Inez

久しぶりに再開。十分。

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十分詩 「やゆよ」

やゆがやゆ やゆにやゆ やゆはやゆ やゆのやゆ やゆはやゆよ やゆのやゆよ やゆよがやゆ やゆよにやゆ やゆがやゆ やゆにやゆ やゆがやゆ やゆにやゆ やゆよやゆよ やゆがやゆ やゆにやゆ やゆがやゆ やゆのやゆ

    • 20分詩 蟻

      雨の日の昼ごろ 白壁歩く大蟻が 地震でぼとっと落っこちた ここは大きな公園 草っ原 カフェの白壁 草っ原 雨で子も親もいない 人がいない 土は湿り、雑草は蒼みを増す 雨に濡れぬ場所を探し ぬかるんだ土を這う大蟻 木陰を見つけ休憩するも どうしてもその木を見てしまう 風速13m 草木のざわめき 本能で どうしてもやりたくて 蟻はある木の幹を這い歩いた 理由もなく歩いた 整備された道を清掃員が慌てながら走る 苦しさも辛さも虚しさも哀れさも 全てを感じないその身で

      • 十分詩 白百合

        布製のペンケースを手に入れて ずっと使い続けていると 色がくすんでベタついてくるから 結局他のに買い替えていた そういえば 今朝ははらはらと小雨が降っていて 少し涼しかったような気がする そういえば 午後になってカラッと晴れてきて 少しいい気分になった気がする そういえば 次のペンケースは普通に革製か あるいはプラスチックにしようと思っていた それなのに これまたいい感じの布製のやつを見つけて しまったって思いつつも買ってしまった 遮光せよ 地上より来たる白百合の花

        • 十分詩 三月

          地毛が金色で、もとからカールしてるんです 色素が薄くて、少しの日焼けが辛いんです 目が弱くて、強い光には耐えられないんです 湿り気にうち負けて ベッドの上をだらだら転がる 白いシーツに 一本の髪のけ 開かれた窓から一匹のちょうちょ ちょうちょのはこぶものはなに? #詩 #ひとこと #現代詩

        十分詩 「やゆよ」

          十分詩 黒雲

          夜が明けると一斉に 工場からの黒煙が家に入る 毎日のように咳き込んで 毎日のように幻覚を見る ダダットゥララ トゥララ トゥーラーラ ダダットゥララ トゥララ トゥーラーラ おひさまさんさんおひるの公園 かだんのまえに おんなのこ その子はひとり うたいながら ダダットゥララ トゥララ トゥーラーラ 青のワンピースを着た その子 三角のヘアピンで留めた 小さなおだんご ゆらしながら ダダットゥララ トゥララ トゥーラーラ そのよこを通る ひとりのおとな うたをきい

          十分詩 黒雲

          EXPOSURE

          三月の雨というものは 静謐 すべての歓び 空深くの水平線 三月の雨を浴びて つらつらつらつら眠る 湿った落陽を浴びて ゆらゆらゆらゆら揺れる 夜の深淵は 存在し得ぬ 夜の浅瀬というものは すべて 夜である 霞む月影を背に 三月の雨を浴びて 麻布のような夜の浅瀬を 際限ないその浅瀬を 砂のように這っていく the hiatus passed by me and the sky chuckled to itself いつか砂のようなわたしの前を

          EXPOSURE

          十分詩 ただの詩

          曇り空と 一粒の雨つぶ ただ言うだけで ひとつの詩になる たいしたことないと 謳うものこそ 詩になっている たいしたことあると 謳うものも それは詩になる そこでわたしは この一面の曇り空と そこから降るしづかな雨の 窓についた一粒を ただの詩とする 蛍光灯が均等に照らす 窓の多くの雨粒の ひとつを悲しみにもって詩にする #詩 #ひとこと #現代詩 忙しくてあんまり更新できてませんでした。 exposureは……もうちょっとあとで笑

          十分詩 ただの詩

          十分詩 春の社日

          春の社日にひとり 子どもがあぜ道を歩く お隣さんに残り物のおすそ分けへ おてんとさまの光を受けながら 青空を横切るとんびは こどもと同じ方角へ行く あの山の方へ、北西へ あぜ道の両脇の田んぼから いつものかえるの合唱がする おてんとさまの光を浴びて 少しうるさいくらいに そこかしこからの草木の匂い あたりはまだひんやりとしていて 上着を着ないと肌寒い ふと見つけた、食べられている残り物 #詩 #ひとこと #現代詩

