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【まったり骨董日記_vol.22】菜摘みのカゴとひょうたんと

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骨董好きの我が夫、気は穏やかだけれど少々偏屈。
独自のルールとスタイルで営まれるその暮らしは、ときどきちょっとヘンテコです。お役に立つ情報はありませんが、くすっと笑ってもらえるような話をひとつ。
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ようやく緊急事態宣言が明けた先週末は、台風一過の小春日和。
晴れた日にはとにかく写真を撮りたい私と、とにかく歩くか走るかしていたい夫は、家から少し離れた横浜の「舞岡公園」へ。

ここは木々生い茂る森や池があるかと思えば、明るく開けた丘や水田もある変化に富んだ谷戸。港町ヨコハマのイメージとはちょっと違う自然豊かな里山風景が見られ、野鳥や昆虫、草花の撮影・観察スポットとしても人気です。

最寄駅の舞岡駅から公園へ向かう道路脇にも、ずっと田畑が広がっていて実にのどか。舞岡公園の手前にある「舞岡ふれあいの森」も静けさあふれる場所で、緑いっぱいのなかをゆっくり散策できます。
一日中、あちこち歩き回って写真を撮ったり、のんびりお昼寝したり。
帰りがけには、通りすがりに言葉を交わした農家のおじさんから「こんなの、興味ある?」とひょうたんの実までいただいて、ほっこり心和やかになりました。

初秋の季語になっているひょうたん。
種子が多いゆえに子孫繁栄だったり、中に入れておいたタネは必ず発芽すると言われることから幸運や成功の象徴だったり。3つで三拍子揃う、6つで無病息災などと、古来、縁起モノとされ、骨董・古美術品にもよくそのモチーフが使われていますよね。

おじさんは「庭先にいっぱいなるんだけど、(使い道がないから)奥さんに邪魔ものにされちゃうんだよ」なんて言っていましたが、陽光よりもネオンサインの輝きが似合うカワサキ・サウスサイドに暮らす私たちにとっては、希少なる自然の恵み。
もう、これ以上の贅沢品はありません。
というわけで、家に帰ってからありがたく竹製の菜摘みカゴに飾りました。

深い飴色にそまったこの竹製の菜摘みカゴは「目白コレクション」(※)で私がゲットしたもの。サイズはタテヨコ20cm足らずと小ぶりです。
お店の方によると、時代はおそらく明治の頃か、それほど古いものではないらしいですが、この小さめサイズは実用的ではないこともあり、あまり見ないモノだとのこと。
たぶん、子供のお遊びやお手伝い用に作られて使われていたものではないか、という話でした。

↓日頃はこんな風に使ったりできます↓

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ひょうたんをカゴに飾るといっても、センスがないのでただ入れただけなんですが、このカゴの由来を聞いていたおかげで、おかっぱ頭の小さな女のコがたくさんなっていたひょうたんをもいでカゴに入れ、にこにこスキップしながらおウチに持って帰る姿が目に浮かぶよう。。。

モノ自体の美しさを味わうだけでなく、こんな風にココロを遊ばせて楽しめるのが、骨董・古美術の魅力でもあります。

遠い昔にこの菜摘みカゴを使っていたはずの子供と私、そして笑顔の素敵だった農家のおじさん。実は、まったく見ず知らずの者同士が時空を超えてここで出会っているんですよね。
ああ、そんな幻想の物語まで映し出すような写真が撮れたらいいのに。。。

などと、あれこれ夢想にふけっていたら、我が夫がカゴの中のひょうたんを指して、「もうこれ、いい?写真はちゃんと撮った?」と聞いてきました。
「なんで?」と返すと、「これでひょうたんの徳利を作ってみる!」とのこと。
どうやら、私がノスタルジックな想いにひたっている間に「ひょうたん 徳利の作り方」をしっかりググっていたらしい。。。

やっぱり、すべての発想がお酒に通じている我が夫。
同じ時間と空間を共有していても、見ている世界はそれぞれに少々違っていたようです。

(※)目白コレクション
全国各地から旬の骨董・古美術店が集う展示即売会。お手頃なカワイイものもたくさん出るので、毎回、大人気です。
今年、2021年秋は10/23(土)・24(日)に開催されるそう。行きたいけれど、行ったら何か買っちゃいそうで怖い。。。
>詳細はココをクリック

<おまけ・今週の写真>
先日、ふとしたきっかけでカワセミ撮影にトライしたことから、野鳥撮影がマイブーム。といっても腕も機材も全然伴っておらず、まだまだ練習中の身です。そんな私でも舞岡公園をふらふらしていたら、ちょっとだけ、それっぽい写真を撮ることができました。さすがは舞岡公園、野鳥撮影のメッカだけのことはあります♪

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↑ふわふわキュートなエナガ

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↑むっくり丸々としたシジュウカラ

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