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ドイツ一人旅_お別れ_16_01【海外旅行】
1999年冬 16日目 マールブルク
Gさんの幼い娘さんの声で目が覚めた。
Gさんの家族はもう起きているようだった。僕が起きたことに娘さんが気づいたようで近くに寄ってきた。最終日にしてようやく懐いてくれたみたいだ。
しかし中国語で話しかけてくるので何を言っているのかさっぱり理解できない。それでも一方的に話しかけてきた。僕は愛想笑いで返すしかなかったが話しかけられて嬉しかった。
ベットを折り畳み、朝食をご馳走になると、出発する時間がきた。
日本の研究室のみんなに渡してほしいと大量のお土産を預かった。都合3泊もお世話になったのだ。それくらいお安いご用だった。
Gさんと一緒に家を出て駅に向かうバスに乗った。いよいよお別れのときだ。
Gさんには本当にお世話になりっぱなしだった。Gさんがいなければドイツを旅行することはなかったかもしれない。
出発前はメールでやりとりし、初日と最終日に宿泊する予定が初日で不安になり2日目も宿泊させて頂いたり、僕が宿泊するために折り畳みのベットをレンタルして頂いたり。
初めてフランクフルト空港に到着したとき、Gさんがターミナルを間違えてなかなか迎えに現れず絶望的になったのは、たった2週間前のできごとなのに2ヵ月以上も前のできごとのように思えた。
バスはGさんが降りるバス停に近づいていた。
「それでは、お元気で」
「Gさんも、お元気で」
お互いにお別れの言葉を交わすとGさんはバスを降りた。バスが見えなくなるまでお互い手を振りあった。
次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)
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