十分詩 黒雲

夜が明けると一斉に
工場からの黒煙が家に入る
毎日のように咳き込んで
毎日のように幻覚を見る

ダダットゥララ
トゥララ
トゥーラーラ
ダダットゥララ
トゥララ
トゥーラーラ

おひさまさんさんおひるの公園
かだんのまえに おんなのこ
その子はひとり うたいながら

ダダットゥララ
トゥララ
トゥーラーラ

青のワンピースを着た その子
三角のヘアピンで留めた
小さなおだんご ゆらしながら

ダダットゥララ
トゥララ
トゥーラーラ

そのよこを通る ひとりのおとな
うたをきいて 何を思うか
ただかだんのまえを とおりながら

ダダットゥララ
トゥララ
トゥーラーラ

紺のスーツを着たそのおとな
さんさんおひさまうけながら
うたう 青いふくのおんなのこ
それと金色のヘアピン

ダダットゥララ
トゥーラーラ
トゥララ
ダダットゥララ
トゥーラーラ
トゥララ

地球のどこかで ぼうえんきょうをのぞくひとは
いくつの星を見るだろう
そしてそのあと なにを思うか
だれもわからぬ だれもそう分からぬ
だから

トゥラララ
トゥララ
トゥララララ
ジャッジャーン

ダダダンッ

#詩 #ひとこと #現代詩




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