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源氏物語、万葉集などの古典文学にあこがれています。物理学を数学的に理解することにもあこ…

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源氏物語、万葉集などの古典文学にあこがれています。物理学を数学的に理解することにもあこがれています。歩みは遅くてもマイペースで。介護のお仕事をしています。家族は、つれあい。娘二人はそれぞれ三歳の女の子、一歳の男の子の母親に。広島県在住。

記事一覧

伊勢物語を原文で読む(二)

男は、失恋して、京を去り、東へあてもなくさすらってゆく。道々、京には珍しい風物を見るにつけ、女を思い出し、歌を詠い涙する。 だけど、だめだなあ、東京あたりまで来…

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21時間前
1

夜明け前、オリオン座が昇ってる

4時半、起床。 東の空にはオリオン座やおおいぬ座が昇ってきていたり冬の星座だ。 天頂には木星と火星が光っている。 スマホで写真を撮ってみた。 普通にパチリの撮っ…

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22時間前

『冷泉家 800年の「守る力」』冷泉喜実子著(新潮新書)を読む

親しみやすい文章で、冷泉家が身近に感じられた。冷泉家は、和歌の家元。 「和の文化」の基本は歌にあり。私とあなたはいっしょです、という精神。 そう言われると、和歌…

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1日前
1

伊勢物語を原文でちょっと読んでみた

秋の虫が窓の外でしきりと鳴いています。ふと、伊勢物語を読みたくなって、本棚から小学館の日本古典文学全集8巻『竹取物語・伊勢物語・大和物語・平中物語』を取り出しま…

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1日前
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『源氏物語ものがたり』島内景ニ著 新潮新書

本書に紹介されている紫式部と源氏物語研究者を並べてみた。 紫式部 1000年頃 藤原定家 1162〜1241 四辻善成 1326〜1402 一条兼良 1402〜81 宗祗   1421〜1502 三条…

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1日前

挑戦『源氏物語』原文読み

2年前になりますが、源氏物語を原文で読むことに挑戦しました。使ったのは新潮日本古典集成。原文の横に赤字で現代語訳が付されいるので、便利でした。毎日、朝5時から2時…

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1日前
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神島〜万葉集「挽歌」の詠まれた地

 万葉集巻第十三に、備後(きびのみちのしり)の国の神島(かみしま)の浜にして、調使首(つきのおみのおびと)、屍(しかばね)を見て作る歌があります。長歌と反歌、合…

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3日前
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「百人一首─ 編纂がひらく小宇宙 」 田渕句美子 岩波新書 新赤版 2006

初学者にもわかりやすい。論理の筋道が明解で、名探偵の推理を聞いているようだ。 百人一首の歌の新解釈も紹介されていて非常に興味深く読んだ。とくに「末の松山」の解釈…

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5日前

「藤原定家 『明月記』の世界 」 村井康彦 岩波新書 新赤版 1851

著者がこの本を90歳にして世に出されたたことに感服する。各所の写真も著者の撮影とあり、そのフットワークも驚くべき軽さ。膨大な情報量の『明月記』を読み込んで、定家の…

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5日前

「本を千年つたえる 冷泉家蔵書の文化史 」 藤本孝一 朝日選書

冷泉家蔵書の調査研究に直接携わり、その全体像を解明した中心的な研究者による解説。The 冷泉家蔵書!。これ以上の解説書はない。守り伝える心に感動した。 日本の宝、冷…

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5日前

『和歌の黄昏、短歌の夜明け』 島内景ニ 花鳥社 

著者は、NHK古典購読というラジオ番組で、『源氏物語』の名場面を、『湖月抄』をもとに読み解く、というテーマで現在解説されている。 なぜ、いま『湖月抄』なのか? 著者…

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5日前
伊勢物語を原文で読む(二)

伊勢物語を原文で読む(二)

男は、失恋して、京を去り、東へあてもなくさすらってゆく。道々、京には珍しい風物を見るにつけ、女を思い出し、歌を詠い涙する。

だけど、だめだなあ、東京あたりまで来ると、女好きの癖がででくるんだなあ。

しかも、東の女性に上から目線。失恋して、ヨレヨレになって放浪し、旅先でオンナをもて遊ぶ。愚かな男。

この愚かさをご覧くださいませ。

十四 くたかけ

くたかけ=にわとり

男は陸奥まであてもなく

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夜明け前、オリオン座が昇ってる

夜明け前、オリオン座が昇ってる

4時半、起床。

東の空にはオリオン座やおおいぬ座が昇ってきていたり冬の星座だ。

天頂には木星と火星が光っている。

スマホで写真を撮ってみた。

普通にパチリの撮っただけだが、よく写ってた。
星座の形もわかる。

オリオン大星雲も小さく写ってる。

星座の図と比べてみた。

オリオン座、おおいぬ座、おうし座、うさぎ座、こいぬ座。

木星、火星。

アルデバラン、べテルギウス、リゲル、シリウス、

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『冷泉家 800年の「守る力」』冷泉喜実子著(新潮新書)を読む