          十分詩 春の社日

          十分詩 対流圏

          対流圏の絶頂で かなとこ雲が広がっている それを見ている人びと となりのぶち猫、わたし あの雲の上になら いつか乗れそうなのに。 いったいどれだけ寒いのだろう いつたいどれだけ苦しいのだろう それでもいつか雲に乗って 自由なふりで舞ってみたい からんと晴れた冬空に 数枝の紅梅がほころぶ また朝へ行く #詩 #ひとこと #現代詩

          十分詩 対流圏

          二十分詩 槍

          投げ槍が宙を飛び交う 幾多もの放物線は空を分断する 気づけばそれらの放物線は集合し 一本の大きな弧を描いている 描いている 長野の片田舎に住んでいるとき 卵とか牛乳とかが無くなると 車で20分くらいのスーパーへ行っていた 周りは田ばかりで、 少し目線を上げると四方が山に囲まれていた スーパーにつくと 買えるものは買って手間を無くそうとした 300Lの冷蔵庫だったのに つい買い過ぎるとパンパンになった 冬になると雪が積もりに積もるから ずっと雪かきをしていた 正直面倒く

          二十分詩 槍

          十分詩 無情

          灰いろの 雲のすきまの 中の飛行機の ごう音の 苦しさに耳を塞ぎ微かに呻く人がいる #詩 #ひとこと #現代詩

          十分詩 無情

          短歌 2

          嬉しくて ほんとにほんと 嬉しくて こらえきれない この嬉しさよ(笑) ヒロシレスさんが十分詩を書いてくださったことが嬉しくて嬉しくて短歌に挑戦してみようとしたのはいいものの、 結局うまく思いつかなくて笑

          短歌 2

          十分詩 post exposure3

          わたしはただ麻布を編み 朱華の順光を受ける 編み目から漏れる光は わたしの目を潰す 朝の淵に行きたくて 流れに身を任せていても 結局浅瀬なのには変わりなくて ただただ光だけ眩しかった 三月の雨を浴びたくて つらつら眠ろうとしても 結局雨なんて降りやしなかったし そもそも眠れなかった こんなにたくさんいらないと思っても こんなにたくさんつくばかりだった こんなにたくさんいらない それでもわたしは 麻のような夜の浅瀬を這い 朝の淵へとゆらゆら流れる 三月の雨を浴びて つら

          十分詩 post exposure3

          十分詩 やるせない

          むらぐもを抜けて一人になると だんたん心臓が締めつけられてきて どこか焦りとか苦しさとか やりきれない辛さが顔を出す このやるせなさを訴えたくても どうにかして伝えたくても、伝えたくても でも、伝わらない 分かってくれない この重みを、苦しさを、辛さを いろんなひとも、同じような状況に なったことはあるんだろう、でも わたしのはそれらとは違う 明らかにぼんやりした確信がある すべてを壊して夜になってしまいたい そう思うときもある、 でも …… どうにかしてこの気持ちを

          十分詩 やるせない

          十分詩 exposure4

          麻のような夜の瀬を 砂のように這うひとは 霞んだ月影をかすかに受けとめ 三月の雨の静けさを知る いつしか、瀬を這うひとの前を 朝と夜のすきまが通り過ぎる つめたい空がくすくすと笑うと 三月の雨と湿った落陽が 世界をあたたかく包む わたしは三月の雨を浴びて つらつらつらつら眠る #詩 #ひとこと #現代詩 時間があったらexposureのすべてをまとめて一つの詩にしたい。忘れると思うけど。

          十分詩 exposure4

          十分詩 exposure3

          朝の淵に吸いこまれて ゆらゆらゆらゆら流れていると たまに差す順光が 淵を浅瀬に変えてしまって 息苦しくなるときがある そんなときは もっともっと深いところへ ゆっくりゆっくり潜っていく そうしないと生きられない #詩 #ひとこと #現代詩

          十分詩 exposure3