十分詩 春の社日

春の社日にひとり
子どもがあぜ道を歩く
お隣さんに残り物のおすそ分けへ
おてんとさまの光を受けながら

青空を横切るとんびは
こどもと同じ方角へ行く
あの山の方へ、北西へ

あぜ道の両脇の田んぼから
いつものかえるの合唱がする
おてんとさまの光を浴びて
少しうるさいくらいに

そこかしこからの草木の匂い

あたりはまだひんやりとしていて
上着を着ないと肌寒い

ふと見つけた、食べられている残り物

#詩 #ひとこと #現代詩



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