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香港株式市場について学習②

前回に続き、今回も香港株式市場について学んでいきます。
なんでこんなに僕が香港市場について調べたかったのか後半でお伝えします。

1.香港ハンセン指数について

市場全体の動きを分析したり、個別銘柄の売買のタイミングに役立つものが、株価指数です。香港市場では、香港ハンセン指数、中国企業指数をはじめ、いくつかの指数があります。

その中でも、やはり香港市場を代表する株価指数なのが、香港ハンセン指数です。指数構成銘柄は香港市場のレッドチップ銘柄および、香港H株銘柄であり、2019年6月現在、構成銘柄は、中国の代表的な企業を入れた50銘柄で構成されます。

1964年にハンセン銀行が開発、1969年よりHSIサービシズ社(現ハンセン・インデックシズ社)が公表しており、1964年7月31日時点の構成銘柄の時価総額合計を100として算出しています。

2.50銘柄一挙公開

今回は、香港ハンセン指数の50銘柄を調べてみました。(2020年3月9日定期レビュー適用時点)(注)銘柄名の前の数字はコード番号です。

1:長江和記実業(シーケー・ハチソン・ホールディングス)
長江和記実業は香港最大の企業グループで港湾事業・関連サービス、小売り事業、インフラ事業、エネルギー事業、テレコミュニケーション事業の5つのコアビジネスがある。

2:中電控股 (CLPホールディングス)
中電控股は、香港の電力会社で、中国国内はもとよりオーストラリアや東南アジアなどでも発電設備を有するグローバル企業。

3:香港中華煤気 (ホンコン&チャイナ・ガス)
香港中華煤気は香港のガス会社。

5:HSBCホールディングス
HSBCは香港上海銀行が母体となって誕生した世界最大規模のメガバンク。

6:電能実業(パワー・アセッツ・ホールディングス)
電能実業は電力事業、ガス供給事業をはじめインフラ周りの事業を展開する投資会社。

11:恒生銀行 (ハンセン・バンク)
恒生銀行は香港大手銀行の一つでHSBCホールディングスの子会社。マカオ、台湾、シンガポールにも拠点を持つ

12:恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント)
恒基兆業地産は不動産開発・投資会社。

16:新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)
香港の大手不動産投資、開発会社。

17:新世界発展 (ニューワールド・デベロップメント)
新世界発展は香港の大手不動産会社。不動産開発から、バスや通信、テクノロジーまで幅広く事業手掛けている。

19:太古 (スワイヤ・パシフィック)
太古はイギリスに本部を置いている複合事業会社。

27:銀河娯楽 (ギャラクシー・エンターテイメント・グループ)
銀河娯楽はホテル・カジノを運営する企業。

66:香港地下鉄公社 (MTRコーポレーション)
香港地下鉄公社は、香港を拠点とする公共交通機関を運営するサービス会社。住宅や商業用の不動産事業も行っている。

83:信和置業(シノ・ランド)
信和置業は香港をベースとする不動産開発会社。

101:恒隆地産 (ハンルン・プロパティーズ)
ハンルン・プロパティーズは不動産の会社で、不動産の投資や開発も手掛けている。

151:中国旺旺控股 (ワンワン・ホールディングス)
中国旺旺控股は中国の大手食品メーカー。台湾からスタートし、中国で商標登録を果たした最初の台湾企業。

175:吉利汽車控股 (ジーリー・オートモービル・ホールディングス)
吉利汽車控股は中国大手自動車メーカー。

267:中国中信(シティック)
中信グループは中国の複合企業になり、金融サービス、エネルギー事業、製造業などのセグメントを持つ。

288:万洲国際(WHグループ)
万洲国際は食肉加工食品を提供する企業で、欧米にも拠点を持つ。

386:中国石油化工 (シノペック)
中国石油化工は石油・石油化学製品を上流から下流まで行うエネルギー企業。中国最大の総合エネルギー・化学企業の一つ。

388:香港交易及結算所 (香港証券取引決済所)
香港交易及結算所は、株式、先物取引所、また関連するクリアリング・ハウスを香港で行っている会社。

688:中国海外発展 (チャイナ・オーバーシーズ・ランド&インベストメント)
中国海外発展は香港を拠点とする大手不動産デベロッパー。不動産投資や管理も行う。

700:騰訊(テンセント・ホールディングス)
中国最大手のIT企業。ゲームからメッセンジャーアプリまで幅広く開発・運用を行い、全世界にも展開している。ITジャイアント。

762:中国聯通 (BOC・ホンコン・ホールディングス)
中国聯通は中国の大手通信事業会社。香港証券取引所だけではなく、ニューヨーク証券取引所にも「上場している。

823:領展房地産投資信託基金(リンク・リート)
領展房地産投資信託基金は、香港の大手不動産投資信託を行う会社。

669:創科実業(テクトロニック・インダストリーズ)
電動工具製造会社。主に北米市場向けに工具を輸出。

857:中国石油天然気 (ペトロチャイナ)
中国石油天然気は北京に本社を構える石油会社。国有企業である中国石油天然気集団の子会社。

883:中国海洋石油 (チャイナ・ナショナル・オフショア・オイル・コーポレーション)
中国海洋石油集団は国有の石油・天然ガス等のエネルギー会社。CNOOC(China National Offshore Oil Corporation)という略称で呼ばれる。

939:中国建設銀行 (チャイナ・コンストラクション・バンク)
中国建設銀行は中国最大手の商業銀行。中国国内で高いシェアを誇る。中国において不動産融資やクレジットカードの事業も手掛けている。

941:中国移動 (チャイナ・モバイル)
中国移動は中国国内の通信サービスを提供する会社。世界最大の携帯電話契約数を誇る事業者。

1038:長江基建集団 (チョンコン・インフラストラクチャー・ホールディングス)
チョンコン・インフラストラクチャー・ホールディングスは香港最大手の企業である長江実業グループの傘下にある不動産投資会社。

