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ドイツ一人旅_ありがたいのだが_15_07【海外旅行】

前の話  プロローグ  15日目01

1999年冬 15日目 フランクフルト

食卓には白米と野菜炒めが用意されていた。

早速夕飯を頂くことにした。白米を箸でつまむと嫌な予感がした。ベトベトしていて非常に水っぽいのだ。一口食べてみると案の定、嫌な予感が的中した。まるでお粥のようだった。次に野菜炒めを頂いた。こちらも妙な味がする。八角などの中華系のスパイスがふんだんに使われているようだった。

Gさんには非常に申し訳ないのだが、これ以上食べるのは厳しかった…

「どうですか?久しぶりのご飯は美味しいでしょう?」
「は、はい。美味しいです…。ただ、さっきフランクフルトで大きいソーセージを食べてしまったので実はお腹いっぱいなんです…」

「そうでしたか。喜ぶと思って準備したんですが、残念ですね…」
「ごめんなさい。でもとっても美味しいですよ」

僕はそれから何度か箸を付けて食べたがどうしてもそれ以上はノドを通らなかった。Gさんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

食事を終えると初日に泊まった部屋に戻り、用意してくれたベットに横たわった。

明日は日本に帰国する日だ。


次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)

0日目 きっかけと準備(日本)
1日目 初めての海外(フランクフルト)
2日目 初めての散策(カッセル)
3日目 初めてのビール(ケルン)
4日目 初めてのサッカー(ドルトムント)
5日目 長い長い一日(ベルリン)
6日目 ドナウの旅人(パッサウ)
7日目 ドナウの風景(レーゲンスブルク)
8日目 スタジアムでの出会い(ミュンヘン)
9日目 白亜の城での出会い(フュッセン)
10日目 酔っ払いとの出会い(ハイデルベルク)
11日目 最後のサッカー(シュトゥットガルト)
12日目 ドナウの泉(ドナウエッシンゲン)
13日目 銀河鉄道(インターラーケン)
14日目 山頂での出会い(ユングフラウヨッホ)

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