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刺青を入れた理由

 19歳の時。もうすぐ貴重な10代が終わるという時に、何も楽しい過去がない事に気付いた。
 変わりたかった。
 クソ陰キャで、人とまともに話せない、元不登校児。鬱屈とした人生のまま、幕を閉じるのが目に見えた。
 情けない。こんなつまらない人生で終わりなのが嫌だった。
 理不尽で不公平な世の中を恨み続けても、何も変わらない。自分が変わるしかなかった。
 行動に起こして、人生を楽しみたい。その一心。
 そんな時、Zombie Boyっていうモデルさんを見つけた。全身骸骨の、美しい刺青の人。

 元々、髑髏の格好良さには見蕩れることがあったので、体に入れるにはこれがいいと思った。でも、当時は神社で働いていて信心深かったので、まずは神様を彫ってもらいたかった。
 左腕に歓喜天を入れた。次に、鎖骨からへその上にかけて、兜を被った髑髏を彫ってもらった。
 画像はこの記事で見れるよ。

 ストリートファッションで身を包み、刺青を入れ、恋愛術もネットで漁って、対人関係の築き方を本で読んだ。
 形から入って心に至る。
 その努力で、理想の女性と結婚して、最愛の息子を授かった。
 脱オタに成功した。もうクソ陰キャとは呼ばせない。
 「刺青を入れると後悔するよ」
 そういった発言が話題に上がる事もあるけど、筆者はそう思わない。むしろ、刺青を入れて良かったと思ってる。
 自分は、刺青のおかげで丸まった背筋を伸ばし、胸を張って生きられるようになった。
 引きニートから生まれ変わったんよ。


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