1044:恒安国際集団(ハンアン・インターナショナル・グループ)
恒安国際集団はティッシュ、紙おむつから生理用品まで、主に衛生商品を中国で手掛ける企業。

1088:中国神華能源 (チャイナ・シェンファ・エナジー)
中国神華能源は中国の国有企業になり世界最大規模の石炭企業。

1093:石薬集団(CSPC・ファーマスーティカル・グループ)
石薬集団有限公司は製薬会社。医薬品の原料などを手掛けている。

1109:華潤置地 (チャイナ・リソーシズランド)
華潤置地は不動産の開発、販売を主力事業として手掛けている。

1113:長江実業集団(CKアセット・ホールディングス)
長江実業集団は香港最大手の不動産会社。

1177:中国生物製薬 (シノ・バイオファーマシューティカル)
中国生物製薬は2000年に設立された中国の大手医薬品メーカー。医療やヘルスケアもカバーする。

1299:友邦保険控股 (AIAグループ)
友邦保険控股は香港をベースに活動する生命保険と金融のサービスを手掛ける会社。

1398:中国工商銀行(インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク・オブ・チャイナ)
中国工商銀行は中国四大商業銀行の一つ。

1928:金沙中国(サンズ・チャイナ)
金沙中国はマカオを拠点に活動するアメリカ系のカジノ・リゾート企業。ラスベガス・サンズの子会社。

1997:九龍倉置業地産投資(ワーフ・リアルエステート・インベストメント)
九龍倉置業地産投資は香港の複合事業会社ウィーロック傘下の不動産投資会社。

2007:碧桂園控股 (カントリー・ガーデン・ホールディングス)
碧桂園控股は不動産の開発会社。開発から販売まで幅広く手掛ける。

2018:瑞声科技(AACテクノロジーズ・ホールディングス)
瑞声科技は電子機器の部品メーカーになり、音響や光学、センサーなどを開発している。

2313:申洲国際集団控股(シェンジョウ・インターナショナル・グループ・ホールディングス)
申洲国際集団控股は繊維メーカーでOEMを中心にニットウェアの製造を行っている。

2318:中国平安保険(集団) (ピンアン・インシュアランス)
中国平安保険は1988年に創業したグループ会社で、現在は保険、銀行、投資、インターネット金融などを行う事業会社へ変貌を遂げている。

2319:中国蒙牛乳業(チャイナ・モンニュウ・デイリー)
中国蒙牛乳業は中国で乳製品の製造・販売を手掛けている。牛乳やヨーグルト、アイス、チーズなどが主力製品。

2382:舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー)
舜宇光学科技は光学機器を開発・提供するメーカーで主にカメラレンズなどを手掛ける。

2388:中国銀行(香港) (BOCホンコン・ホールディングス)
中国銀行は1917年に香港にて創業した銀行。持ち株会社は2001年に設立。銀行業務に加え東南アジアを始めとしたエリアに金融サービスを提供している。

2628:中国人寿保険 (チャイナ・ライフ・インシュアランス)
中国人寿保険は2003年に設立された保険会社。中国トップクラスの生保となり、多くの保険加入者を抱えている。

3328:交通銀行 (バンク・オブ・コミュニケーションズ)
交通銀行は1908年に創業した銀行で、中国五大銀行の一つ。世界各地に拠点を持ち事業を行っている。

3988:中国銀行 (バンク・オブ・チャイナ)
中国の商業銀行。日本にも東京、大阪、横浜等に支店を持つ。

ジャンル別で分けると以下の4カテゴリーに分けられます。
金融株:11
公益事業株:4
不動産株:11
商工業株:23

3、アメリカはGAFA、中国はBATHからATMXへ。さらには・・・

香港市場は今後めちゃくちゃ楽しみな市場です。
中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団をはじめとするネット大手が香港ハンセン指数に組み入れられる可能性が出てきたことで、「ATMX」が、構成銘柄入りすることが現実味を帯びてきたからです。

<参考>
アメリカではGはグーグル、Aはアップル、Fはフェイスブック、Aはアマゾンで「GAFA」四騎士と呼ばれる。
一方、中国では、Bの百度(バイドゥ)、Aのアリババ、Tの騰訊控股(テンセント)、Hのファーウェイで「BATH」と呼ばれていたが、今、香港市場では、Aはアリババ、Tは騰訊控股(テンセント)、Mは中国出前サイトの美団点評、Xは中国スマホメーカーの小米(シャオミ)で「ATMX」と呼ばれている。

この4企業が香港ハンセン指数を算出する代表銘柄に選ばれたら、指数に連動してポートフォリオを組む機関投資家がATMXの比率を拡大する可能性が高く、ATMX株の値上がりはもちろん、香港株式市場全体にも「売代金が増加し、市場の魅力が増す」効果が期待できます。

さらには、中国EC2位で米上場の京東集団(JDドットコム)が6月にも香港に上場すると伝わり、また、中国検索サイトの百度(バイドゥ)も香港上場を計画しているといわれ、ATMXは遠からず「ATMXJB」に拡大しそうとの見方があり、今後、香港市場が投資家の意識を大いに盛り上げることになるでしょう。

まずは、アリババが9月に香港ハンセン指数に採用されるかが鍵となります。香港市場、今後要チェックです!!

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GAFA×BATHで比較分析した本もあります↓↓
・Eコマースの「アマゾン×アリババ」、
・スマートフォンの「アップル×ファーウェイ」、
・SNSの「フェイスブック×テンセント」、
・検索の「グーグル×バイドゥ」
4つに分類し、それぞれ米中のメガテック企業を解説しています。


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