kim*sayo

旅もの・人物インタビューものを中心としたフリーランスライター・編集者。穏やかだけれどち…

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旅もの・人物インタビューものを中心としたフリーランスライター・編集者。穏やかだけれどちょっとヘンクツ、酒好き・山好き・骨董好きの夫との二人暮らし。最近はモノ書きだけでなく、写真撮影も精力的にやっています。

最近の記事

日本の真ん中で桜と富士山を撮る

季節の先取りこそ、日本の伝統美。 着物や器の絵柄といい、食材といい、和の文化は旬を大切にしてこそ美しい。 私にとって、そんなことを特に考えさせられるのが桜の季節です。 まだかまだかと期待の高まるなかで美しく花開き、 艶やかに春を染め上げたと思ったら、あっという間に散っていく桜。 東北や北海道ではまだこれから楽しめる場所もあるようですが、 早くも青空にはためく鯉のぼりを見かけ、 今年の桜は終わってしまったなぁとしみじみ思いながら、 桜餅と柏餅はどちらかに決めきれず、しっかり両

    • 特別展『杉本博司 本歌取り 東下り』で、悠久の時間を体感するタイムトラベルを。

      このところ、我が夫の背中よりも野鳥のお尻を追っかけることに熱中していたら、あっという間に時が経ち、前回の更新から約1年半。 先日(といっても、それすらすでに半年前!)、 久々に会ったHさんから心配そうに「旦那さん、お元気ですか?」と問われ、 なぜかと思ったら、「最近、noteが更新されていないようなので。。。」とのこと。 気にかけてくださったHさんの温かいお人柄に感銘を受けるとともに、ひと昔前とは異なり、SNSが情報の要となった時代の変化にもあらためて気付かされました。

      • 【まったり骨董日記_vol.35】我が家の“啓蟄”〜春の目白コレクション

        二十四節気の一つである「啓蟄(けいちつ)」。 春になり、冬ごもりをしていた虫たちがむくむく這い出してくる頃ということで、今年は3月5日だったそう。 けれどもその頃は、まだまだスギ花粉飛散の真っ只中。 花粉症のひどい我が家の虫(=我が夫)は、まだまだ冬眠ならぬ春眠の真っ只中。 毎年、桜が散るまでは、私がなんと言おうとも必要最低限の外出しかいたしません。 今年はそれが少し長引いて、先週末にようやくモゾモゾ這い出してきました。 夫を泰平の眠りから目覚めさせたのは、他でもない、春の

        • 【まったり骨董日記_vol.34】現代アートの中の古美術

          我が夫は、ひどい花粉症。 「今月の行動目標を決めました」と言うので、ナニナニ?と聞いたところ 1)よく寝る 2)毎日、ウン○をする 3)なるべく外に出ない の3つでした。 そんな<ようちえんのおやくそく>みたいなルールに則って日々をやり過ごしている夫ですが、この時期に唯一、どうしても行きたい!となるイベントがあります。 それが先週末に、東京国際フォーラムで開催されていた「アートフェア東京2022」。国内外からのギャラリーが一堂に会する日本最大級のアートの祭典です。 私たち

        日本の真ん中で桜と富士山を撮る

        • 特別展『杉本博司 本歌取り 東下り』で、悠久の時間を体感するタイムトラベルを。

        • 【まったり骨董日記_vol.35】我が家の“啓蟄”〜春の目白コレクション

        • 【まったり骨董日記_vol.34】現代アートの中の古美術

          【まったり骨董日記_vol.33】『民藝の100年』〜古くて新しい美の思想に触れてきた

          先月末、東京国立近代美術館の特別展『柳宗悦没後60周年記念 民藝の100年』へ。 開催期間が長かったので(2021年10月26日〜2022年2月13日)、もう、そうんなに混んでいないのでは?と甘く見積もっていたらとんでもない! 平日にもかかわらず、かなりの盛況ぶりでした。「まん防」発動の直前ということもあったかもしれませんが、さすがは「民藝」。その人気は健在です。 私たちのお目当ては主に、柳宗悦や浅川伯教らがコレクションした李朝陶磁器でしたが、『民藝の100年』と銘打つだけ

          【まったり骨董日記_vol.33】『民藝の100年』〜古くて新しい美の思想に触れてきた

          【まったり骨董日記_vol.32】ヒトを惑わす、李朝の「白」

          先日は、我が夫が懇意にしてもらっている京橋の古美術店さんへ。 年末に伺うつもりが慌ただしさに日を逃し、新年に入ってのご挨拶となりました。 昨年末にちょうど改装を終えたばかりという、こちらの店舗。 もとからモダンで素敵なお店でしたが、室内にあった仕切り壁が取り払われ、さらに開放感あふれる空間に生まれ変わっていました。 また、店頭のショーウィンドウは障子を思わせる格子窓となり、玄関の上には、アンティークのステンドグラスがはまった明かりとりの小窓も。 和洋を取り合わせながらも、

