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音楽家の一日~難病と共存しながら~


音楽家としての業務

この記事でご紹介するのは、レッスン(外回り)がある日のスケジュールです。私は講師だけでは生活できませんので、どのようなスケジュールで仕事をしているか、まずはご紹介します(^^♪

平日午前中はPC作業

こちらの記事でもチラッと紹介しましたが、午前中はPC作業をメインに時間配分をしています。

  • 9:00頃から仕事開始~メール等のチェック

  • 以下いずれかの仕事を締め切り順にやっていく

    • 採譜:耳コピした曲を楽譜にする作業

    • 宅録:バイオリン単独のメロディを録音

    • DTMで音源編集:宅録したもの&Mixの依頼があったものを編集

    • デザイン:コンサートのプログラム、ポスター等を作成

    • 教材作成:レッスンで使用する教材(ワークシート)作成

平日のレッスンは早くて15:00スタートですので、基本的に午前中はとにかくPC系業務をこなしています。
たまに案件の締め切りが重なって「ヒィ~」となっていますが、何とかやりくりできるようになりました。

レッスン準備

前日までに教材や前回レッスンの復習を終えていますが、最終チェックをしてから出発します。私のレッスンは出張型ですので、遅刻をしないようかなり早めに家をでます。

レッスン

私が教えているのは

  1. バイオリン

  2. ピアノ

  3. ソルフェージュ(リトミック・聴音・楽典・和声学)

以上3種のレッスンです。
生徒さんの中には、バイオリンとソルフェージュの組み合わせレッスンをしている子もいますので、生徒によって所要時間はかなり変わってきます。

早くて15:00スタートですが、ほとんどが17:00以降のスタート。
終わりは19:00頃が多いです。
これが土日となると、一日フル稼働=何軒もハシゴになります。

出張型のデメリットは私の移動時間と身体的負荷がかかるということですが、メリットはお子さんが外出する必要がないため、親御さんの送り迎えがありません。この点はかなり親御さんから「ありがたい」と言われています。また、小さなお子さんであれば、レッスン中に家事をこなせたり、子どもから離れる時間(たまには必要です)ができる、といった声も頂戴しており、核家族のなかでの子育ての大変さを感じています。

帰り道の途中で必ず記録をつける時間をとる

生徒とのやりとりは、すぐ記録します。
これはこちらにも取り上げいますが、「約束を守る」ためです。

レッスンの中で気になったこと、指導した内容はもちろんのこと

  • 次回レッスンまでに運動会がある→次回感想を聞く

  • 部活動で足を怪我している→次回経過を聞く

  • やりたい曲の希望があった→次回までに教材を用意

など、詳細に(但し走り書き)記します。
人はすぐ忘れます。
でも、お願いした方は覚えていることが多いですよね。

生徒との信頼関係はレッスン中だけでなく、こうしたコミュニケーションからも構築していきます。特に世間話はレッスン開始前にすると、生徒の緊張がほぐれ、柔らかい雰囲気でレッスンをすることができます。
音楽家になりたいというのであれば、厳しいレッスンも必要ですが、基本的には「音楽は楽しい」という部分しか教えていません(^^♪

スタバかタリーズがお気に入り★

帰ったらヘトヘトですが、元気パワーは生徒たちから貰っていますww
準備と記録は、やり始めたころは本当に大変でした。
私は特に、指定教材もなく、生徒個人で使用する教材や指導法も変えています。オーダーメイドレッスンなので、大手教室さんより手間はかかっていると思いますし、私の要領が悪く、時間に追われることもしばしば(-_-;)

ですが、生徒たちの成長や、能動的な学びの姿勢を見ているだけで、私はすべてが報われていますし、むしろ幸せを貰っているな~と感じます。

オーダーメイドレッスンで作成したワークシートは、軽く50枚を超えています。このシートを体系づけて出版するぞ!!!

