雨の日の昼ごろ
白壁歩く大蟻が
地震でぼとっと落っこちた
ここは大きな公園
草っ原
カフェの白壁
草っ原
雨で子も親もいない
人がいない
土は湿り、雑草は蒼みを増す
雨に濡れぬ場所を探し
ぬかるんだ土を這う大蟻
木陰を見つけ休憩するも
どうしてもその木を見てしまう
風速13m
草木のざわめき
本能で
どうしてもやりたくて
蟻はある木の幹を這い歩いた
理由もなく歩いた
整備された道を清掃員が慌てながら走る
苦しさも辛さも虚しさも哀れさも
全てを感じないその身で
そのまま歩いた
歩き続けた
木の幹を這い
天頂へと
風速21m
草木のざわめき
50mL/hの雨
そして
#詩 #ひとこと #現代詩