽花はまだ咲いていました雨雲を嗤うように真綿のように気高く図々しくありました憎むならこれだと確信しました 私の青で良ければ差し出しますがvictimの意味を辞書で引いて堕ちて、みました
Inez
2017年1月25日 18:14
ボタンをおすと目の前のせんぷうきがくるくるまわって上司へ風を送った上司はまだまだ足りなかったようで「中」のボタンを押した目の前のせんぷうきがくるくるくるまわって上司へ風を送った上司はまだまだまだ足りなかったようで「強」のボタンを押した目の前のせんぷうきがくるくるくるくるまわって上司へ風を送ったしかしせんぷうきもあんまり回り続けたから疲れてしまったようで「強」
shindesuyo53
2017年2月2日 19:01
剽窃 剽窃したい人はそこに居て、夏のセロリをしっぽから齧っている。水は生温いが金魚鉢の赤い魚たちは夢を追わずきょうも元気だ。猫は背を丸めしっぽりと寝ている。猫を抱きしめる主体は私だが、猫は私に抱きしめられたとは思っていない。そのように、あなたは私の透けた静脈をみつめる。セロリをほとんど食べ尽くして。 剽窃したい人はそこに居て、その時間に