音楽家である前に、ひとりの大人として生活

在宅ワークをしながら、気分転換に家事をしている

PC作業は体が固まってしまうので、掃除機をかけたり、トイレ掃除をしたり、排水口を徹底的に除菌したり(笑)、体を動かす家事を合間にしています。

掃除はスッキリするので大好き


私は自閉傾向がありますので、過集中を避けるためポモドーロタイマーをセッティング→休憩タイムで家事をするようにしています。
でないと、お手洗いやご飯を食べることを忘れてしまうからです(-"-)

仕事→家事→仕事を1サイクルとし、その後は流石に体を休めます。
後述しますが、指定難病を抱えているため、無理ができない体です。

音楽高校生の時から晩御飯を作っていた

我が家は母子家庭で、母は病気を患っていたため、高校生の時から自然と私が晩御飯を作っていました。
それまでは母が無理して作っていたようで、その様子に私が気づいてからは進んでご飯を作るようになりました。幼児のときから、料理は好きだったのでむしろ楽しかったのですが、高校の友人たちからは驚かれていました。

「手(指)を怪我したら大変じゃん」

ごもっともなのですが、我が家の方針は「音楽家である前に一人の人間として生活できないとダメ」だったので、「音楽をしているから」というのは、家事をしない免罪符にはなり得ませんでした。

就職後も兄たちより私の帰りが早ければ、買い物をして帰ってご飯を作っていました。おかげさまで、結婚後も難なく家事をこなせています。
我が家の方針に感謝!!

音楽家でも周囲の力を借りれば、家事はできる!

私も繁忙期は家事なんてやってられない!!となることはあります。
そんな時は、夫と相談して宅食を頼んだり、多少の床の埃は目を瞑ったり、「これをしないと死んでしまう!」というものを優先しています。

  • 睡眠

  • 食事

  • 息抜き

家事はこの次です。
この3つを削っても、体が悪くなり、パフォーマンスも落ちる、そんな自分が嫌になるという負の連鎖が起こるだけです。

このことに気づいたのは、指定難病だとわかってからです(-_-)

指定難病と共存していく

私は国の指定難病患者でもあります。かなりの希少疾患で、治療法は見つかっていませんし、原因もわかっていません。
毎月大学病院で全身管理をしていただいています。

起床時にある程度その日の体調がわかる

私の病気は膠原病に分類されますので、症状のひとつに関節の痛みがあります。朝起きた瞬間、体の痛みがどの程度なのかわかるとその日の体調も決定します。夜になるにつれて、体調が回復することはあまりありません。

調子が良いと、すごく嬉しくて顔がニヤけます

諦めるのではなくできることを探していく

指定難病と共存を始めて3年余り。
最初の1年は症状と副作用に振り回され、感情の起伏も激しかったです。
2年目になると、四季で体調の違いがあることに気づきます。
3年目は「体調変化の癖」が分かったうえで、できることを探しました。

病気や障害を持っているからといって、人生を諦める必要はありません

ただ、できること・できないことを知ることは病気を知り、自分を知ることにも繋がります。実験と検証の繰り返しです。

大体のスケジュールは週単位で決めていますが、体調にはあまり逆らわず臨機応変に仕事内容をカスタムしていきます。
ただ、レッスンだけは這ってでも行くと決めていますので、レッスンに体力の照準を合わせています。

4年目に突入した病気との共存生活。
やっと自分らしく生きていくstyleを見つけられた気がします。
このことは後日別記事で書きたいな~と(今)思いましたwww

たまには天体観測したいな~

音楽で生きていくには万全の体調で♫

結局、病気も受け入れて共存をするほかないんですよね(;^_^A
病気を知らずに、無理をすれば倒れるだけですし、逆にやりたいことができなくなるような体になるかもしれません。

対処療法しかない病気ですが、幸い効果はあり、比較的落ち着いています。
体調が落ち着いていれば、自分が望む音楽の道を歩むことができます。

病気が分かる前までは、それこそ倒れるまで働いていました。
やりがいからではなく、自己犠牲に近い形でした。

病気がわかったことで「自己犠牲で無理をしている場合じゃない」と気づかされました。やりたいことをやるには、そんな暇なんてないと。

病気の治療法が見つかってくれることを祈りつつ、自分でコントロールできることにのみフォーカスして、人生楽しみたい!
そんな毎日を送っています。

風変わりな音楽家ですが、多様性の時代ですから、ワクワクするような生き方をこれからもしていきたいな、と思っています。

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