『冷泉家 800年の「守る力」』冷泉喜実子著(新潮新書)を読む

親しみやすい文章で、冷泉家が身近に感じられた。冷泉家は、和歌の家元。

「和の文化」の基本は歌にあり。私とあなたはいっしょです、という精神。
そう言われると、和歌がとても身近に思えてきた。

和歌は、型、約束事が大事。自我、おのれを出さず、型にのっとって歌うことが大事。
自分にも真似すれば和歌のひとつも詠めるかな、と思ってしまった。

冷泉家の家訓は、
そこそこで、相変わらず。
神さんのバチが当た

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伊勢物語を原文でちょっと読んでみた

伊勢物語を原文でちょっと読んでみた

秋の虫が窓の外でしきりと鳴いています。ふと、伊勢物語を読みたくなって、本棚から小学館の日本古典文学全集8巻『竹取物語・伊勢物語・大和物語・平中物語』を取り出しました。

読めるかな?難しいかな?と思いながら、最初のページを読み始めました。

一、初冠
 むかし、男、初冠して、奈良の京春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。

原文だけではわからない箇所も、頭注を丁寧に追ってゆけば、なるほど、意外と

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『源氏物語ものがたり』島内景ニ著 新潮新書

『源氏物語ものがたり』島内景ニ著 新潮新書

本書に紹介されている紫式部と源氏物語研究者を並べてみた。
紫式部 1000年頃
藤原定家 1162〜1241
四辻善成 1326〜1402
一条兼良 1402〜81
宗祗   1421〜1502
三条西実隆1455〜1537
細川幽斎 1624〜1705
本居宣長 1730〜1801
アーサー・ウェイリー
1889〜1966

こうしてみると、源氏物語は創作されて以後、途切れることなく、連綿と研

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挑戦『源氏物語』原文読み

挑戦『源氏物語』原文読み

2年前になりますが、源氏物語を原文で読むことに挑戦しました。使ったのは新潮日本古典集成。原文の横に赤字で現代語訳が付されいるので、便利でした。毎日、朝5時から2時間ほど、出勤前に読み進めました。
読んだページ数を積み上げてグラフにして、源氏物語という巨大な峰を登山しているイメージで、毎日、こつこつと読み続けていきました。

樹々の中に分け入りながら、ときどき解説書も読んで、その山の全体像をつかむよ

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神島〜万葉集「挽歌」の詠まれた地

神島〜万葉集「挽歌」の詠まれた地

 万葉集巻第十三に、備後(きびのみちのしり)の国の神島(かみしま)の浜にして、調使首(つきのおみのおびと)、屍(しかばね)を見て作る歌があります。長歌と反歌、合わせて九首です。

最初の長歌は次のとおりです。(伊藤博釋注『萬葉集』七より引用)

三三三五
玉桙の 道行く人は あしひきの 山行き野行き 直海(ひたうみ)の 川行き渡り 鯨魚(いさな)取り 海道(うみぢ)に出でて 畏(かしこ)きや 神の

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「百人一首─ 編纂がひらく小宇宙 」 田渕句美子 岩波新書 新赤版 2006

初学者にもわかりやすい。論理の筋道が明解で、名探偵の推理を聞いているようだ。

百人一首の歌の新解釈も紹介されていて非常に興味深く読んだ。とくに「末の松山」の解釈に興味を引かれた。貞観大地震の際に、ここを津波が越えたのではないか、そのことが人々の記憶に残されて、本歌の古今集の歌に譬喩として使われたのではないか、と。なんと、確かにありうることだ。

終章では、定家が百首をどのような基準で撰んだかを考

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「藤原定家 『明月記』の世界 」 村井康彦 岩波新書 新赤版 1851

著者がこの本を90歳にして世に出されたたことに感服する。各所の写真も著者の撮影とあり、そのフットワークも驚くべき軽さ。膨大な情報量の『明月記』を読み込んで、定家の実像に迫る作業は並々ならぬ熱量が必要だったという。それを見事にやり遂げられている。

私は、この本を読む前に、田渕句美子先生の『新古今集 後鳥羽院と定家の時代』と『百人一首──編纂がひらく小宇宙』を読んで、和歌集編纂者としての冴え渡る定家

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「本を千年つたえる 冷泉家蔵書の文化史 」 藤本孝一 朝日選書

冷泉家蔵書の調査研究に直接携わり、その全体像を解明した中心的な研究者による解説。The 冷泉家蔵書!。これ以上の解説書はない。守り伝える心に感動した。

日本の宝、冷泉家御文庫、よくぞ残してくれた!と思う。冷泉家は幾度も火災にあったそうだが、文書を納めた土蔵がこの宝を守ったという。
相続においても、定家の嫡子・為家から、もしも為氏に財産が引き継がれていたら、今ごろこの至宝は散逸していたに違いない。

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『和歌の黄昏、短歌の夜明け』 島内景ニ 花鳥社 

著者は、NHK古典購読というラジオ番組で、『源氏物語』の名場面を、『湖月抄』をもとに読み解く、というテーマで現在解説されている。
なぜ、いま『湖月抄』なのか? 著者の思いのベースになっているのが、この本にあるのだと思う。
読み始めは、過激な言葉が並び驚いたが、
次第に著者の意図するところが見えてきた。過激なのは、著者の言葉ではなく、著者が批判の対象としている本居宣長以降の源氏物語解釈の流れだという

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