20分詩 蟻

雨の日の昼ごろ
白壁歩く大蟻が
地震でぼとっと落っこちた

ここは大きな公園
草っ原
カフェの白壁
草っ原
雨で子も親もいない
人がいない

土は湿り、雑草は蒼みを増す

雨に濡れぬ場所を探し
ぬかるんだ土を這う大蟻
木陰を見つけ休憩するも
どうしてもその木を見てしまう

風速13m
草木のざわめき

本能で
どうしてもやりたくて
蟻はある木の幹を這い歩いた
理由もなく歩いた

整備された道を清掃員が慌てながら走る

苦しさも辛さも虚しさも哀れさも
全てを感じないその身で
そのまま歩いた
歩き続けた
木の幹を這い
天頂へと

風速21m
草木のざわめき
50mL/hの雨

そして


#詩 #ひとこと #現代詩



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