見出し画像

「皆さんご存じの」みたいな言い方するな

 私は食事中にテレビを見る人間です。ワイドショーやニュース番組を視聴するのが好きで、特に独自取材の報道が面白くて好きです。どうせ明日には忘れているような内容なんですが、飯を食いながら楽しむ分にはちょうどいいんです。
 そうやってテレビを見ていると、日本語の話者に違和感を覚える時があります。
 それが今回扱う、"「皆さんご存じの」みたいな言い方"です。
 例えば、アイドルグループが「今、大人気の!」みたいな紹介をされ方をします。
 「いや知らねえよ」
 そう思いながら聞いています。
 さらに言うと、芸能人が亡くなると「〇〇として親しまれた」と言ったりします。全く親しんでいないのに。
 加えて、「〇〇と言えば××ですが~」という表現にも、同様の違和感・不快感を覚えます。何故かというと、「皆さんご存じの」感が含まれているからだと思うんです。
 そこに違和感・不快感を感じるのは、聴者に配慮されていないからではないでしょうか?
 ある種の苛立ちを感じていると言えます。
 聴者の中には、もちろん話者の発言に共感できる者もいるかもしれませんが、共感できない人もいるでしょう。そういった人への配慮が足りないから、気に入らないのかもしれません。
 恐らく、話者にとっては当然の事として使っているのでしょう。その周囲にいる人間は知っている内容だから。
 ここで、とある現象を紹介します。それが、『エコーチャンバー』です。

自分の意見や思想が肯定されることで、それらが正解であるかのごとく勘違いする、又は価値観の似た者同士で交流・共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅する現象

ウィキペディアの執筆者,2023,「エコーチェンバー現象」『ウィキペディア日本語版』,(2023年11月15日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E7%8F%BE%E8%B1%A1&oldid=97417218)

 話者にとっては当然の事でも、それは自身が居る界隈にとっての話だけで、他界隈への配慮が不足していると、日本語の使い方として変になるんですね。
 そういう表現を極力控えるように、意識していかねばならないと思いました。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?