          【まったり骨董日記_vol.32】ヒトを惑わす、李朝の「白」

          【まったり骨董日記_vol.31】トーハク新春展示・めでタイガー!で、ほのぼの初笑い

          遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 昨年末、めずらしく我が夫が仕事に追われていたため、なにやら落ち着かない気分が私にも乗り移り、あんまり実感もなく迎えてしまった今年のお正月。 気分新たにスタートしようと、先日、東京国立博物館(通称:トーハク)の新春展示へ足を運びました。夫は仕事のため、今回は私ひとりです。 お目当は、新春恒例の国宝「松林図屏風」(長谷川等伯筆)公開と、干支にちなんだ特集「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー!」。 毎年、お

          【まったり骨董日記_vol.31】トーハク新春展示・めでタイガー!で、ほのぼの初笑い

          【まったり骨董日記_vol.30】若冲も絵筆の誤り??「松に鶴」の間違いとは

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 近頃ずっと野鳥撮影にハマっており、日頃も8割がた鳥のことを考えている私。骨董日記なんて書いてるヒマないわ〜なんて、あっさり放棄しようかと思いましたが、よくよく考えてみれば、骨董・古美術にも鳥をモチーフにしたものが数多くありました。 骨董・古美術の鳥モチーフとして、

          【まったり骨董日記_vol.30】若冲も絵筆の誤り??「松に鶴」の間違いとは

          【まったり骨董日記_vol.29】猫に小判、豚に真珠、我が夫には骨董品?

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** ここしばらく、我が夫が日本酒をまったく飲みません。 暑い夏の時期にはよくあることですが、新酒が続々と店頭に並ぶ冬に、こんな状態になったのははじめてのことです。 「おお、まさか健康状態になにか問題が?」と心配するまでもなく、我が家のクローゼットを着々と占領しはじめて

          【まったり骨董日記_vol.29】猫に小判、豚に真珠、我が夫には骨董品?

          【まったり骨董日記_vol.28】城崎にて。志賀直哉ゆかりの旅館へ

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** あっという間に今年も12月。そろそろ温泉が恋しい季節ですね。 我が家にとって温泉の定番といえば登山後の立ち寄り湯くらいですが、私が常々「いつかは行ってみたい!」と思っていた温泉地のひとつが、城崎温泉。 今年10月、緊急事態宣言明け直後に訪れることができたのは、本当に

          【まったり骨董日記_vol.28】城崎にて。志賀直哉ゆかりの旅館へ

          【まったり骨董日記_vol.27】ボロボロの茶筌、その後。

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 骨董にかぎらず、“古いモノ愛”が止まらない我が夫。 しつこく使っていたボロボロの茶筌(ちゃせん)を「はやく替えようよ」と、ことあるごとに言い続けてはや半年、我が家でようやく新たな茶筌がおろされることになりました。 しかし、ここまでの道のりは長かった。。。 「これは

          【まったり骨董日記_vol.27】ボロボロの茶筌、その後。

          【まったり骨董日記_vol.26】秋の「茶碗がえ」

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 我が夫のモーニングルーティンといえば、朝食後に抹茶を点てること。 これは夫が10年来続けている習慣で、もともとは朝コーヒー派だった私も、今ではすっかり「朝抹茶」に慣れてしまいました。 「我が家では毎朝、抹茶を点てるのが習慣です」などと夫が言うと、表向きの物腰のやわ

          【まったり骨董日記_vol.26】秋の「茶碗がえ」

          【まったり骨董日記_vol.25】鬼門の「目白コレクション」へ

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 先週末は二人して、「目白コレクション」へ出かけてきました。 この「目白コレクション」、通称メジコレは、とても人気の高い骨董・古美術のイベントで、開催初日は開場前から行列ができるほど。コレクターはもちろん、同業者の人たちまでもが掘り出しモノを求めて押しかけるのだとか。

          【まったり骨董日記_vol.25】鬼門の「目白コレクション」へ

          【まったり骨董日記_vol.24】兵庫県豊岡市・柳行李の工房へ

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 先日、兵庫県豊岡市を訪れ、日本唯一の柳行李(ヤナギゴウリ)伝統工芸士・寺内卓己さんの工房「たくみ工芸」を見学・撮影させていただきました。 長年、寺内卓己さんを撮影しつづけている写真家・山口規子さんによる写真撮影ツアーでのことです。 柳行李とは、コリヤナギという植物

          【まったり骨董日記_vol.24】兵庫県豊岡市・柳行李の工房へ

          【まったり骨董日記_vol.23】プロの眼力〜ほんの小さな違いを感じとる力

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** 紅葉シーズンももうすぐ本番。 そろそろ旅行に出かける機会も増えてきそうですね。写真が趣味の私にとっては、「旅=写真を撮りに行くもの」ですが、我が夫にとって写真は二の次、三の次。 「富士山を撮りに行きたい」だの「紅葉を撮りに行きたい」だのと私が言うと、「きれいですごい

          【まったり骨董日記_vol.23】プロの眼力〜ほんの小さな違いを感じとる力

          【まったり骨董日記_vol.22】菜摘みのカゴとひょうたんと

          *** 骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。 独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。 *** ようやく緊急事態宣言が明けた先週末は、台風一過の小春日和。 晴れた日にはとにかく写真を撮りたい私と、とにかく歩くか走るかしていたい夫は、家から少し離れた横浜の「舞岡公園」へ。 ここは木々生い茂る森や池があるかと思えば、明るく開けた丘や水田もある変化に富んだ谷戸。港

          【まったり骨董日記_vol.22】菜摘みのカゴとひょうたんと